第6話

「うあ！」須田俊哉が叫び声を上げて、一歩下がり、地面に座り込んだ。伊藤佐倉は霊安室の入り口に立って中に入る勇気がなく、須田俊哉の声を聞くと急いで駆け込んだ。「俊哉、どうしたの？」

伊藤佐倉は震えている須田俊哉を助け起こそうとしたが、彼の手がずっとある方向を指しているのを見て、伊藤佐倉は振り返り、青白い私の顔を見た。

伊藤佐倉は驚きの声を上げ、明らかに恐怖におののいていたが、須田俊哉ほど激しく反応することはなかった。彼女は須田俊哉を支え上げ、信じられない様子で言った。「杏ちゃんが......どうして......」

「工藤......工藤杏......あなたは俺を騙しているに違いない！ははは、適当に似た死体を見つけて俺を騙せると思っているのか？工藤杏、出てこい！直接言ってみろ！」

私は須田俊哉が揺れながら私に近づいてくるのを見て、彼の顔に触れようとする。その後、何かを思い出したかのように、静かな霊安室で大騒ぎを始めた。「工藤杏！偽者で俺を騙せると思わないで、出てこい！」

彼の腕は何かを追い払おうと振り回されていた。

私はずっとあなたのそばにいるのに、須田俊哉。

私の身体はあなたの前にあり、私の魂はあなたのそばに漂っている。

私はすでに出てきたのに、あなたは感じられず、ずっと認めたくないだけだ。

伊藤佐倉は前に進もうとしたが、暴走している須田俊哉に一発で振り払われ、思いがけず、彼女は私の身体に重く倒れ込んだ。

本当に自分が可哀想だ。伊藤佐倉の顔を見て、寒気が走った。

「須田俊哉、もう少ししっかりして。私はとっくに言ったよ、杏はもう死んでいる！何を騒いでいるの！」遅れてやって来た莉子を見て、須田俊哉はまるで救命の藁を掴むかのように、彼女の肩をしっかりと掴んで、私たちの計画を問いただした。

「ありえない！工藤杏がそんな簡単に死ぬはずがない、昨日だってメッセージをくれたんだ！あなたたちは成功した、早く教えて、工藤杏はどこにいるんだ！」

須田俊哉の目は赤く、声には微かな狂気が滲んでおり、次の瞬間には完全に制御を失うようだった。

ぱちんという音がし、莉子の手が須田俊哉の顔に叩きつけられ、須田俊哉が反応する間もなく、彼女は紙を激しく彼の身に叩きつけた。「これは病院が発行した死亡証明書だ！目をしっかり見開いて、杏はもう死んでいる！」

「死亡証明書.....