第7話

須田俊哉が突然声を失い、最後の心理的防衛線が崩れたように、身体が急に崩れ落ちた。

彼は震えながら私の体を覆っている白い布をめくり上げ、ついに私の壊れた人形のような身体を見た。

腹部には多数の傷跡、全身は青紫色に変わり、血痕や擦り傷が無数にあり、肌はすでに光沢を失い、灰色に変わっていた。

まるで暴風雨を経験し、ゴミ箱に捨てられた布の人形のようだった。

「彼女はどうして怪我をしたんだ？」しばらくして、須田俊哉はか細い声で尋ねた。

伊藤佐倉の身体が瞬時に固まり、冷気が漂う霊安室で、私は彼女の頭に冷や汗が滲んでいるのを見た。「俊哉、杏ちゃんがもういなくなったんだから、もうこれ以上......」

「まさか、君はまだ知らなかったのか？」莉子が嗤い声を上げた。「そうだね、君はすべての思いを伊藤佐倉に向けているから、あの日伊藤佐倉と一緒に病院に運ばれた重傷の杏に気づくはずがないよ！」

「彼女は君の心の中で特別な存在の伊藤佐倉によって、集中治療室に放り込まれたんだ！」

「軽い擦り傷の伊藤佐倉に心配の声をかけているのに、瀕死の杏に一瞥もくれないなんて！」

「須田俊哉、お前はまだ人間なのか！」

須田俊哉は突然振り返り、信じられないように伊藤佐倉を見つめた。伊藤佐倉は驚いた表情をし、言い訳をしようとしたが、震える声と額に浮かぶ大粒の汗が彼女を裏切った。

須田俊哉は失望の眼差しで言った。「佐倉、本当にお前が......」

「そうじゃない！」伊藤佐倉は須田俊哉の腕を掴み、必死に懇願した。「俊哉、私は本当にわからなかった。あの時、私は本当に生きたくなかった。ただ、飛び降りた後に杏ちゃんにぶつかるとは思ってもみなかったの。これは神様が私たちを一緒にさせるチャンスだと思っただけ。私はただあなたを愛しすぎていて、離れられなかったの......」

「だから、」須田俊哉は震えながら、ゆっくりと、そして確実に伊藤佐倉の手を少しずつ引き離した。「お前は最初から、莉子の言うことが本当だと知っていた。故意に隠し、私が病危通知書にサインするのを妨げたのは、私から離れられなかったからなのか？」

「お前のそのちょっとした傷で、本当に私から離れられないのか？お前のうつ病は、本当に私から離れると死にたいほどのものなのか？」

「お前は本当に私を愛しているのか、それとも私が周りを回っていることで得