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旦那に嫌われたのは私が初めてではない
旦那に嫌われたのは私が初めてではない
著者: 十二猫

第1話

あのチャットを見た時、私は相当なショックを受けた。

私に初恋の恋愛歴があると結婚前に既に高木颯太に伝えていた。

颯太は気にしないと返事した。

私を抱きしめて「紬希ちゃん、あんたの未来は俺だ。ずっと一緒にいるつもりだよ」と感動的な言葉を言った。

今チャットを見たところ、私が処女じゃなくて汚いと嫌われてるなんて、付き合い初めた当初、伝えておいたのに。

当時気にしないって表明した高木は今更私を嫌ってるなんて想像にもつかなかった。

私はこぶしを握り締めて決意をして、バッグにある健診報告書を収めた。

「紬希ちゃん、俺、頭が痛い。酔い覚ましスープをお願い」

颯太の寝言かのような声が耳に届いた。私は即時に起きて、酔い覚ましスープを飲ませ、彼の額を撫でていた。

颯太は私の手ひらの暖かさに未練がましそうに、私を引っ張って放そうとしなかった。

「紬希ちゃん、ありがとう。手間増やしちゃってごめんね」

泥酔したとしても私のこと気にかけてる颯太を見て、私はやっとほっとした。

だが、やはり聞き確かめた。「颯太さん、私のことを嫌がってない?」

「どうして私と子供を作らないの?」

颯太はため息をついて笑った。「紬希ちゃん!勿論嫌がってなんかないよ。ただ僕は今子供が欲しくないだけ」

「あいつがあの男とどれだけセックスしたかと思うと、気持ちが悪い!」

颯太が友達に不満を発散したチャットを見たことがあるけど、自分の耳で聞いたところ、私はやはり胸が張り裂けそうなこころの痛みを感じた。

深く息を吸って、颯太を支えてベッドに寝かせてから、私は客室に行った。

ベッドに横になって、もう離縁しようかとの考えが浮かび上がってきた。

今だって汚いと嫌ってるじゃん。私が年取ると一層ひどくなるだろう。生涯見守るなんて話にならない。

颯太が私と結婚して以来3年間、ずっと我慢してるって、彼を散々苦労させたんだな。

私は気さくな人間だ。受け入れられない以上、無理する必要はない。

翌朝、私は離婚協議書を書いてておいたが、颯太は急にかかってきた電話に出て、急いで出かけてしまった。

「お客様からの打合せが入った。今日忙しそう!」

ちょっと呆然とした後、私は「仕事は大切だ。お昼に時間が空いたら、用事があるんだよ」と応じた。

丁度その折、急いで出かけた颯太は聞き取れたか分からなかった。仕方がなく、私はLINEにメッセージを送った。

颯太からの返事がなかった。

チャットの履歴をめくってみたところ、気づけばいつからか我々夫婦間のチャットは私からの一方的な発話になっていた。

朝の挨拶から、一日三食まで、颯太が話し掛けて来ることは一切ない。向こうに話し掛けてみると、仕事が忙しいとの返事が来る。

弁護士である颯太は確かに仕事多忙だが、休日や記念日には私へのプレゼントを忘れずに贈っている。

ただ、確かにいずれもややおざなりなプレゼントだった。

私はちょっと考えてから、片付けた後、レストランを予約して、颯太に店の位置情報を送信した。昼に私は10分早く到着した。

結局、颯太は女の子を連れてきた。

明るくて派手な子だ。対面した途端挨拶してくれた。「紬希さん、こんにちは。颯太さんのアシスタントですが、浅野芽依と申します。今日の昼にはおじゃま虫になりますよ!」

颯太は淡々と笑った。「おじゃま虫だと分かってるるのに結局来たんじゃん?」

「そうね。あたしは颯太さんが常に口にしてるご愛妻にお会いしたいもんかしら!」

芽依がお洒落な子であり、言いながら舌を出した様子は他の人ならば、きっと吐き気がするかもしれないけど、彼女だったら寧ろ活発でかわいい感じがする。

颯太の楽しそうな目付きを見ると、芽依のことが好きだと分かる。

言い換えれば、芽依の純真無垢と優しさが好きだと思う。

私にとっては芽依が面識のない人ではない。シティプッシュでは、彼女は時々仕事の日常情報をプッシュしている。

颯太は偶に出演し、二人の曖昧な挙動は、多くのネットユーザーから甘すぎるんだと絶賛の声が上がっている。

時には颯太から芽依のことを耳にしたことがある。その際、彼の目が輝きを放っているとはおそらく彼自身すら気づかなかったと思う。

私はただ笑顔しながらうなずいて、店員を呼んで注文した。

その際、芽依さんは「颯太さんは最近のぼせがちになって、辛いものは遠慮しといたわ。紬希さん、あっさりしたものを注文しましょう!」と注意した。

彼女は私のことを「奥さん」ではなく、「紬希さん」と呼び、颯太を「颯太さん」と呼んで、今またわざわざ颯太ののぼせ症状を注意してくれた。

他人の目から見ると、彼女こそ「奥さん」だと勘違いしてしまうかもしれない。

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