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第47話  

「今、なにをやってるの!朝ごはんもろくに食べずに会社に行ったと思ったら、本当は加波歩美のところに行ってたのね?爺さんの言葉を耳に入れないつもりなのか、なぜ由佳ちゃんをこんなに傷つけるの?」

「最初から責任を取るつもりがないのなら、彼女と結婚するな。爺さんはただ由佳ちゃんを幸せにしてほしいと願っていたが、今はこんなことになっちゃって、」

山口清次はしばらく沈黙し、「お爺さん、今後このようなことは絶対に繰り返さないと約束します。ただ、次から何かされる際には事前に私と相談していただきたいです。」

……

由佳が遅くに目を覚ますと、家政婦が由佳のために朝食を温め直していた。

朝食を食べた後、すでに十時になっており、出勤の時間に間に合わなかったため、由佳は実家で祖父母と過ごし、昼食をとった。

帰るとき、祖父母が由佳に招待状を手渡した。

「これはディナーパーティーの招待状、私宛に届いたの。私はいかないから清くんと一緒に行ってきて。清くんに伝えとくから。」

由佳は気づいていた。祖父母は由佳と山口清次を一緒にしたい。

ただ、祖父母は知らない、すでに離婚届に署名していることを。

「おばあちゃん、私はこういうディナーパーティーに行ったことがない、ただ……」

「大丈夫、清くんが連れて行ってくれるから。」

「問題ない。由佳、頑張ってね。」祖母が由佳の肩をポンポンと叩いた。

由佳は祖父母を見て、勇気を出して頷いた。

由佳は実家を出て、会社に向かった。

エレベーターを降りて、由佳は自分のオフィスに向かい、途中で社長室の秘書に出会った。

その秘書が由佳に言った、「総監督、山口社長がお呼びです。」

「わかりました。」

由佳は直接社長室に向かい、ノックして入った。

「社長、どうしましたか?」

山口清次はデスクの後ろに座って彼女を見上げた。「来たか、今実家から戻ったところ?」

「ええ。」

「一つ聞きたいことがある、正直に答えて。」

「なんですか?」

「お爺さんに、私が加波歩美に会いに行ったって言ったのか?」

由佳は眉間に皺を寄せて、首を振った。「何も言ってません。」

山口清次の瞳は真っ黒で、彼女を見つめたまま、「本当に?」

由佳もしっかりと彼を見つめて答えた、「本当です。」

彼女の心はかなり苦しかった
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