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第150話

由佳の頭の中がぼんやりとし、しばらくしてから自分が泥棒に遭遇したことに気づいた。

 お腹に痛みが走り、一時的に動けなくなった。

 子供、彼女の子供は大丈夫なのか。

 彼女は地面で腹部を押さえて痛みが収まるのを待ち、ようやく体を支えて立ち上がった。

 立ちすくしながら、どうしたらよいか迷った。

 泥棒はもう姿が見えない。

 彼女はどうするべきか分からず、ぼんやりと数歩進んでから、スマホや財布がバッグの中にあることを思い出した。

 今はお金持っていないため、帰れなくなってしまった。

 由佳はその場でしばらく立ち尽くし、警察署というものがあることを思いついた。

 通りすがりの男性に尋ねた。「すみません、近くの警察署までの行き方を知っていますか?」

 「おお、そこは遠いよ。この道をずっとまっすぐ行って、三つ目の交差点を過ぎてから曲がって…まあ、とにかく前に進んで、歩きながら聞けばいいよ」

 「はい、分かりました。ありがとうございます」由佳は前に進み始めた。

 指示に従って約30分歩き、ようやく警察署の看板を見つけた。

 由佳は警察署で通報し、警官にお金を借りてタクシーを利用し、警察の電話番号も教えてもらった。

 家に戻ると、清掃中の家政婦が由佳を見て、「奥様、どうしたんですか?」と尋ねた。

 由佳は自分の服が汚れているのに気づいた。

 肘や膝には青あざや擦り傷があった。

「ちょっと転んだだけです。上に上がって服を変えて、シャワーを浴びます」と由佳は静かに言った。

彼女は上に上がって服を変え、シャワーを浴びてからベッドに横になり、眠りについた。

……

翌朝、彼女は目を覚まし、体を支えてベッドから降りた。

隣のベッドは整然としており、誰も戻ってきていなかった。

朝食の後、家のコンピューターで休暇を申請し、その後、警察署、銀行、店で身分証明書や銀行カード、携帯電話のカードの再発行手続きを行い、新しいスマホも購入した。以前使っていたアプリを再ダウンロードし、再発行した電話番号でログインした。

 ただし、記録はすべて消えてしまっていた。

 幸い、重要な書類はクラウドにバックアップを取っていたので、その他のデータが失われただけだった。

 彼女は友人のLINEをチェックし、新たな発見があった。

 朝、山本菜奈がLINEに「二
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