第4話

それ以前に、私は一度桜井家の古い邸宅を訪ねる必要があった。

桜井のおじいさんの書斎で、彼は眉をひそめていた。

「お嬢さん、もし何か不満があれば、おじいさんが責任を取りますから安心してください」

「しかし、離婚は簡単なことではありません。桜井家と藤宮家の関係は深く結びついているんです」

桜井のおじいさんの言葉一つ一つが私の胸に重く響いた。

彼が言うことは理解している。しかし、もうこれ以上続けるのは難しい。

ガツンという音がした。

私はそのまま桜井のおじいさんの前で膝をついた。

「おじいさん、私はもう決めました」

書斎中に響き渡る私の強い声。

私は彼の目を見据え、孫媳婦としてではなく、個人として話をした。

「離婚後も、桜井家と藤宮家の関係は変わらず、私は桜井家の唯一の娘です。彼らは私の幸せを願っています」

離婚の話は桜井のおじいさんの許可を得るためではなく、敬意を表するために話しただけだ。

桜井のおじいさんはなかなか口を開かなかった。私は静かに床に跪いて彼の返事を待った。

しばらくして、彼は立ち上がって私を助け起こした。

「お嬢さん、桜井家が申し訳ありません」

「離婚のことはお前の辛抱を試すことにはならない。何か要望があれば何でも言ってください」

桜井のおじいさんの言葉がある以上、竜一の意見など重要ではなかった。

昼食時には、桜井のおじいさんの求めにより、彼と一緒に食事をした。

食事の途中で電話が鳴った。

「今日はどうして料理を作ってくれなかったの？」

竜一の言葉に私は一瞬固まった。

すぐに思い出す。彼は以前にも私の料理を食べたことがあるから、毎日天野さんが彼に持っていく料理が誰の手によるものか気づかないわけがない。

私が口を開く前に、桜井のおじいさんは私の手から電話を取り上げてスピーカーモードにした。

意外にも、電話の向こうから真希の声が聞こえてきた。

「竜一、私が料理を作ったから、食べてみて」

「前に天野さんが用意してくれた料理に飽きたと言ったよね？」

真希の言葉を聞いて、私は平静を保った。

しかし、内心では自分を嘲る気持ちがあった。彼はとっくに飽きていたんだ。

「食べたくないなら飢え死ぬがいい！」

「いったい誰が偉いと思っているの？嫁を迎えておいて、こんな扱いをするなんて！」

「埒もない女に手を出すなん