第8話

私は携帯電話を取り出し、坂本美世のinsを探して、1つずつ彼に見せた。

彼は2つ目の投稿を見たとき、目を別の方向に向けた。

「松井湊、以前は君が誠実で、細やかで、医者として責任感があり、大きな愛を持っていると思っていた。君を誇りに思っていた。君は正義感が強く、私情に流されない。母の病気が気になっていたが、君の原則に反するよう強要することはなかった」

「しかし、坂本美世が現れてから、君のその原則が実は誰のためかだけのものだとわかった」

「そんなに彼女を愛しているなら、なぜ私のところに来るのか？」

松井湊は顔を赤らめ、言葉を詰まらせた。

その時、木村北斗が現れた。

彼は電話をかけながらこちらに来た。

私の前に来ると、目で合図を送った。

そして、彼は携帯電話のスピーカーを開き、坂本美世の声が流れてきた。

「木村君、絶対に松井湊の話を信じちゃダメよ。彼とはとっくに終わったから」

「最初からお母さんのために肝臓を交換するためじゃなかったら、絶対に彼とそんなに近づいていなかった。彼は今、副院長になれず、停職になって、私たち二人にとって脅威にはならない」

「木村北斗、あの葬式で君に会った時、私は君に惹かれたの。信じて、松井湊とは何の関係もないから！」

坂本美世はどんどん興奮していき、松井湊が心が冷たく、義母さえも殺してしまったと言った。

彼女は、松井湊が私と母の虚偽の清高さを見抜き、実際は彼が田舎出身だから見下していると思っていると話した。

彼は実際には私の母の肝臓を奪う必要はなかったが、私たち母娘が彼に頼るしか生きていけないことを知らせたかった。

彼は私たちの虚偽の顔を暴き、私たちが彼に土下座して頼むようにさせたかった。

「やめて！」

松井湊は叫び、木村北斗の携帯を奪おうとしたが、木村北斗は先に通話を切った。

木村北斗は松井湊を押しのけ、まだゴミを見るような目で彼を見ていた。

私は初めて彼が私たち母娘をそのように見ていることを知った。

私は怒りで震え、彼が私に言ったあの言葉を夢にも思わなかった！

木村北斗が私のそばに来て、冷たい口調で言った。

「彼が停職になった後、冯笑笑は彼に無視していたが、どうやって私の連絡先を知ったのか」

「彼女は、母のために治療を受ける以外、松井湊と関わるつもりはなかったと言っていた。松井湊が停職になってか