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第151話

藤沢修の視線は、遠藤西也と松本若子の方に一度向けられた。彼も二人に気づいたようだが、すぐに目をそらし、向かいにいる桜井雅子に話しかけ、彼女と笑いながら会話を続けた。

松本若子は、藤沢修がわざとなのではないかと思った。世の中にはたくさんのレストランがあるのに、なぜよりによってこの店に来たのだろう?

今日あんなことがあって、離婚できなかったことは仕方がないにしても、せめて食事くらい静かにさせてほしい。

松本若子は腹立たしくなり、テーブルにあったグラスを取り上げ、一気に果汁を飲み干した。

彼女は勢いよく飲みすぎたせいで、飲み物が服にこぼれてしまい、赤い液体が白いブラウスに染みをつくった。

遠藤西也はすぐにティッシュを取り出し、彼女に差し出した。

松本若子はティッシュを受け取り、服についた飲み物を拭きながら、「ごめんなさい、ちょっとお手洗いに行ってくるわ。戻ってきたら出ましょう、ここにはもういたくないの」と言った。

「分かった」遠藤西也はうなずいた。

松本若子はあと数口食べ、皿の料理をほとんど食べ終えると、ナプキンで口元を拭き、席を立ってお手洗いへ向かった。

......

松本若子は顔を洗った。化粧をしていないので、特に気にせず、顔を洗うと頭がすっきりとした。

鏡の中の自分を見つめながら、彼女は口を開いた。「松本若子、もう藤沢修のために涙を流すのはやめなさい。もう少ししっかりしなさい」

そう言いながら、彼女は再び冷たい水で顔を洗った。

その時、洗面所のドアが開き、一人の女性が隣に立った。彼女はバッグからコンパクトを取り出し、化粧直しを始めた。

松本若子は顔についた水滴を拭き、顔を上げずに歩き出そうとしたが、隣の女性が突然彼女を呼び止めた。「ちょっと待って」

声に反応して、松本若子が顔を向けると、そこには桜井雅子が立っていた。彼女は眉をひそめ、何も言わずにそのまま前に進もうとしたが、桜井雅子はドアの前に立ち塞がった。

「何を逃げてるの?私はあなたを食べるつもりなんかないわよ」

松本若子は冷笑した。「桜井さんのような華奢で繊細なお嬢様が、もしうっかり転んで私に怪我の責任を押し付けられたら困るわ」

桜井雅子は言った。「そんな言い方しなくても。あなたは本当に人を疑う目で見るのね」

松本若子は微笑んだ。「邪魔しないでくれる?私、あなたと話すことな
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