『願わくば……』

『願わくば……』

last updateLast Updated : 2025-04-04
By:  設樂理沙Updated just now
Language: Japanese
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       そんじょそこらではお目にかかれないほどのきれいな顔を持つ夫は これからは妻だけに尽くすと公言。はぁ?                 ******** 夫はアラ還を前に妻に対して外に向けてもこれからは妻だけに 尽くすと公言。ずるい男、今になって。 さんざん今までいろんな女性と付き合ってきた夫の言葉。そんじょそこらではお目にかかれないほどのきれいな顔を持つ夫は、独身時代もそして結婚して既婚者になってからもすごくモテた。 そんなイケてる男とその妻の行く末を描いてみました。

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第1話 ◇夫の目論見

1.仁科家の住む街は関西圏内のトアル場所仁科貴司   57才 -- 一級建築士[事務所所長-社員5名]              副業でスナック経営 趣味はバイク             仁科葵    50才 -----専業+時々短期アルバイター通訳の             有資格者                趣味はパッチワーク     仁科賢也   25才 ----会社員 真面目なリーマン      仁科智也   22才 ----会社員 朴訥リーマン 西島薫   52才 ---- 小児科医 息子達もお世話になった。   小野寺裕子 36才 独身----貴司の浮気相手のクソビッチ 岡本沙織   55才  キャンプ場のオーナー            (犬、猫達をたくさん世話している。)コウ--8才の雄猫---身体にマヒがある、仔猫育て上手な          イクメンくん 1.  私はカスミソウの花が好きだ。  最近になって花言葉を知った。 春から初夏にかけて咲くと言われているカスミソウ。  ピンクの花言葉は「切なる願い=My earnest wish」と いうのだそうだ。 ずっとカスミソウには白色しかないと思い込んで いたのだけれど花言葉を知って、ピンクのカスミソウが 私の心の中を占めるようになっていった。 ○○○○年4月某日のこと…… 「お集まりの皆さん、お忙しい中お越しいただき ありがとうございます。  今月の4月9日が我々夫婦の26回目の結婚記念日だった のですがまんま9日にとはいかず、少し日程がズレて しまいましたけれど、記念日と併せて皆さんに発表して おきたいことがありまして お声をかけさせていただいた次第です。」  ♡貴司くぅ~ん、前置きはその位で早く本題 お願い~っ! ♡  夫のバイク仲間が野次を入れた。-夫が独身だった頃からの顔が6つほどチラホラ。 所謂遊び友達で悪友というヤツだ。 副業でやっているスナックの従業員と本業の設計事務所の 社員の顔もある。  ご近所で子供を介して仲良くしているママ友ご夫婦の顔も 見つけた。  3組ご夫婦で揃って来てくれたみたい。 夫の社交力というものを改めて再認識し...

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第1話 ◇夫の目論見
1.仁科家の住む街は関西圏内のトアル場所仁科貴司   57才 -- 一級建築士[事務所所長-社員5名]              副業でスナック経営 趣味はバイク             仁科葵    50才 -----専業+時々短期アルバイター通訳の             有資格者                趣味はパッチワーク     仁科賢也   25才 ----会社員 真面目なリーマン      仁科智也   22才 ----会社員 朴訥リーマン 西島薫   52才 ---- 小児科医 息子達もお世話になった。   小野寺裕子 36才 独身----貴司の浮気相手のクソビッチ 岡本沙織   55才  キャンプ場のオーナー            (犬、猫達をたくさん世話している。)コウ--8才の雄猫---身体にマヒがある、仔猫育て上手な          イクメンくん 1.  私はカスミソウの花が好きだ。  最近になって花言葉を知った。 春から初夏にかけて咲くと言われているカスミソウ。  ピンクの花言葉は「切なる願い=My earnest wish」と いうのだそうだ。 ずっとカスミソウには白色しかないと思い込んで いたのだけれど花言葉を知って、ピンクのカスミソウが 私の心の中を占めるようになっていった。 ○○○○年4月某日のこと…… 「お集まりの皆さん、お忙しい中お越しいただき ありがとうございます。  今月の4月9日が我々夫婦の26回目の結婚記念日だった のですがまんま9日にとはいかず、少し日程がズレて しまいましたけれど、記念日と併せて皆さんに発表して おきたいことがありまして お声をかけさせていただいた次第です。」  ♡貴司くぅ~ん、前置きはその位で早く本題 お願い~っ! ♡  夫のバイク仲間が野次を入れた。-夫が独身だった頃からの顔が6つほどチラホラ。 所謂遊び友達で悪友というヤツだ。 副業でやっているスナックの従業員と本業の設計事務所の 社員の顔もある。  ご近所で子供を介して仲良くしているママ友ご夫婦の顔も 見つけた。  3組ご夫婦で揃って来てくれたみたい。 夫の社交力というものを改めて再認識し
last updateLast Updated : 2025-04-02
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第2話 ◇白ける夫の台詞
2. 「今まで仕事も二足のわらじで一生懸命やってきましたが、趣味や遊びも 負けないぐらい時間を費やしヤンチャなこともしてきたわけですが、60才を目前に目が醒めまして……。」 覚醒したのねぇ~ン←-- ヤンチャ仲間たちのクスクス笑い「今後は家庭第一家族第一、そして私の最愛の妻第一をモットーに 今までの感謝と共に反省も込めて妻を大切にしていくことをここに誓います」  夫は神妙な面持ちでそれから笑顔を周りの人たちに向けて声高に再度 『最愛の妻だけに心を捧げて大切にしていくことを誓います』と言葉を結んだ。  とまれ……私は事情が飲み込めず、頭の中は真っ白。『えーっ』  けれど辛うじて周囲の人たちに違和感を持たれない程度に 口角を上げ、微笑みを湛えた表情で拍手喝采を受け止めた。 『アホくさっ』      夫が私の方を見たように視界の端で捉えたけれど 気付かぬ振りで私は息子たちに視線を向けた。  長男も次男も辛うじて周囲に溶け込んだ表情を纏って いたけれど、その目には明らかに私と同様の困惑が 浮かんでいたのを私は見逃さなかった。  長年、最も夫を間近で見て来た者だけが持ちうる 苦悩や悲しみ裏切り、様々な感情の混じり合った乾いた瞳……6つの瞳に喜びの色はなかった。『何だ、ソレっ』
last updateLast Updated : 2025-04-02
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第3話 ◇夫の腹の内
3.  夫はアラ還になって、やっと私だけの男《夫》になると 内外に宣言したのだ。  私には夫の腹の内が読めてしまった。  夫の友人たちも類友で、皆遊び人ばかり。 その内の若い頃から浮気三昧をしていた2人が 最近立て続けに奥さんたちから引導を渡され熟年離婚されている。  3人目など奥さんが出産で里帰りした時に…… ほんとにその時だけ……たった一度だけ浮気をしたという人だった。               そのあとはずっと真面目に奥さんだけを見てきたらしい けれど、やはりアラ還で離婚されている。 たった一度を許さない女性もいるのだということを知り 夫がとても焦ったのは、想像に難くない。 夫は友人たちが次々と熟年離婚される中、学習したのだろう。  何てずるくて調子の良い男なんだろう。 危機感からか、この先妻だけを見つめ妻と子供たちを大切にするのだと、 それらに全力で心血注ぐと今更なことを言い出すまで、彼の勝手気ままな 浮気は延々と続いてきたのだ。  この25年間余り、ずっとだ。 60才を前になってやっと、妻だけに愛を捧げるデスとぉ? なんじゃらホイホイっだ。 ほんっとに何て残酷な人なんだろう。   私は何ともやりきれない心境だったが、大勢の前での表明だったことも あり、表面上は幸せそうなふうを装って、夫の身勝手な表明を聞いていた。-  オブラートに包んでいるけれど、ぶっちゃけ今まで散々浮気しまくって きたが 心を入れ替えて《今頃手遅れよー》もう今後は浮気をやめます 宣言なのだ。 妻に対して、そして外に向けても、これからは妻だけに尽くすと公言。 ずるい男、今になって。 夫の度重なる浮気に何度も泣いてきた私は、会場にいる夫に向けて心の中 で想いの丈をぶちまけた。 今後、最愛の妻だけに心を捧げて大切にしていきますって? 誰のこと?  私のことだなんて言わないよね? あなたのしてきたことを鑑みれば、チャンチャラおかしいって 聞いていた人たちも心の中で呆れているんじゃないかしら。  最愛……最愛ってどんな字を書くのか知ってる? 一番愛するいちばん愛しい人のことよ。  ……なら、それはやっぱり私のことじゃない。  あなたはあなた自身が一番かわいくて大事。  あなたの最愛の人ってあなた自身。 言う
last updateLast Updated : 2025-04-02
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第4話 ◇私の夫は所謂モテ男。
4.   妻である私にもフェミニストでやさしく家庭もそこそこ大事にしてくれて、 浮気はしても他し女《あだしおんな》に溺れるということは過去一度も ないのは確か。 妻の訴えには耳を貸さず、よその女性と付き合うのは 男の甲斐性とばかりに次々と浮気を繰り返してきた夫。  よその女性との遊びや旅行は止めてほしいと、やんわり お願してきたけれど、家庭もつまり私や子供たちのことも 大切にしているのだから、いちいち外での交友を縛ったり してはいけないと言う。   また「よその女性にモテるっていうことは、それだけ素敵な旦那様って ことなんだから、妻とだけしか付き合えないようなモテず魅力のない 男が夫であるほうが良かったっていうのかい? そんな男といたって君もつまんないでしょ?」                   そう言い放ち、私の願いは聞き入れられなかった。 しっかり稼いで家族には何不自由させてない…… 大切にやさしくしている…… その上でよその女性と何しようが文句は言わせない……         夫の放った言葉から、妻ひとりだけのものにはならない、 これが夫の意思表明だったのだろう。  やさしい?   ほんとに? 本当は判ってる。 やさしい人がこんなに私の心を翻弄し苦しめたりするはずが ないってことを。  彼は最も残酷な人間。  私はそれを忘れちゃぁいけない。 彼に笑顔を向けているときも、従順でいるときも、 言動で見せ掛けの優しさを受け取るときも、やさしさなんて 持ってないってことをずっとずっと忘れてはいけない。 いつもブレることなく、自分を保っていればこれ以上 自分の心を痛めることもないのだから。
last updateLast Updated : 2025-04-02
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第5話 ◇寂しい
5.☑  自分は女性にとってどれだけ魅力的かを知っている者 だけが振舞える横暴を振りかざす男。  何をしても何を云っても私が彼から離れられないのを 知っていて私にその言葉を振り下ろした男。 それが私と結婚した夫だった。  まだ子供達が幼かった頃のこと……。 夫と一緒に参加するevent、運動会、町内会、会社関連での 夫婦揃ってのパーティー etc,  家族連れの時もカップルの時も、いつも皆一様に夫の隣にいる 私に羨望の眼差しを向けてくる。 言葉に出して言われたことも一度やニ度ではなかった。 『素敵なご主人で羨ましい。  ほんと、あなたって幸せ者ね。いいわねっ』        そんな眼差しを浴びる度……  そんな言葉を掛けられる度…… ただ無言で微笑むだけ。 私はいつだって『そうなのいいでしょっ』とは返せなかった。  だって皆が羨むほど、幸せではなかったから。 幸せどころかいつも心の片隅に不安と悲しみ、怒りがあった。 私だけが知っている真実。 私は皆の前ではまやかしの象徴。 不誠実極まりない男を周りから、いい男、できる男、 魅力的な男を夫に持っている最高に幸せな女と思われているってどんな気分なの? 葵……。  満足とまではいかなくとも、快感くらいは感じてる?  ちっとも、ちっとも。悲しいだけ。 私の望みはいつも私の心に寄り添い私だけを見つめ続けて くれること。 信頼し合って暮らすこと。 確かに今の時代、離婚するカップルだって大勢いる。  反面、仲の良い夫婦だっていないわけじゃない。なのに……どーして私なんだろうって思った。 浮気な夫に当たってしまったのが、どうして 私だったんだろうって。寂し過ぎる。
last updateLast Updated : 2025-04-02
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第6話 ◇妻とは名ばかり
6.  この25年余り、私に心の平安などありはしなかった。 子供を連れて苦労して生活していく勇気のなかった女。 ならぬものは、ならぬのですと夫に糾弾出来なかった 意気地なしの女。  私だけを見てほしいと頼んでも聞き入れて貰えないと 悟った時から、浮気相手の数と浮気相手に会う回数を 数えるのを止めた女。  よそでたくさんの女たちをとっ替えひっ替えしては 欲望に忠実で快楽を求め続けた男は、妻である私のことも やさしく時には抱いた。 夫の女性関係で苦しみ醒めてしまった私は、夫と何度 身体を重ねても喜びを感じることは出来なかった。 夫の私の身体をあちこち弄《まさぐ》るこの指は 昨日は誰の身体に触れただろうか。私を快感に導く彼のモノは、昨日は誰を導き快楽の泉に 沈めたのだろうか。     私はいつも不快感と不安の中で夫に身をゆだねてきた。子供と一緒に路頭に迷うわけにはいかない。   夫の周りには常に若くてスマートで魅力的で目一杯 彼の気を引くことの出来る女たち《女ども》がいる。 浮気が高じて私がいつの日か夫から打ち捨てられる日が こないとも限らない。 私は家事も手抜きせず常にきれいで居心地の良い部屋作りに努め、 お料理にも気を配り笑顔を忘れず、子育ても一生懸命こなした。- もちろん、おしゃれにも気を遣い身なりもきれいにし パーフェクトな妻を演じてきた。 あまりの数の夫の女性関係に、最初は嫉妬や苦しみ悲しみに 捉われていた私。 『辛い……』 けれどいつしかその気持ちは、大きな不安へと変化していった。 いつの頃からか、私は夫に本心を見せることも甘えることも なくしていった。 婚姻を続けることしかできない私の心中は、無念の一言しかない。 ……しかなかった。 けれど己が選択した道なのだ。  過去の自分もそして今の自分もずっとそれでもテクテクと 一歩ずつ歩んで行かねばならない。  この道を不幸なものにはしたくないと強く思ってきたし これからもこの思いは変わらない。  夫は私に対してやさしく大切にしてきた、これからだって 私が大人しくさえしていればやさしさを与え、大切にもしていくと宣言 した。  愛だって与えているじゃぁないかと言わんばかりに。  10切れある愛の1切れ2切れを私に与えているに過ぎな
last updateLast Updated : 2025-04-02
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第7話 ◇将来に向けて備える
7.  夫の浮気癖を止めることができないと悟った日、この現実から目を背けて はいけない……厳しい現実から目を逸らさず、そして又忘れることなく 刻み付けておくのだと決心した。  息子達が独り立ちできるその日まで自分と子供達を守ると、精一杯、 生きていこうと私は誓った。 私が夫の浮気を知ったのは、長男を出産したすぐ後で、ニ度めは次男を妊娠している時だった。 私が怒ると、もうしないと夫は言った。  けれどそのあとも浮気を重ねていた夫。  止めて欲しいと訴えた三度目の浮気発覚時、夫の言動が変わった。 開き直り、そのあとの浮気は実質妻公認となってしまった。 この時から私の中で何かが弾けた。  夫への信頼も尊敬もそして愛も消えてしまった。 家事も夫婦生活も自分と息子たちが生活していくための 仕事と割り切ることにした。  夫側の義両親や義姉夫婦親類縁者との付き合いも、更には仕事先の従業員 たちとの付き合いも妻の夫への愛情からの好意ではなく全ては仕事として こなした。 そしていずれ決着する日が来るのを待ちながら…… 私は今まで以上に、夫が望むような妻になった。  夫はそんな私に満足し、自由奔放に女たちと付き合い 勝手気ままに過ごしてきた。全てが自分中心にまわっているので、とても幸せそうだ。 私は? 私だって負けてなんかいられない。  小さかった息子たちと一緒に過ごし成長過程をつぶさに 見てきた。 子育ては大層、幸せな育自(児)だった。  息子たちとは思いっきり関わって楽しんできた。   そして夫のことはなるべく意識の中から消すことに努めてきた。 息子たちがまだ幼かった頃から、まだ見ぬ将来を想い 資格試験のための勉強も怠らなかった。  息子たちが大学を卒業する頃に独り立ちできることを目標に 生活費の中から少しずつへそくったり、短時間のアルバイトに 行ったりと、来るべき日に向けてしっかりと準備してきた。
last updateLast Updated : 2025-04-02
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第8話 ◇女優になる
8.  夫は外に何人もの女を作っていて、性生活に不自由はしていなかったにも 関わらず、必ず週に1~2回私とも行為をしていた。  愛があるから求められているのだ……そんな御伽噺みたいな嘘くさい話を 信じられるほど初心《うぶ》じゃない。 誰が信じられるというのだろう。  普通の夫婦であるならば、愛がふたりの間に横たわっているであろう その時間、ドラマ、映画、小説のように私は女優になった。 それは例えば……。 さて今夜はどんな女優でどんな女性を演じようか。 想像の翼を思い切り広げ、私は恋しい男性《ひと》に抱かれ、愛され、 その温もりに触れるのだ。 そうすることで、悲しい時間を精一杯自分にとっての素敵な時間に 変え、やり過ごしていった。 ふたりの行為が終わったあと、疑似体験終了!   今から現実の世界に戻りまぁ~すと、胸の内でくぎりをつけ 眠りの世界へ入っていく。  そんなふうにして、ある日を堺に現実の夫に心の中で別れを告げた。 その日から不自然にならぬよう、細心の注意を払いつつ 甘える振りはしつつも、本当に夫に対して甘えることは止《や》めた。 前々から、-いつか-と考えていた通り折をみて45才になった私は、 婦人病や身体の不調を理由に徐々に夫との夫婦生活をなくしていった。 女性に不自由してない夫は不満を言うでなく あっさりと受け入れた。              レスが原因で浮気を始めるというような危険性もない我が夫は (だって、ずっと入れ喰い状態で今更だ)日常の夫婦関係も これまで通り優しく、小さなことに一々文句を言うでなし 私にはやりやすく、暮らし易い結婚生活が続いた。  夫は仕事もなかなか順調で、女性たちとも楽しく過ごしていたし 浮気のことに関して私が文句を言ったりしないので、(最初は止めて欲しいと何度もお願いしたけれど、夫の醒めた返事に あぁ、もう何を言っても無駄なのだと気付き、私は言わないのではなく、 言えなくなってしまったため)不満のない日々を謳歌していた。   そして、夫婦円満で丸く収まってる、そう思って過ごしていた ことと思う。
last updateLast Updated : 2025-04-03
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第9話  ◇女との修羅場
9. (過去の話) 今からかれこれ5年ほど前のこと。 長男が大学2年で20才、次男が高3で受験生18才になった頃。  夫は52才になっていたけれど、やっぱり外に2人の女がいて ひとりは何と28才の独身女性、もうひとりはこちらも何と長男が 小学生の頃仲良くしていた子の母親42才、と浮気していた。  夫は実にスマートに浮気をするようで過去において 女性問題で揉めて私や子供たちを巻き込んだ騒動を起こした ことはなかったのだけれど、このときだけは違っていた。  親子ほど年の違う独身の女性にどんな甘い言葉を囁き 口説き落としたのだろう。 それとも若い頃と同じように口説かずとも相手から アプローチされて付き合っていたのか。  ともかく馴れ初めは分からないが、28才の彼女が夫に本気で言い寄って きて、それを察知した夫が脱兎の如く逃げ出したのである。 そのせいで女性は心を病んでしまい、奥さん(私だよ)はともかく どうして大きな子を持つ子持ちの女と自分に二股かけていたのかと、 夫を追い掛け回し恨み言を言うようになっていった。 『どうして私よりその女がいいの?』と、我が家の前まで来て 叫ぶようになってしまった。    穏便に済ませたい夫は逃げてばかりもいられず、女が来て喚き出す度、 女を宥めるために連れてどこかへ出掛けて行った。
last updateLast Updated : 2025-04-03
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第10話
10.(引き続き5年前の過去の話) 幸いなのはすでに息子たちが成人、もしくは成人間近の年齢になっていたってことかな。 息子たちは自室に居たはずだけど、もしかしたらドアを開けて耳をダンボにして聞き耳ぐらいは立てていたかもしれない。     この話し合いの中で女性が盛んにもうひとりの浮気相手のことを話題に出していたので、当時長男はガックリきていたことだろう。     小学生の頃の同級生といえども、友達の母親が不倫相手とはなんともはや。 夫は子供たちが小さな頃からずーっと女遊びを続けていたので過去にももしかしたら息子たちはどこからか、そういう父親の所業(振る舞い)を聞いたこともあったかもしれない。             けれど噂に聞くのと、現実に浮気相手が家に乗り込んで来て修羅場を目の前で見るのとでは、衝撃の度合いが違っただろう。 さて、肝心の私はどうだったろう? ……と昔の記憶を引っ張り出してみる。 ともかく、ひすまずは家政婦になってやった。                当時私はこんなふうに考えていたと思う……。 夫は、いや……目の前にいる息子たちの父親はこの状況をどうやって納めるのだろうか。こんな時でも結構落ち着き払って(ただの振りかもしれないが)二枚目だね。はぁ~。       見た目が余りにも良過ぎることは私も認めざるを得ない。 だけどさ、夫よ、私のpureな気持ちはあなたに絶対あげないから。 あなたに捧げる愛なんて1mmも……1gも持たないから。 敢えて浮気の件は息子たちには言わないでおいたのに……。 息子たちからは妻を愛し、息子たちを慈しみ、家庭を大切にしている尊敬すべき父親でいられるようにしてあげていたのに何やってるのよ、全くぅ。  息子たちもあらかた成人して自分もすでにアラ還域に入ってるっていう時になって、今までのことを全て台無しにするようなことをして、腹立たしいったらないわほーんと。周りを巻き込んで家族を不幸にするなんてほんとっ、許しがたい。 私の怒りの矛先はまっすぐ強く、夫に向けられた。 浮気相手の独身女と既婚女に対しては怒りというよりは哀れみと侮蔑しかなかった。。 
last updateLast Updated : 2025-04-04
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