共有

第5話

海辺の夜風はとても強く、帰り道はかなり寒かった。

まさかその時、彼が上着を脱いで私にかけてくれるとは思わなかった。

彼の服に包まれて、一緒に家へ戻った。

その後、別れを告げた後、私は彼と一年間も会うことはなかった。

場面が切り替わり、また若菜との賃貸アパートに戻っていた。

その時には、私はたくさんお金を稼いでいて、彼を養う自信ができていた。

漣は私より一歳年下になっていて、あの朝のままの姿だったが、周りには誰もいなかった。

私たちはお互いにキスをし合い、深い愛を確かめ合っていた。

......

目が覚めると、私は賃貸の部屋に戻っていて、部屋が広くなったように感じた。

若菜は二人の弟がもう帰ったと話し、昨日の出来事について教えてくれた。

そのトイレ付近にはカメラがなく、しばしば猥褻事件が起こっている場所だという。

もう少しで悪い男にやられるところだったが、若菜がトイレに入った後、漣がすぐに駆けつけてくれた。

もし彼が来なかったら、どうなっていたか想像もつかない。

あの激しいドアの音は、漣が助けに来てくれた証だったのだ。

今回、彼は私を救ってくれた。

だけど、それでどうなるっていうの?

夢は夢でしかない。

この別れの後、もう次に会うのは一年後ではないかもしれない。再会したとしても、私たちの間に何が変わるわけでもない。

私が大金を手に入れて、彼を養えるようにならない限り、何も変わらない。

でもそんなことは、夢物語に過ぎない。

私はいつも、どこかから突然大金が転がり込んできて、のんびりした生活を送りたいと夢見ている。

だけど現実は、慎重に仕事をして、いつでもクビになる恐怖を抱えながら生活しなければならない。

家賃を払った後は、生活費を細かく分けてやりくりする日々。

だから、あまり現実離れした夢を見るのはやめよう。

それに、漣はすでに他の子と連絡先を交換したし。それがあの日の彼なりの答えなのだろう。

すぐに元の生活に戻り、私は私の本当の幸せを見つけるだろう。

きっと私は男と長い間接する機会がなかったせいで、弟に惹かれるという愚かなことをしてしまったんだ。

そろそろちゃんとした恋愛をしよう。

そうして23歳の私は、見合いの道に足を踏み入れた。

若菜も元カレと復縁し、間もなく引っ越して行った。

私は一人寂しく部屋に残さ
ロックされた本
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status