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第7話

漣は私の前で立ち止まった。

私はまだ顔を上げる勇気がなかった。

「姉さん、次はあなたの番だよ」

泣きたい気持ちだったけど、心の中では若菜に感謝していた。

「そうだね、もう遅いから、先に寝ていいよ。ベッドで寝てね」

私は用意していたパジャマを手に取り、彼を避けるように浴室へと急いだ。

前回の出来事を思い出して、今回は絶対に妙な気を起こさないようにしようと決めた。

メイクを落として、念のために顔を五回も洗った。

シャワーを終えた後、私は最も厚手のパジャマに身を包み、髪もわざとボサボサにした。

鏡を見て、これなら大丈夫だと満足した。

浴室で時間を潰しながら、彼が寝るまで待とうと考えていた。

しかし、思うようにはいかず、突然のノック音に驚いて魂が飛び出しそうになった。

「そういえば姉さん、僕の着替えがまだ中にあるんだ。終わったら入るね」

そこで初めて、袋の中に入った男性用の下着に気づいた。

これ、今絶対に必要なの......?

頭の中で雷鳴が轟いたような感覚がした。

「姉さん?」

「あ、うん、分かった」

もうどうでもいい、覚悟を決めよう。

「姉さん、髪の毛がすごく乱れてるよ」

分かってる、分かってるから何も言わないで。

「大丈夫、大丈夫。さっさとシャワー浴びて早く寝なさい」

「姉さん、僕もう眠いよ」

私は無言で布団に潜り込んだ。

バスルームの物音が止み、部屋の灯りが消えた。

しかし、足音がだんだんと私に近づいてくるのを感じた。

彼は私のそばにしゃがみ込んで言った。

「姉さん、ベッドで寝たほうがいいよ。もしかして、今、生理中なの?床は冷たいし......」

頭が真っ白になった。ゴミ箱の中身を片付けるのを忘れてた!

でも、見なかったことにできないの?

私は動かず、寝たふりを続けた。

「姉さん、もし寝ちゃったなら、僕がベッドに運ぶからね」

この漣め、どうしていつも予想外のことを言うの!?

仕方なく、私は寝ぼけたふりをして大きなあくびをした。

「ううん、平気だから」

そのまま何事もなかったかのようにベッドへ移動した。

もしも私にもっと余裕があったら、この無料の美味しいご馳走を逃すことはないのに。でもね......

はぁ、やっぱり私は仕事を頑張るしかない。

夜空には月が輝き、揺れる木の影が白い壁に映し出され、
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