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第5話

電話が切れた後、涼介は怒って「不吉だ」と呟いた。

電話から響いた声は、私を無限の恐怖に陥れた…

7.

誕生日の前日、私は頑張って手元の仕事を急いで終わらせた。

母から電話があり、家に良いことがあるから早く帰ってくるようにと言われた。

しかし、私はむしろ誕生日当日は祖母の墓参りに行きたかった。

祖母が私に残してくれた小さな仏像はまだ家に置いてあるからだった。

私はマンションの下に着いた時、綾子と健二に会った。

「陽葵、明日は私達の誕生日よ。一緒に祝わない?

それに、私と健二はこの日に婚約式を予定してるの。絶対来てね」

綾子は健二の胸に寄り添い、花のように笑った。

私は彼女の目論見だと気づき、答えもせず、ただ前に進んだ。

「陽葵、私の幸せな姿が見たくないの?」彼女は私の腕をしっかりと掴んだ。

彼女は本心から私を招待しているのではなく、ただ自慢したいだけだった。

「いいよ、私はあなた達がどれだけ幸せか見てあげる」

彼女は表情が変わり、本当は彼女を困らせたかっただけのに、思わぬことに命を落とした。

家中を探しても仏像が見つからず、焦って涙が止まらなかった。

何か悪いことが起ころうとしていたような予感がした。

「陽葵、仏像を探してるの?」綾子は私の弱みを握ったかのように言った。

「地下室に捨てたわ。家に置いておいても場所を取るだけだし」

私は他のことは気にせず、地下室へ走った。

ドアが開いた瞬間、私は地下室がとても暗いと感じた。

綾子は私の後ろに立ち、何かを投げ入れると、私を乱暴に中へ押し込んだ。

「私の婚約式に参加したいだって? 夢見てるわ

今後、私たちは二度と一緒に誕生日を祝うことはないわ。

その中にしっかりといて、私はあなたがどれだけ怖がるか見てやるわ」

彼女の悪い笑い声と、鍵がかかる音が聞こえた。

どんなにドアを叩いても、彼女は開けてくれなかった。

そうだ、彼女は中に祖母が送った仏像があると言っていた。

携帯の光を頼りに探したが、何も見つからなかった。

私はつまずいて転び、携帯を落としてしまった。

恐怖が再び全身を襲い、私は暗闇の中に置かれた。

ぼんやりとした中、ドアがまた開いた。

母だった。

「お母さん、助けて」と私は言いたかったが、声が出なかった。

体は地面に倒れたまま、動けなかった。

母はド
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