第8話

私が静養をしている間、見南は毎日家の前で私に会おうと待ち続けていた。

誰が説得しても聞かず、まるで深く私を愛しているかのような男を演じ続けていた。

騒ぎが大きくなる前に、私はドアを開けて彼を中に入れた。

彼と向かい合って対峙している今でも、彼は何も悪いことをしていないとして主張していた。

私は彼に聞いた。

「じゃ服を脱いでみようか」

彼は「恥ずかしい」と言い訳しながら断った。

私は冷たく笑いながら言った。

「二年も待ち望んだ元カノとベッドに入ったから、証拠があるはずじゃない？」

彼の嘘が見破られた瞬間、彼は激昂し、私を「でっち上げだ」と非難し始めた。

私は一歩も引かず、冷静に言った。

「証明したいなら、上着を脱げばいいじゃない」

彼はそれに応じられず、逃げるように家を出て行った。

その日の午後、夏悠からメッセージが届いた。

「彼はもうとっくにあなたを愛してないわ。どうして自分から身を引かないの？」

私は彼女にこう返した。

「覚えてる？あなたが離婚して抑うつ症になったのは、不倫されたからよね。まさか自分が今度は他人の結婚に割り込む側になるとは思わなかったでしょ？気分はどう、愛人さん？」

彼女は反撃してきた。

「あなたこそ、私たちの関係に割り込んだ泥棒猫よ！」

私は笑って返信した。

「それなら本当に可哀想ね、彼にさえ認めてもらえないなんて。もう無駄口叩かないで、彼が私と離婚したら、あなたに『おめでとう』の旗でも贈ってあげるよ」

離婚届を置いたとき、私はただ早く逃げ出したくて、財産のことは寛大に譲歩した。

でも、今は考えを変えた。

見南には、何もかも失ってもらう。

財産は一切残さず、身一つで出て行ってもらう。

私は一日かけて彼の浮気の証拠を整理し、時間順に沿ってきちんと並べた。

そこには彼らがホテルに泊まった証拠も含まれていた。

調べてもらったのだ。この世の中、お金さえあれば何でもできる。

私は彼の番号をブラックリストから外し、彼に家に来るよう連絡をした。

彼は喜びに満ちた声で、私が心を入れ替えたと思い込んでいた。

「皐月、やっぱり君はいい女だ。子供がいなくなったことは責めないよ。これからまた子供を作ればいいんだから」

私は何も言わず、電話を切った。

どうして彼はこんなにも自信満々なのだろう？私が彼を必要とし