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第7話

私は心から感謝している。どんな時でも、後ろには私を支えてくれる両親がいるからこそ、こういう状況でも決断を下せたのだ。

実家に帰った夜、母が私の部屋にやってきて、真剣な表情でこう尋ねた。

「お腹の子はどうするつもり?あんたはこの子の母親なんだから、決める権利はあるのよ」

私は一瞬戸惑い、それからゆっくり首を振った。

言うことを聞かない赤ちゃんは、その父親と同じで、私をずっと苦しめてきた。結局、この子は私のものではなかったのだ。

「じゃあ、明日行こう。あいつが戻ったら、離婚の手続きを済ませるわよ」

「彼のご両親は?」

彼の両親は私たちを見守ってくれた人たちで、結婚後も私を実の娘のように扱ってくれていた。

もし離婚したら、彼らにどう顔を合わせればいいのだろう。

「そんなことは気にしないで。私の娘を傷つけた彼の息子のことを責めに行かないだけでも、ありがたいと思ってほしい」

私はまたしても、涙をこらえきれずに泣いてしまった。

その夜、私は再びあの夢を見た。

霧の中に入って気づいたのは、私は常に幸せだったということだ。見南はその幸せに彩りを添えるだけの存在であり、彼が去ろうが残ろうが、私の人生を左右することはできないということだ。

翌日、彼の両親が家にやってきて、息子に代わって謝罪した。

「皐月、私たちはあなたが小さい頃から見てきたのよ。今回のことは、確かに見南が悪かった。どうか、もう一度彼にチャンスを与えてくれないか」

「おばさん、これは私たち二人のことです。あなたたちが私に良くしてくれたこと、決して忘れません」

年配者は物事をよく理解しているものだ。彼らは長年苦労してきた分、若い者よりも透き通った目で状況を見ている。

彼らも、この結婚が終わることは避けられないと知っていた。

だが、時には自分の立場を理解できない者もいる。自分が特別だと勘違いし、現実を見ようとしない愚か者だ。

病院に向かう途中、私は知らない番号からの電話を受けた。

受けてみると、聞き慣れた声が響いた。

「皐月、もう病院に行ったのか?赤ちゃんは元気か?」

私は何も言わなかったが、彼は自分勝手に話し続けた。

「君が俺に怒っているのはわかる。でも、浮気なんてしてない。昔の同級生をちょっと助けただけだ」

「家の家具は全部新しくした。悠ちゃんも引っ越した。明日迎えに行くか
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