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第6話

私は家で数日過ごしていたが、突然、死んだはずの夫が戻ってきた。彼が家に入るや否や、私に向かって懺悔し始めた。

「小円、実はあの夜、俺は死んでいなかったんだ。帰ってきたんだよ。母さんが俺が死んだなんて、嘘をつくなんて知らなかったし、小円に1.2億円の借金を負わせるなんてことも」

よく言うわ、自分で仕組んでおきながら、ここで無実を装って、全部義母のせいにする気か。

私が貸した2,000万円を返さない限り、彼が戻ってくるわけがない。

夫は私を抱きしめ、軽く体を揺さぶった。

「小円よ、これからは仲良くやっていこう。小円のお金は俺のお金、俺のお金は小円のお金だ。もう別れたりしないでくれ」

君のお金は私のお金?ふざけるな。

実母が亡くなってから、明善は誰の助もないので、ずっと宝くじに頼って生活してきたじゃないか。もうそのお金も使い果たしたんだろう。

どうせ、借りた2,000万円を返したくないだけだろう。

すると、私は夫を力いっぱい押しのけ、隣にあった灰皿を手に取ると、思い切り彼の頭に叩きつけた。

「お前、誰だよ?私の夫はもう一七日経ってるのに、どうしてお前が生きてるって言うんだ?」

灰皿が夫の頭に当たり、すぐに血が流れ出した。

「うわっ!小円、何やってるんだ?俺はお前の夫だ!止めてくれ!」

私は彼の声を無視して、さらに灰皿を振り下ろした。

「お前、どんだけ恥知らずなんだ?旦那が死んだって言ってるのに、そんなに死人のふりをするのが好きか?」

命を奪ってしまわないように、私は灰皿を彼の体の他の部分に叩きつけた。夫の体はあっという間に青あざだらけになった。

夫は私の手を掴み、襟を引っ張って、首にあるほくろを見せつけた。

「小円!よく見ろ、俺は本当にお前の夫だ!」

夫が怒りに震えていて、今にも爆発しそうな様子だったので、私はわざと驚いたふりをした。

「明善よ、死んでなかったなんて」

夫は深いため息をつき、しぶしぶ「そうだよ」と応じた。

私は「感動」したように見せかけて、慌てて灰皿を置いた。しかし、「うっかり」手が滑り、灰皿は彼の足に落ちた。

「ぎゃあ!」

夫は叫び声を上げ、足を押さえてしゃがみこんだ。

私は別の方向を見て、必死に笑いをこらえた。

しばらくして夫は立ち上がり、怒りに私を見つめた。

「とにかく、今日は一つだけ言いたいことが
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