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第6話

それ以来、下江父は常に下江母に対して深い罪悪感を抱いていた。

そして下江母はますます厄介になり、下江父が接待する場でも、若い女性たちに警告をするようになった。

時間が経つにつれて、下江母は自分が顔を焼かれたからこそ、下江父が変わってしまったと思い込むようになった。

だからこそ、娘を探し出すことに固執していたのだ。

下江母はどこかから奇妙な療法を聞きつけてきた。

皮膚の移植というものだが、下江母の執念に下江父も屈して、彼女を支持した。

12、

下江母は涙で顔を濡らしながら、自分の苦しみを訴え続けていた。

その泣き顔の横にある、涙に濡れていない傷跡を見つめ、私は口角を軽く上げた。

「この話、消えた女の子たちにもしたんじゃないの?」と皮肉めいた口調で言った。

下江母は涙を拭う手を止め、笑いながら言った。

「ただ感情を発散したかっただけよ。何が悪いの?」

私は首を振った。

「もちろん間違ってはいないけど、彼が目を覚ましたみたいだよ」

案の定、下江母が下江父を見ると、その目には嘲笑が浮かんでいた。

「自分の下半身を制御できない男なんて、死んで当然じゃない?」

そう言うと、下江母は注射器を取り出し、再び薬を注入して私に近づいてきた。

「絵梨、安心して。この真実はあなたと共に、私が葬ってやるわ」

「その時は、麗と一緒に寝かせてあげるよ。あなたたちは私にとって最も完璧な芸術品だからね」

彼女は狂ったように笑い、顔の表情は歪んで恐ろしく変わっていった。

「つまり、麗を殺したことを認めるんだね?」

私は彼女を見上げて尋ねた。

彼女は何とも思わないように笑った。

「もちろんよ。だって、彼女は協力しなかった上に、私の夫を誘惑しようとしたんだから」

「彼女が私に似ていなかったら、もっと早く灰にしていたわ!」

私は静かに彼女を見つめ、その後、地下室の出口に視線を移した。

そして、眉を軽く上げた。

「なら、あんたももう終わりよ」

下江母は不思議そうに私を見たが、次の瞬間、誰かに地面に押さえつけられた。

その横で、焦った表情を浮かべた下江父が叫んだ。

「絵梨、一体何をするつもりだ!」

私は肩をすくめ、目の前の怒りに満ちた男を見た。

「それは彼に聞いた方がいいよ。あなたたち二人が彼の婚約者をころしたんだからね」

その時、理一郎に強く押
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