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第24話

唐沢家。

唐沢健介は、唐沢翔とその家族が戻ってきたのを見て、唐沢桜子の姿が見えないことに気づいた。

途端に顔色を曇らせ、激怒して叫んだ。「桜子はどこだ?どうして桜子を連れてこなかったんだ?」

唐沢麻衣はすぐに唐沢健介の元に駆け寄り、彼を支えながら言った。「おじい様、まずは落ち着いて、私の話を聞いてください。唐沢桜子があまりにもひどいことを言って、私たち家族に土下座をさせたんです。私たちは彼女に土下座までしたのに、彼女は帰ってこなかったんです。それどころか、桜子はおじい様に唐沢武の持つ会社の10%の株式を譲るように言い、こう言ったんです。『あのくそじいじいは偏っていて、唐沢家の皆には株があるのに、私たちの家族だけにはない』と」

唐沢健介の顔色は青ざめ、怒りで震えていた。

唐沢麻衣はすぐに付け加えた。「おじい様、これは私の言葉ではありません、桜子が言ったことです」

「こんな話を聞かされたら、気が狂いそうだ」

唐沢健介は大きく息を吸い込み、激しい怒りで「川島隆との関係を頼りにして、本当にやりたい放題だ。当主の私を軽んじるなんて許せん!」と罵った。

唐沢修司もまた、桜子を迎えに行った時の経緯を話し、彼女がどのように彼らを侮辱し、唐沢健介を罵ったかを詳しく説明した。

彼らは帰り道で、家族全員で相談をしていた。

唐沢桜子が戻ってくるのは確実だった。

しかし、桜子が戻ってくれば必ず権力を握ることになる。これは彼らにとって望ましいことではなかった。

しかし、桜子が戻らなければ、唐沢家は大きな損失を被るだろう。

彼らは、まず唐沢健介に桜子の悪口を言って、彼女が以前犯した過ちが唐沢家を滅亡の危機にさらしたことや、今回の事件を加えて、桜子が戻ってきても、権力を握ることができないようにするつもりだった。

唐沢健介はその話を聞いて、気が遠くなりそうだった。

彼はソファに身を沈め、大きく息を吐きながら、竜の頭の杖で沈黙している唐沢翔を指し、怒りに震えながら言った。「桜子が求めている10%の株を渡してやれ。彼女が戻ってくるなら、10%でいいから渡すんだ。すぐに明和の川島隆に電話をかけるように言え」

唐沢健介は年老いてはいるが、まだボケてはいなかった。

桜子が戻ってこそ、唐沢家は明和との協力を続け、唐沢家の事業はさらなる発展を遂げるだろう。

......

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