Share

【二度目の再会】

Penulis: 水沼早紀
last update Terakhir Diperbarui: 2025-02-06 18:59:53
「おはようミク」

「おはよう、彩花(あやか)」

「あれ、どうしたの?」

「えっ?」

「なんか、顔色悪くない?具合でも悪い?」

 それから何日かして、大学で親友の彩花と一緒になった。

 だけど、変化ってすぐに気が付くもので……。

「だ、大丈夫。何でもないよ」

「……なんかあった、でしょ?」

「な、なんで……?」

「実来のことは、なんでも分かちゃうよ」

「……ま、参りました」

「で、何があったの?」

 わたしは観念して、昼休みに彩花に全てを話すことにした。

 彩花は昼休み、黙ってわたしの話を聞いてくれた。

そして一言、こう言った。

「……実来はもう一度、その人に。お腹の子の父親に、会いたいんだ?」

「……うん」

 あれから何日も考えていたけど、やっぱり、わたしは彼のことが忘れられなかった……。

 もう、出会ったあの時からわたしは、彼に恋をしているんだとその時気付いた。

 会いたい。もう一度、彼に会いたい。

 だけど、会うのが怖い。 会って妊娠していると告げた時、彼がどんな反応をするのか想像しただけで、体がビクビクする。

「ねえ、実来」

「……ん?」

「わたしは、ちゃんと話すべきだと思うよ」

「……でも、少し怖い」

 どうしても不安と怖さが勝ってしまう。

「それでも、逃げちゃダメだよ。これは……実来だけの問題じゃないんだよ? 実来のこれからのためにも、ちゃんと話すべきだと思う」

「……でも、わたし、どうすれば?」

「素直に言うんだよ。自分の気持ちを」

「……自分の、気持ち」

そうだ。言わなきゃ……。だってわたしは、彼のことが好き。 彼にもう一度会って、ちゃんと今の気持ちを話したい。

「……わたしもう一度、連絡してみる」

「うん。頑張って。応援、してる」

「ありがとう……」

「大丈夫。妊娠のことは誰にも言うつもりないから、安心して」

「……ありがとう、彩花」

 彩花が親友で本当によかった。 誰にも言うつもりなかったけど、彩花だけにはやっぱり話せる。……話してよかった。

 その日わたしは、講義が午後までだったので、思いっきって彼に連絡してみることにした。

 カバンの中から取り出す、あの時もらった彼の名刺……。

 スマホを取り出して、また番号を打つ。 そしてゆっくりと、発信ボタンを押した。

 プルルルル……プルルルル……。

 何回かのコールの後、「はい」という声が聞
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terkait

  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【年の差恋愛のはじまり】

     その後、森嶋さんがお会計をしてくれた。 わたしも払うと言ったけど、奢らせてと言われてしまい、それ以上何も言えなくなった。  そして駅の近くにある公園で、ふたり腰掛けて座った。「……実来ちゃん」「はい……?」 わたしは森嶋さんの方へ振り返る。「俺との子、産んでくれないかな」「……え?」 それは、予想外の言葉だった。 産んでほしいと言われるとは、思ってなかった。 なんで、産んでほしいなんて……。「……勘違いしないでくれ。責任を取りたいから産んでほしいと言ってるんじゃない。 本気で、本気で、そう言ってるんだ」「……でも、わたし……」 わたしは怖くなって俯く。「聞いてくれ。 俺が今一番守りたいのは、実来ちゃん、君なんだ」 わたしは森嶋さんに「……それは、赤ちゃんが出来たから、ですか?」と問いかける。「違う。そうじゃない」「……じゃあ、なんで……そんなこと……」 わたしは責任をとってほしいなんて思ってない。「―――君を好きなんだよ」「……えっ?」「君のことが……実来ちゃんのことが好きなんだ。 本気でそう思ってる」 そんなの、ウソだよ。だって大人は、ウソを付く。「……でも大人の人は、すぐにそうやってからかいますよね? そうやって甘い言葉で……んん……っ」 なのにわたしの言葉が遮られた。 でもそれを遮ったのは、言葉なんかじゃなくて、森嶋さんのその唇だった。「えっ……。森嶋、さん……?」「冗談なんかじゃない。本気で言ってるよ」 その瞳(め)が本気だと物語っていた。「……あ、あの、わたし……」 どうして、キスなんてするの……。どうして……。「俺は本気で、君のことを守りたいんだ。 君のお腹にいる子も、俺が守りたいんだ。……ダメか?」「……いや、あの……」 ダメかと言われても……。「君のお腹にいる子の父親は、俺だろ? だったら、俺はお腹の子の父親として、君たちを守る権利がある」「それは、その……」 確かに、そうかもしれないけど……。「そうだろ? それなのに実来ちゃん、君は何を躊躇っているんだ?」「何を……躊躇ってる?」「そうだ。俺は確かに35だよ。君は20歳くらいだろうから、15も年の差があるけど」 わたしは何も言えなくなってしまう。「だけど年の差なんて関係ないだろ?年の差があるなんてのは、今は普通のことだ。 

    Terakhir Diperbarui : 2025-02-07
  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【あの夜のあの子〜森嶋目線〜】

     あの日の夜、あのベッドで過ごしたあの子はどうしているだろうか。   あの日から何故かあの子のことばかり、気になって仕方なかった。 だってあの子を抱いた時、初めて愛おしいという気持ちになった。 あんなにも誰かを、心の底から抱いたのは初めてだった。    あんなにも情熱的に求めてくる彼女を、俺は何度もあのベッドの上で抱いてしまった。 彼女とのセックスは情熱的で、そして快感を覚えるほどに気持ちいいものだった。 彼女の中で俺がどういう存在になったかはわからないが、少なくとも俺にとっては、とても忘れられない存在だった。 彼女の口から漏れる甘い声に俺の理性は崩壊して、何度も抱いてしまった。……きっと俺自身もセックスが久しぶりだったというのもあって、舞い上がっていたのだろう。 だけど、ただひとつ失敗したのは……避妊をしなかったことだ。 そう、あまりにも欲望が出すぎてしまい、避妊していなかったのだ。 最初は避妊しようと思っていたのに彼女に触れた途端に、あまりにも欲望が深すぎてしまった。 本当にあれは、失敗だった……。 だけど彼女の温もりと体温が溶け合ううちに、それがもう心地よくなってしまって……。彼女がベッドの中で甘えた声を出しながら、俺との情事を受け入れていたから、俺も本気になってしまった。 彼女との情事は、本当に気持ち良くて俺も止められなかったのは事実だ。……いや、あれは本当にもう反省しかない。 俺ももういい大人なのにな……。失敗した。 そしてそれからしばらくして、彼女から久しぶりに連絡が来た。 その声ですぐに、彼女だと分かった。 麻生実来(あそうみくる)。彼女は電話越しに名前を教えてくれた。 実来(みくる)いい名前だ。 彼女にピッタリの名前だと思う。 でも彼女は、女子大生だ。年齢は多分二十歳くらい。 お酒を飲んでいたし、多分そうだろう。 俺は仕事に全うする三十五で、彼女は二十歳。……いや、どう見ても年の差がありすぎる。 下手したら、彼女に訴えられたりしないか……? そんな考えまでも、頭の中をよぎっていた。 そんなことを考えていても、仕方ないと分かっている。 だけど彼女から大事な話があると言われた時、俺は確信した。 ああ……きっと、俺を訴ると言うんだろうなって思い不安に狩られた。……だけど違った。 彼女と食事をしていた時、彼女から母子

    Terakhir Diperbarui : 2025-02-08
  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【彼の想いと母の想い】

     わたしたちの年の差恋愛が始まってから約一ヶ月が経とうとしていたけど、森嶋さんは仕事が忙しいなかでも、必ず一日に数回連絡をくれた。 身体は大丈夫かとか、つわりは大丈夫かとか、とても心配している様子だった。 森嶋さんは今、とても仕事で大事な取引先との契約があるから、毎日遅くまで仕事をしているらしい。 それでも、しっかりと忘れずに連絡をくれる。 本当に森嶋さんは紳士的で、優しくて、気遣いが出来て、わたしにはもったいない人だ。 だけどお腹の子の父親として、精一杯のことをやろうと頑張ってくれている。 これからは、検診も一緒に行くと言ってくれた。 お腹の子の成長を一緒に見守りたいと、そう言ってくれた。……本当にありがたい。 交際を始めてから一ヶ月が経って、わたしは日々の中で森嶋さんのことをどんどん好きになっていた。 わたしの中ではもう、かけがえのない人になっていた。 それは、いないと困る人。 だからわたしは、森嶋さんのそばで、ずっと一緒に過ごしていきたいとさえ思った。 この先何が起こるのか分からない未来を想像するのは、悪くないし、楽しいと思える。  交際を始めたと同時に、まだ入籍はせずに、お互いを理解しあってから結婚したいと言ったのはわたしの方だけど……わたしはまだ、彼の半分も知れていない。 これからもっと、森嶋さんのたくさんのことを知りたい。 森嶋さんのすべてを知りたい。 これ以上、知れることがないってことくらいに、知っていきたい。 そしてわたしも、彼にすべてを知ってほしいと思う。「彩花、おはよう」「おはよう〜実来。体調、大丈夫?」「うん、平気だよ。ありがと」「あまりムリしないでよ〜介抱するの、わたしなんだからね」「分かってる」 親友である彩花には、全てを話した。 彩花も結婚しないんだ〜なんて言ってて驚いていたけど、なんだかんだ応援してくれている。 わたしのことを一番に応援してくれる、親友。彩花になら、なんでも話せる。 わたしがもし迷ったり、悩んだりしたら、彩花に一番に相談するって決めてる。  そもそも、まだ交際してから間もないし、デートなんてしてないし、彼は仕事が忙しい人だから。 なかなか会いたいなんて、言えない……。会いたいし、話をしたいけど、彼のために少し控えている。「で、森嶋さんから連絡きたの??」「うん。きたよ。体に

    Terakhir Diperbarui : 2025-03-13
  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【紅葉デート】

     次の日わたしは、森嶋さんに連絡を取った。【あの、森嶋さん、今度母が森嶋さんに会いたいと言ってくれてるんですけど、会っていただけますか?】 スマホを見ると返事はすぐに来た。【本当に? もちろんだよ。ぜひ、挨拶させて欲しい】 よかった……会ってくれるみたい。【ありがとうございます。母も喜ぶと思います】【ところで実来、今日何してる?】【今日は特に何も……】【時間があるなら、会えないかな】【はい。ぜひ】 森嶋さんと会えるのか……。嬉しいな。【せっかくだから、紅葉を見に行かないか??】【紅葉?え、行きたいです】【じゃあ車で、実来の家まで迎えに行くよ。住所教えてくれるかな】【いいんですか?】【ああ、構わないよ。実来の体が心配だけど、大丈夫?】【行きたいです。連れてってください】 わたしはメッセージに住所を送った。 五分後、森嶋さんから【今から家を出る】と連絡が入った。 妊娠しているこの体で、とにかくつわりが心配だけど……でも、森嶋さんがせっかく誘ってくれたのだから、どこへでも行きたい。森嶋さんと一緒に。 30分後に着くと連絡が入ったので、わたしは急いで支度をした。 服は歩きやすいようにジーパンとスニーカーにした。 紅葉を見に行くとは言っていたけど、何かあると大変だから、スニーカーじゃないと。 絶対ヒールなんて履いたら、森嶋さんきっと怒るだろうし……。妊娠しているんだから、転んだら危ないだろ?とか言われそうだから、やめておこう。「お母さん、わたし出掛けてくるね」「あら、どこに行くの?」「ちょっと、紅葉を見に行ってくる」 お母さんはわたしを心配してくれて「それはいいけど……。体、大丈夫なの?」と聞いてくる。「うん。つわりもそんなにないから、大丈夫」「そう。 気をつけるのよ、絶対にムリはしないこと。いいわね?」「うん、分かった。 行ってきます」「行ってらっしゃい」 肌寒くなった時のためにちょっと厚めの上着とカバンを持ち、家を出た。 家を出るとクラクションが鳴り、森嶋さんが来たんだとすぐにわかった。「森嶋さん!」「実来、会いたかったよ」「わたしも、会いたかったです。……待ちくたびれて、しまいました」「すまない。 さ、隣乗って」「はい。よろしくお願いします」 森嶋さん、相変わらずカッコイイな……。いつ見てもカッコイ

    Terakhir Diperbarui : 2025-03-13
  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【紅葉デート〜森嶋目線〜】

    【森嶋さん目線】「実来、寒くないか?」「はい。大丈夫です」 実来と久しぶりにデートというか、紅葉を見に行こうとデートに誘った。   実来はとても嬉しそうで、終始笑顔が耐えなかった。 実来の笑顔は、俺を幸せな気持ちにしてくれる。 実来はつい可愛いことばかりする。 おっちょこちょいというか……なんとも可愛らしいというか。 そういう実来の良さが、俺は好きなんだと思う。 こういう自然体で接してくれる女の子のほうが、俺にはあってるのかもしれない。 今まで何人かと交際はしてきたし、それなりに恋愛はしてきたつもりだ。  デートだって色んなところに行ったし、セックスだってそれなりに経験してきた。 もちろん、結婚を考えた人もいたけど、結局すれ違って別れた。 その後は仕事が忙しくなり恋愛をする暇もなくなって今に至る。  気が付けば昇進して、恋愛どころではなくなっていた。   まさかこの歳になって20歳の大学生と一夜を共にして妊娠させてしまうとは……と思ったが、これも何かの縁だと思う。 実来と出会わなければ、俺は今何をしていただろうか……。きっとせかせかと仕事をしていただろうな。 そんな中でも、こんなに愛おしいと思う人に出会ったのは、初めてだった。 実来、俺は実来のことを本気で愛している。 でもそれは、子供が出来たからじゃない。 たぶん初めて会ったあの時から、俺はきっと実来のトリコになっていたのかもしれない。……知らぬ間に、体だけじゃなく、心まで支配されていたのかもしれない。 隅々まで、俺はきっと実来のことで埋め尽くされていたんだな、きっと。 実来、俺の愛おしい人。なくてはならない存在。 実来がいるから、今の俺がある。 実来がいてくれるから、俺は実来のため、お腹の子のため、何事も頑張れる。「……森嶋さん?」「ん?どうしたんだ?」「あの……写真、撮りたいです」 実来が写真を撮りたいと言うので「写真?撮ってやろうか?」と聞き返すと、実来は照れたように「あ、あの……その、そうじゃなくて……」と口にする。「なんだ?」「森嶋さんと一緒に、写真が撮りたいんです」「……えっ?」 俺と写真を……?「や、やっぱり……ダメ、ですか?」 実来……それは反則だ。 可愛すぎる。「……いや、いいよ。撮ろう」「えっ、本当ですか?」「ああ、せっかくだ。一緒

    Terakhir Diperbarui : 2025-03-13
  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【挨拶とバームクーヘン】

     紅葉デートをしたあの日から早くもニ週間が経った。 そして日曜日。 今日は、京介さんがわたしの家に挨拶に来る日だ。 もう緊張して緊張して、仕方ない。 お母さんも京介さんに会えるのをとても楽しみにしているのだ。 京介さん、まだかな……。 そしてピロンと、わたしのスマホに連絡が入った。【もうすぐ着く】「お母さん、京介さん、もうすぐ着くってよ」「あら、そう?じゃあお茶淹れる準備するわね」「うん」 京介さんが挨拶に来るって分かっているから、なんだかとても緊張する〜。 どうしよう……。 わたし不安だけど、だけどね。 京介さんが隣りに居てくれるって思うだけで、心がなんだか落ち着く気がした。 京介さんの魔法って、不思議……。【着いたよ】【今行きます】 わたしは京介さんを迎えに玄関を出た。「……えっ?」 その姿を見て、とてもときめいてしまった。「すまない。遅くなった」「い、い!時間通りなので、大丈夫です」 京介さんのスーツ姿、初めて見たけど、とてもカッコいい……!しかも今日は、メガネ……! メガネ姿、本当にステキ。 ギャップ萌えというか……なんというか。「実来……?」「あ、す、すいません。 どうぞ、中へ入ってください」「ああ、お邪魔します」「どうぞ。お母さん、京介さんが来たよ〜」「はーい」 お母さんはリビングから出てきて、京介さんを迎え入れてくれた。「京介さん、どうぞ。 そこに座って」「ありがとうございます。では、失礼致します」 京介さんはお母さんに「あ、これ、よかったら皆さんで食べてください」と紙袋を手渡す。「あら〜ありがとう。 しかもこれ、並ばないと買えないバームクーヘンのお店のじゃない!?」「えっ!そうなの!?」 もしかして京介さん、並んだってこと!?「そうなんですか?たまたま買えたので、知らなかったです」「そうなの? 嬉しいわぁ。では、みんなで食べましょうか。美味しい紅茶があるから、すぐ淹れるわね」「あ、じゃあわたしも手伝う」「いいわよ。実来は座ってなさい」「そう? ありがとう」 お母さんはキッチンへと向かっていく。「よかった。喜んでもらえたみたいで」「京介さん、流行りのお店のお菓子を持ってくるなんて、さすがですね」 わたしがそう言うと京介さんは「そうかな? 普通だと思うけど」とさらっと答える

    Terakhir Diperbarui : 2025-03-14
  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【京介さんと検診】

     それからしばらくが経ち、わたしは無事に安定期に入った。「お母さん、検診、行ってくるね」「今日は森嶋さんが着いてきてくれるんだっけ?」「うん。京介さんと検診は、初めてだからちょっと、緊張するけど……」「大丈夫よ。行ってらっしゃい」「うん。行ってきます」 検診に行く日、京介さんが迎えに来てくれた。 平日だったから、京介さんもお仕事があるから、ムリをしなくても大丈夫だと言ったのだけど。 午前中に半休を取るから大丈夫だと言ってくれて、着いてきてくれる。 本当に優しくて、思いやりがある京介さん。「実来」「京介さん」「遅くなってすまない。乗って」「はい。よろしくお願いします」 京介さんの運転で、そのまま病院へと向かった。「なんか俺、初めての検診だから、ちょっと緊張するな」「それはわたしもですよ? 毎回毎回、検診に行くたびにとても緊張します。赤ちゃんに何かあったらどうしようって、いつも思いますし」「そうだよな。母親は大変だな。何もしてやれないのが申し訳無いくらいだよ」「そんなことありません。そばにいてくれるだけで、わたしは十分ですから」「ありがとう。……そうだ、実来」「はい。何でしょうか?」「今度実来を、俺の両親にも紹介したいんだ。あと兄貴と妹にも」「えっ? 紹介、してくださるんですか?」「当たり前だろ。実来は俺の婚約者なんだから」 婚約者……。なんか嬉しい響きだ。「ありがとうございます。嬉しいです」「俺の両親も、実来に会いたがってるし」「嬉しいです。 でもわたし、大丈夫ですかね……」 なんだか心配になってしまう。「なにがだ?」「わたしみたいな彼女というか……。わたしみたいなのが婚約者として、認めていただけるのかどうか、不安です」「大丈夫だよ。きっと認めてくれるはずさ。 心配するな」「はい……」 京介さんはそう言ってくれるけど、だけど不安になる。 だってわたしはまだ20歳で、彼の両親からしたら、わたしなんてまだ子供だ。 こんなわたしを婚約者として認めてくれるのかどうか、不安になるのは当たり前かもしれない。「実来、ここを左に曲がるんだっけ?」「そうです」 ウィンカーを出して左に曲がる京介さん。 その横顔はとてもハンサムでカッコよくて、わたしにとっては現実だと思えないくらい夢心地のような出来事なのだ。 駐

    Terakhir Diperbarui : 2025-03-14
  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【俺の大切な人〜森嶋目線〜】

    「課長、こちらチェックお願いします」 部下から確認してほしい書類のチェックをお願いされたら、今度は「課長、すいません。こっちもお願いします!」とまた別の部下からひっきりなしに呼ばれていく。「ちょっと待て。順番に行く。 書類ならそこに置いておいてくれ」「はい」 俺は仕事上、課長という立場にいる。部下を束ねる課長というのは、本当に難しい役職だ。 俺が今の会社に入社したのはちょうど20歳くらいの時だ。 ちょうど実来と同じ年齢の時だった。 最初は右も左も分からない俺に色々と教えてくれたのは、当時課長だった俺の上司だ。 その課長という役職を、30歳を過ぎてから俺が担うことになり、今に至る。課長になって早五年、俺は何時の間にか35歳になった。 課長という立場になって分かったのは、人を束ねるって、チームをまとめるって、とても大変なことだっていうことだ。 でも今は、俺は実来という大切な人が出来て、守りたいものが出来た。 いや、守らないといけない人が二人も出来てしまった。 だから俺は、どんなことがあっても二人のために頑張っていかないとならない。 実来とお腹の子を生涯守ると誓ったのだから、死ぬ気で頑張るしかない。「課長、この後の会議なんですが……。先方の都合で明日に変更してほしいそうです」「そうか、分かった。報告してくれてありがとう。変更の件、先方に連絡しておいてくれ」「はい。分かりました。では失礼致します」 この歳になって守りたいものが出来たとはいえ、なかなかうまく行かないことのほうが多い。 実来に会いたいと思う気持ちもあるのに、仕事が忙しくて会うことも出来ない。俺が時間を作らないとならないのに、それが出来ない、 実来に寂しい思いをさせているのはわかっているし、本当に申し訳ないと思ってる。 だけど実来は、そんなことを口にはしない。 本当は、寂しいと思ってるに違いない。……きっと実来に我慢させてるのだろうな、俺は。「課長、お茶どうぞ」「ああ、ありがとう」 お茶を淹れてくれた部下は、俺のことを気にしているのか「大丈夫ですか? 課長、何かあったんですか?」と聞いてくれる。「……いや、別になんでもない」 しかし、そんなことを気にかけているのは嬉しいけど、今は仕事に集中しないと……。「そうですか?……そういえば、課長は今お付き合いされてる人がいる

    Terakhir Diperbarui : 2025-03-14

Bab terbaru

  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【番外編②〜森嶋家の日常】

    「木葉ー、準備出来た?」「うん! まま、できたっ!」「よし、じゃあ保育園行こっか」 木葉が産まれてから、早くも三年が経った。あんなに小さかった木葉も、今でも言葉も話せるようになり、日々子供の成長というのを実感している。 木葉も保育園ではお友達も出来たみたいで、今は保育園に行くのが楽しいみたいだ。 毎日保育園に行くことをとても楽しみにしている。  母としてはそれはとても嬉しいことで、木葉にお友達が出来ることもそうだし、毎日少しずつ出来ることが増えていくことも親としてはやっぱり嬉しい。 京介とも日々そんな話をしているのだけど、京介は木葉のことが本当に好きみたいで、毎日仕事から帰ると木葉の元へ歩み寄っている。「出発進行!」「おー!」 木葉を自転車の後ろに乗せ、保育園まで送り届けている私の毎日の日課は、ここから始まる。 京介のが家を出るのが早いので、私は毎日木葉を保育園まで送ってから家のことをやっている。「よしよし、起きしちゃったか〜」 木葉が産まれてから一年後には、第二子である女の子を出産し【うらら】と名づけた。 ひらがなでうららが可愛いなって言うのと、産まれたのが春ということもあり、うららと名づけたのだけど、木葉もうららのことに興味があるみたいだ。  ちゃんとお兄ちゃんをしてくれるか心配ではあるけど、きっと木葉なら大丈夫だろうと思う。 京介も家族が増えることを喜んでくれていたので、うららが産まれた時も泣いて喜んでくれた。「うらら、ミルク飲もうか」 うららにミルクを飲ませるためにソファに座る。「飲んでる飲んでる」 うららがミルクを飲んでる姿もとても可愛くて、ついうっとりしてしまう。「うらら、もうお腹いっぱいかな?」 ミルクを飲み終えたうららの背中を優しく叩きゲップを出す。「よく出来ましたね、うらら」 二人目は女の子なのが何よりわたしは嬉しい。 うららが産まれてからは、我が家はもっと楽しくなったし、もっと素

  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【番外編①〜森嶋家のその後〜】

    ✱ ✱ ✱「京介、ご飯出来たよ」   「ああ、ありがとう実来」「うん。温かいうちに、食べよう」「ああ、そうだな」「「いただきます」」 新しい新居に住み始めてから、およそ半年が経ったけど、わたしたちは仲良く子育てにバタバタしながら過ごしている。 わたしたちの子供は二人で名前を決めて、【木葉(このは)】と命名した。  植物の生命力のように力強く成長してほしいと願って、木葉と名付けた。  木葉はとても元気で、よく笑う子で、笑った顔がとても可愛い子だ。 自分たちの子がこんなにも可愛くて愛おしいだなんて、産まれてからもっと気づいた。  木葉はパパが大好きで、結構京介に懐いてる感じがする。 本当に可愛くて、愛おしい木葉。 二人で木葉を育てていくのってとても大変だし、分からないことばかりで戸惑うことばかりだ。  それでも毎日が幸せで、わたしも京介も、毎日笑顔が耐えない。   木葉を見ているだけで癒やされて、そして木葉と一緒にパパとママとして成長している。  それってわたしたちにとって、とても特別なことであり、かけがえのないものであることに間違いはない。「木葉にも、ミルクあげないとね」「そうだな。俺がやろうか?」「ううん、大丈夫。わたしがやるから」「そうか? じゃあ俺は食器を洗うよ」 京介はわたしが木葉に付きっきりになっていると、食器洗いやお風呂掃除などを率先してやってくれるから、わたしも助かっている。「ありがとう、京介。助かる」「気にしなくていいって」 木葉にミルクをあげながら「京介って、明日も朝早いんだよね?」と問いかけると、京介は「ああ。明日は朝一で会議がある」と答える。「分かった。 じゃあ明日はお弁当、用意しておくね」「ああ、ありがとう」「卵焼きは、いつもの甘くないヤツでいいよね?」「ああ」 京介と一緒に住み始めてから、京介のために毎日お弁当を作るようになったわたし。  愛妻弁当という訳ではないけど、京介は仕事大変で毎日遅くまで頑張ってくれているから、栄養のバランスを考えて作るようにしている。 卵焼きはいつも甘くないヤツで、お出汁を使った出汁巻き卵にしている。  甘いのがあまり好きじゃないみたいだから、飽きないように工夫をしているつもりではあるけれど、それでも毎日美味しいって食べてくれるから、

  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【あなたと出会えて良かった】

     京介の言葉を借りるなら、わたしも京介の喜ぶ顔がもっと見たいし、京介のいろんな顔をこれからも見たいと思ってる。「これからもどうぞ、よろしくな。 父親として未塾な俺だけど、子育て一緒に頑張ろうな」「うん。こちらこそ、よろしくね」 京介とこうして過ごす日々は、これからもっと愛おしくなる。そんな日々を毎日、きっと宝物になる。「俺、実来に頼りっぱなしになってしまうかもしれないけど、俺に出来ることがあれば何でも言ってくれ」「うん、ありがとう」「俺は実来のことをずっと支えていきたいし、ずっとそばで守っていきたい。もちろん、子供のことも守っていくよ。……俺たちは、三人で家族だからな」 そう、わたしたちは家族だ。 これから家族として、みんなで明るい未来を作っていくと約束したんだ。   京介、これからもわたしはあなたの妻でいたい。妻として、母親として、しっかり頑張るからね。「わたしも京介のそばで、ずっと支えていきたいと思ってるよ。……この子と三人で、幸せな家族になろうね」「……ああ」 こうしてわたしたちの、新たな家族としての生活がスタートした。 夫婦であり、子供の親でもあるわたしたちだけど。今日からはこの新しい新居で、新しい場所で、家族として生活していくんだ。 どんな困難なことでも、どんなに大変なことでも、夫婦二人なら乗り越えていけそうな気がした。 わたしたちは数ある人たちの中から出会って、結婚して、子供が出来て……。この特別な出会いに、本当に感謝している。 この出会いがまさにほんの一瞬だったとしても、出会うべくして出会った二人なんじゃないかって、勝手に思っている。 京介も同じ気持ちなら、嬉しいな。 わたし、毎日が本当に幸せで、今が一番幸せでよかったと思ってる。 その気持ちはこれからだって変わらないし、変わることなんてない。 京介とだから、こんなにも幸せなんだと思っている。「……ねえ、京介」「ん?」「わたしと出会ってくれて、ありがとう。わたしと結婚してくれて、ありがとう。 わたしを愛してくれて、ありがとう。 わたしと家族になってくれて、ありがとう」「……実来」「京介と出会って、わたしはいつも楽しいことばかりだよ。……これからもきっと、楽しいの予感しかしないよ」「……本当だな。 家族が一人増えたし、楽しいことたくさんしていこう。思い出を作

  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【新しい家族のスタート】

    「先生、ありがとうございました」「何かあったら、また来てくださいね」 「はい。ありがとうございます」「では、お大事に」「お世話になりました」  出産を終えてから数日後、わたしと赤ちゃんは無事に退院することが出来た。 赤ちゃんも健康で何事もなかったから、本当によかった。「さ、帰ろうか。新しい我が家へ」「うん。帰ろう。新しい我が家へ」 赤ちゃんと一緒に後ろのシート乗り込むと、京介の運転で新しい新居へと帰った。 楽しみだな、新しい新居での暮らしがこれから始まっていく。 赤ちゃんが産まれて、これから新しい生活が始まるんだな……。ワクワクもするし、ドキドキもするし、でも不安もあるけれど。 だからこそ、この一瞬の瞬間や時間を、家族三人で共有していきたいと思う。 子供を初めてチャイルドシートに乗せた時、なんだかとても緊張してドキドキした。 産まれて間もない子供だけれど、わたしたちの大切な宝物だ。 大切な大切な、家族と言う名の存在。 これからしっかりと、この子を自分たちの手で育てていきたい。 こうして産まれてきてくれた、わたしたちの宝物に感謝したい。「さ、出発しようか」「うん。お願いします、パパ」「パパか。……そうだよな、俺はパパなんだよな」「うん。そうだよパパ」 子供にとって、父親は京介一人だけだ。 わたしにとって京介は旦那さんで、そして大切な家族だ。 とても愛おしい存在なんだ。「なんかまだ、パパって呼ばれるの慣れないな」「そのうち慣れるよ」 これからの三人での生活は、きっとドタバタ続きで大変だろうけど、なんとか頑張っていこう。 新米ママと、新米パパとしてね。 赤ちゃんにとって、わたしたちは親なのだから。 そして車を走らせること四五分ほどで、わたしたちの新しい新居に到着した。 わたしはしばらく入院していたこともあり、実際の中はまだ写真などでしか見ていなかったから、どんな風になっているのか、とても楽しみだった。 ここで暮らせるなんて、なんだかまだ夢のようだけど……。 チャイルドシートから子供を降ろして、抱っこして家の中へと向かう。 階段もあるけど、エレベーターで行けるのでスイスイだ。 しかも子供がいる家庭にとっては、こういうのは便利すぎてすごい。 良く出来てるなって感じがする。 さすが新築マンションだな。 セキュリ

  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【ママとパパになった瞬間の喜び】

     もうダメ……。本当に痛くて、子宮が取れそうな感覚になってしまう。 なぜか一緒に涙も出てきてしまったし。「森嶋さーん、赤ちゃんの頭がまだ出てきてないから、指示出したらその通りにやってみてくれるかな」「は、はいっ……」 赤ちゃんの頭もまだ出て来てないの!? こんなに痛いのに……。わたし、こんな弱気で頑張れるのかな……。「森嶋さん、息を吸ってから吐いてみてくれる?」「は、はいっ」 言われた通りに、息を吸って吐いてを何回かやってみた。「OK、いいよ。 森嶋さん、次いきんでくから息を吐きながらいきんでみてくれるかな」「えっ、はっ、いたたっ……!」 いたたたた……! やばい、めちゃめちゃ痛いっ! 言われた通りにいきんでくと、力が入るからかなり子宮が圧迫されたような感じがして、とても痛かった。 もはやこれは我慢できないほどの痛みだった。 ああ、早く赤ちゃん出てきて……。痛みに一生懸命耐えながら、そんなことばかりを考えていた。「森嶋さん、もう一回いきんでー!」「はいいいっ……!」 思いっきり力を振り絞りながら、いきんでいく。「ふんんんっ……!!」 やばい、痛いし身体が限界を迎えそうだ。 おでこや身体全体に汗をたくさんかきながら、本当に必死だった。 途中からはもう、何だかもうよく分からなくて、ただただ赤ちゃんが出てきてくれることだけを祈っていた。「森嶋さん、まだいきまないでね〜」 「っ……はあ、はあ……っ」 もう苦しい……。無理かも……。「森嶋さん、赤ちゃんの頭が見えてきたよー! はーい、もう一回いきんでみて!」「ふんんんんっ……!!」 でも赤ちゃんの頭が見えてきたって言葉を聞いて、少しだけ嬉しくなった。 もう少しで、もうちょっとで赤ちゃんと会えるんだ……。「実来!頑張れー!!」 一生懸命いきんでいく中で、やっと京介の姿が見えたけど、不安そうな顔でこっちを見ていた。 でも……きっと大丈夫。京介が応援してくれてるし、ここで見守ってくれているんだから。  「森嶋さん、旦那さんが到着されましたよー! よかったですね!」「っ、は、はいっ……!」「実来、もう少しだ!頑張れっ!」「う、うんっ……!」 京介の声が聞こえてくる度に気持ちが高まるし、元気がもらえる。「森嶋さーん、赤ちゃんの頭出てきたよー!もう少しだから、この

  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【出産という不安を抱えて】

    「っ……いたたたっ……!」 え、なんかお腹痛い……! なにこれ! それから数日後、その日はお天気が良かったので外の中庭を歩いていた。 その時、急にお腹にドッと痛みを感じた。 あまりにも痛みが強くて、わたしはその場にしゃがみ込んでしまった。「森嶋さん、大丈夫ですかっ!?」 そこへ通りすがった先生がわたしの元へ駆け寄る。「お、お腹が、痛くてっ……!」 痛みでまともに話すことも出来ない。  きっとこれは、陣痛かもしれない。「森嶋さん、ちょっとお腹触りますね」 先生がわたしのお腹に触れると「森嶋さん、すぐに病室に移動しましょう。子宮口が少し開いてるかもしれません」とわたしに告げた。「先生、い、痛いです……!」「大丈夫ですよ、森嶋さん。一緒に頑張りましょうね」「は、はいっ……!」 それは今までに感じたことのないような痛みで、どうしようもなくて、思わず泣きそうになってしまった。 車イスを用意されて病室に移動すると、超音波検査などを行った。 そして先生は、子宮口を確認していく。「森嶋さん、子宮口がもうちょっとで開きそうだから、もう少しだけ我慢してね」「ううー……まだ、ですか?」「後もう少しだから、もうちょっとだけ待ちましょうね」 それからもう少しだけ、子宮口が開くのを痛みに耐えながら待っていた。「はぁ……はぁ……痛いよお」 先生まだかな……。 いつまで待てばいいのかは分からないけど、子宮口が開かないと赤ちゃんが出て来られないとのことだったので、陣痛を促す薬を投与してもらい、完全に開くまで待つことになった。 でも開くのもいつになるのかわからないので、途方に暮れそうだった。「せ、先生……?」 それからどのくらい経ったかは分からないけれど、痛みに耐えながら待っていたら、先生が来てくれたのでようやくかなと思った。「森嶋さん、子宮口確認するね」「は、はいっ……」 陣痛って、こんなにも痛いのか……。本当にすごく痛い。 生理痛の何倍も痛いから、何度も泣きそうになってしまった。 だけどここまで来たら後少しだから、と自分に言い聞かせた。「森嶋さん、良かったね!ようやく子宮口開いたよ。 よし、出産準備に入るからちょっと待っててね」「は、はいっ……!」 良かった……。ようやく開いたみたいで、産む準備に入れるそうだ。「森嶋さん、旦那さ

  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【幸せな家族像】

    「おねえちゃんは、いつあかちゃんうまれるの〜?」 わたしのそぱに来た紗奈ちゃんという女の子は、わたしのお腹に目を向けている。「こら、紗奈!お姉ちゃんの邪魔しちゃダメでしょ?……すみません、うちの子が」 紗奈ちゃんのお母さんは、わたしの元へとゆっくり歩いてくる。「いえ。 紗奈ちゃん、お姉ちゃんもね、もう少しで赤ちゃんが産まれるんだよ」 「さなも、あかちゃんたのしみなんだぁ! おねえちゃんも、あかちゃんがんばってね〜」 紗奈ちゃんに応援してもらったおかげで、なんだか気持ちが明るくなった気がしたわたしは、紗奈ちゃんに「ありがとう、紗奈ちゃん」と紗奈ちゃんの頭を撫でた。「紗奈、こっちに来なさい! パパにジュース買ってもらいな」「うんっ!パパのとこいく〜」 紗奈ちゃんはパパのところへ行こうと走り出す。「こら!走っちゃダメよ、紗奈!」「パパ〜!」「紗奈! もう、紗奈ったら……。騒がしくて、すみません」「いえ。 可愛いですね、紗奈ちゃん。おいくつですか?」「四歳です。女の子なんですけど、とにかく活発で困るんですよ〜」「そうなんですか? でもすごく可愛いですよね」 紗奈ちゃんを見ていると子供ってやっぱりいいなって思う。   これがわたしの理想の家族像かもしれない。「ありがとうございます。 出産は初めて?」「はい。 なので、本当に不安だらけで……」「初めてはそうだよね。 うちももう三人目だけど、やっぱり毎回不安になりますよ」 そうなんだ……。三人目でも不安になるんだな。「三人目ですか? すごいですね。男の子ですか?女の子ですか?」「うちは全員、女の子なのよ。 男の子一人くらい欲しいかったんだけどね」「女の子だと、可愛いですよね。 可愛い服とか、いっぱい着させられそうですし……」 いつかは子供と一緒にリンクコーデみたいな感じにするのが、夢ではある。 そうなったらいいな。「でも女の子も女の子で、大変ですよ? 騒がしくて、言うこと聞かないのよ〜」「え、そうなんですね?」「でもやっぱり、子供は可愛いですよね。やんちゃで大変だけど、それでもやっぱり可愛いのよね〜」 そう言われたので、わたしも「だってすごく、幸せそうですもん」と思わず口にしてしまう。「そうですかね?」「はい。もう楽しそうな家族だっていうのが、目に見えて分かります」

  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【出産に向けての準備】

    「……ふうっ」 お腹がかなり大きくなっていたわたしは、立ち上がったりするのが大変で、産まれるまでようやく後少しという所まできた。 妊婦生活も臨月に差し掛かり、もういつ産まれてもおかしくない状況になっていた。  身体が重いし、歩くのも大変だ。 だけど、お腹の子が元気に動くのを感じて、早く産まれてきてほしいという思いが強くなっているのは、確かだった。 この子と、産まれてくる赤ちゃんに早く会いたいという気持ちが、以前よりも強くなっていき、早く対面したいと思ってる。 わたしが母親になって初めて気付いた、愛情という感情。 そして産まれてくる子に対する、この奇跡という名の宝物。 二人でたくさんその奇跡を共有したい。「もう少しだな、産まれるまで」「うん」 京介も優しく微笑みながら、元気に動くお腹の子を眺めている。「……実来」「ん?」「出産、頑張ろうな」 京介が何かと助けれてくれるから、わたしは頑張られる気がする。「うん、頑張るね」「本当に、実来のために何も出来ないのが申し訳ないくらいなんだけどな」「そんなことないよ。……不安な時に、こうやってそばにいてくれるだけで、それだけでわたしはもう安心するんだよ」 わたしがそう話したら、京介は「そうか……?」とわたしを見る。「うん。正直、今すごく不安だし。……だけど、京介がいてくれるだけで、その不安が少し和らぐからとても頼りになるよ??」「そっか。 ならよかった」「ありがとう、京介。 出産までもう少しだから、頑張るからね」「ああ、大丈夫だ。……俺がそばにいるからな」「……うん、ありがとう」 微笑むわたしに京介は優しく手を握ってくれて、寒いからとコートを掛けてくれる。「ありがとう、京介」「今日は一段と冷える。……身体に障るといけないから、中に入ろうか」「うん」 京介の家にはもうほとんど何もなくなっていた。 ベッドと冷蔵庫がぽつんと置いてあるだけで、とても殺風景になっていた。「……いよいよ明後日には、引越しだな。ここともお別れだ」「そうだね。なんだか、寂しくなるね」 もうここに来ることもなくなるのか……。と思うとなんだか寂しくなる気がする。「そうだな。 まあ今度は実来と子供と三人で暮らせるようになるし、楽しみもあるけどな」「うん、そうだね。 わたしたち、三人で暮らす新しい家だも

  • エリートな彼と年の差恋愛婚〜恋した彼は15歳年上の旦那様です〜   【母の味】

    「お母さん、後少しだけど、よろしくね」 「はいはい。今のうちに存分、甘えておきなさい」「はーい。 じゃあお母さん、お腹空いたからご飯食べたい」「アンタって子は……よし。ご飯にしよっか。お箸持っててくれる?」「うん」 お箸をテーブルに並べて、お味噌汁の入ったお椀を並べた。 お母さんのご飯を食べられるのも、後少しなんだよね……。なんか、寂しくなるな。 恋しくなる、母の味。 わたしの母の味は、なんだろうな。 やっぱり肉じゃがと、甘い卵焼きかな。「さ、食べましょう」「「いただきます」」 お母さんと一緒に夕飯を食べるのも残り少なくなって、なんだかんだで寂しい気持ちになる。 お母さん、これから一人で寂しくないかな……?「ん、美味しい。これだよ、これ。やっぱりお母さんの肉じゃが、本当に美味しい」「ならよかった。アンタは昔から甘めが好きだもんね」「うん。お母さんの作る肉じゃが、お袋の味って感じだもん」「そっか。お袋の味か……」「うん。後ね、甘い卵焼きも」 お母さんの作る甘い卵焼きはとにかく大好き。高校の時のお弁当にも、毎日甘い卵焼きは入っていたし。 甘い卵焼きは大好きだから、食べるとほころぶ気がする。「卵焼きはいつもお砂糖たっぷり入れてるからね」「そう。その甘いヤツが極上に美味しいんだよね」「それはよかった。遊びに来たら、また作ってあげるわね」「やった。嬉しい〜。子供にも食べさせてあげたいな」「食べさせてあげなさい。 実来の料理が、いつかお袋の味になるようにね」 わたしのお袋の味か……。いつかそうなったらいいなって思う。「そうだね、頑張ろう。 料理もっと上手くなりたいから、お袋の味ってヤツを作ってみてもいいかもなあ」「頑張りなさい。母は強し、よ」「うん」 母は強し……か。 確かによくそれを聞く。 お母さんいわく、母になると精神的にも強くなるらしい。 さすがお母さん、尊敬する。「ねぇ、お母さん」「ん?」「肉じゃがとご飯、おかわりしていい?」「いいわよ。いっぱい食べるわね」「だって、美味しいんだもん」「食べすぎてあんまり太り過ぎないように、気を付けなさいよ」「うん。気を付ける」 その後はご飯をしっかりと食べた後に、お風呂に入った。 お風呂から上がると、京介からLINEが来ていた。【実来、ご飯食べたか? 

Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status