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第8話

太陽がもう昇ったのに、なんで幻想が消えなかった?

ベッドヘッドに寄りかかっている185センチの「罪深い幻」が、ニコニコしながら私を見つめて、手に持った携帯を揺らしている。

そしてその携帯には、ある恥知らずな女が親友の彼氏に向けた熱情な告白が再生されていた。

そう、その恥知らずな女っていうのは私のこと。

天に誓うわ。今日から酒はもう飲まないって。

「紗夜ちゃん、僕が好きだって言ったよね?今度こそ責任を取ってくれよ」

誇らしげな顔の東、浮気してるのになんでこんなに得意げなんだか。

私が何も言えずにいると、彼はゆっくりと口を開いた。

「そうだ、紗夜ちゃんが悩まないように、さっき峰子に電話しておいたよ。彼女は今、こっちに向かってるところだ」

まじでその瞬間、腹を切って自害しようかと思ったよ。

東、いつからこんな突進型になったんだ?

いや、なんでこんなことになっちゃったんだよ?

今回ばかりは峰子が絶対に私と縁を切る。いや、確実に手術刀で私を八つ裂きにするだろう。

東が服を着終わったころには、私があのホストを呼んで助けてもらうかどうか迷っている間に、もうチャイムが鳴った。

峰子、早すぎるのよ。

ドアが開くと、私は峰子の顔を見るのが怖くて、洗濯板を床に置いて、バタンと跪き、泣き叫んだ。

「峰子、ごめんね!殺すなり何なり、満足するまで何でもするよ!でもお願い、刺すときは正確位置に狙って。私、痛いの苦手だから…うううう…」

想像していたような峰子の怒鳴り声や非難はなかった。代わりに、男の茶化すような声が聞こえてきた。

「おやおや、朝っぱらから年始の挨拶か?」

「急だったから、お年玉は用意しなかったけど」

ん?

疑問に思って顔を上げると、峰子は呆れた顔で私を見ていた。顔には「知らないわ、こんな奴」とでも書いてあるかのようだった。

彼女の後ろには、一人の男が立っていた。身長も顔立ちも、東とまったく同じだ。

後ろで笑いをこらえる東を見て、目の前の男を見て、私の脳内が一瞬で停止した。

相手が先に口を開いた。

「初めまして、僕は俊也、峰子の彼氏で、純也の双子の兄です。雨宮さん、お噂はかねがね伺っております」

双…双子?

なんだか、ずっと勘違いしていたような気がする。

峰子が私を引っ張り上げ、呆れたように言った。

「もう立てよ、ほんと、な
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