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第2話

私はベッドに横になり、メイクを落とすこともせず、峰子に殺される100通りのシナリオを一日中考えていた。

ドアベルが鳴ったとき、私は絶望的な気持ちでドアを開けた。

そこには、東が立っていて、指先で私の財布を揺らしながら、微笑んで言った。

「また会えたね、紗夜ちゃん。僕のこと、覚えてる?」

この人、酔ってなくてもこんなに色気を振りまくのか。

私は驚愕して、言葉が詰まった。

「な、な、な、なんで私の家がわかったの?」

彼の答えは、私を死にたくさせた。

「峰子が教えてくれたんだよ。今朝、腹痛だって言ってたから、様子を見に来たんだ。昨夜力を入れすぎたかな?ごめんね、次はもっと優しくするよ」

次だって?また次があると思ってるのか?!

確かに、昨夜は私から誘ったけど、本当にわざとじゃなかったんだ。

今はお互いシラフの状態で、彼は私の正体を知っているのに、こんなことを言ってくるなんて。正気なのか?

東は遠慮することなく部屋に入って座り、私の手首を引っ張って、自分の膝の上に座らせた。

「あず……んっ」

私が言葉を発する前に、東は私の顔に冷たくて湿った布を押し当ててきた。少し息苦しい。

その瞬間、時代ドラマで、犯人が顔に水を含んだ布を重ねて窒息させる場面が頭に浮かんだ。

東は事態が明るみに出るのを恐れて、私を殺しに来たのか?

さっきの誘い言葉は、注意を逸らすためだった?

幸いにも、彼には法的な意識があったようで、すぐに布を取り除き、私の顔を拭き始めた。

ん?顔を拭いてる?

私には大胆な予感があった。もしかして、こいつ……メイクを落とそうとしてるのか?

「紗夜ちゃん、メイクは長時間してちゃダメだよ。肌に良くないから。昨夜はメイクを落としてあげようと思ったんだけど、君が僕の手を縛っちゃったからね」

神様、もうそれ以上言わないでくれ。

彼の手は優しく、呼吸が私の顔をかすめ、長いまつげがぴくぴくと震えていた。

東は確かにかっこいい。だからこそ、私は昨夜欲望に負けて、大きな過ちを犯したんだ。

メイクを落とし終わった彼は、悲しそうな声で言った。

「紗夜ちゃん、どうして友達申請をOKしてくれないの?」

どうしてかって?

どうしても何もないでしょう?!

他人が浮気するのは、道徳の崩壊。

親友が浮気するのは、ばれなきゃOK。

自分が浮気したら、美しい恋愛。

でも自分が親友の彼氏と浮気したら、それはまさに地獄絵図だ。

彼の立場と、昨夜の激しいシーンを思い出すたびに、私は熱くなり、急に飛び起きた。

「東、昨夜は事故だったんだ。私は酔って、東は誰だか分からなかった。それに東と峰子の関係も知らなかった。知っていたら絶対、そんなことをしなかったよ」

「このことはなかったにして、お互い永遠に忘れよう。わかってるよね?」

私は自分がかなり明確に言ったつもりだったが、東は傷ついた表情で私を見て言った。

「紗夜ちゃんは責任を取りたくないの?」

正直言って、峰子の新しい彼氏はどうも正常じゃない気がする。人の言葉が通じないようだ。

私が言葉を整えようとしている間に、リビングのドアが開き、峰子が予想より早く帰宅した。

私は心臓がバクバクしながら、できるだけ平静を装った。

峰子は疑わしげに東を見て言った。

「なんでここにいるの?」

東は私をちらりと見て、私は彼が何かとんでもないことを言い出さないかと心配し、急いで言った。

「東先生は峰子に会いに来たんだよ」

峰子はうなずいて笑いながら言った。

「もうお互い知り合ったみたいだね。そうだ紗夜ちゃん、彼のLINEと友達追加しておいて。これからは仲間みたいなものなんだから、感情を深めないとね」

時々、私は峰子の頭を開けて、中に何が詰まっているのか見てみたいと思う。他の女に自分の彼氏の連絡先を教えて、感情を深めろだなんて。

もしかして、医学方面の人はみんなこんなに狂ってるの?

峰子が同時に二人のイケメンを引っ掛けたとき、どっちを選べばいいか悩んでいたことがあった。

私は彼女に、片方を私にくれと言った。

彼女は気前よくどっちがいいか聞いてくれたが、まさか親友と同じ男を共有するほど、頭おかしくないはずだ。

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