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第3話

考えに考えた結果、彼女のこの行動に対する唯一の説明は、彼女が私を愛しすぎていて、そして私を信頼しすぎているということだった。

ダメだ……余計に罪悪感が募る。

峰子の厳しい要求で、私は仕方なく東の友達申請を承認した。

「今夜食事会があるんだけど、紗夜ちゃんも一緒に行こうよ」

東が誘いをかけてきた。

私は断ろうとしたが、峰子の殺し文句のような視線に圧倒され、言葉が出なかった。

そうだ、彼女の彼氏に恥をかかせることは、彼女自身に恥をかかせることになる。

仕方なく部屋に戻って着替えることにした。

着替えの途中、LINEが鳴った。東のやつ、なんと猫がキスしているスタンプを送ってきたのだ。

この時、峰子はリビングで彼と話している最中だった。

東の品性を疑わざるを得なかった。峰子はこれまで恋愛で無敗の戦歴を誇っていたが、東という沼に落ちるのではないか?

私は彼に警告を送った。

「いい加減にして!」

食事会と言っても、結局三人しか来なかった。男一人に女二人、全員峰子の科の同僚だった。

東が予約した小さな個室に、6人がぎりぎり座れるほどの広さ。

彼らの話題はすべて患者や医学用語の話ばかりで、私にはさっぱりわからない。私は黙々とご飯を食べるしかなかった。

食べている最中、突然足首に痺れるような感覚が走り、危うく咳き込みそうになった。

最初は幻覚かと思って、そのまま食べ続けた。

だが、2分もしないうちに、両足首が誰かのしっかりとした脚の間に挟まれ、拘束された。

おっかしい!幻覚じゃない!

私は慌てて顔を上げ、ちょうど東のニヤニヤした視線と目が合った。

私はスカートを履いていたが、薄い生地越しにも相手の体温が鮮明に感じられた。

こいつ、正気か?

心臓がドキドキしながら、峰子の様子を気にしつつ、ひそかに力を入れて東の拘束を逃れようとしたが、彼はますます強く脚を締め付けてきた。

こっちは冷や汗が出るほど怯えているのに、彼は何事もなかったかのように、悠然と隣の人と話している。

彼は余裕で私にLINEまで送ってきた。

「僕を見ないで、ちゃんとご飯を食べてね」

あんたも自分の行為が公然とはできないことだとわかってるんだな?

「東先生、動きが慣れてるね。常習犯?」

「もっと慣れてることもあるよ。次は試してみようか」

「……」

家に帰ると、私はじっくり考え、東とちゃんと話すことにした。

彼には自分の行動がどれほどおかしいかを自覚させる必要がある。

携帯を手に取ったその時、彼からビデオ通話がかかってきた。

メッセージで説明するのは難しいかもしれないと思い、通話を受けたが、画面に映った光景に目を疑った。

ピッシリ整った8つの腹筋が画面いっぱいに広がり、人魚ラインとグレーの下着までかすかに見えた。

「えっ、東!?」

カメラがようやく彼の顔を映すと、彼は少し恥ずかしそうに微笑んだ。

「昨夜気に入ったって言ったじゃん。ずっと触ってたし。だから喜ばせようと」

そう言うと、カメラが再び下へ移動し、危険なエリアに近づいていった。

私は深呼吸して、視線を8つの腹筋から引き離そうとした。

「既婚者が他の女性にこんなことをするべきじゃないってわかってるのか?彼女持ちだって同じだよ。あんた、頭おかしいよ」

東は無邪気にまばたきをして、こう言った。

「でも、他の女性には見せてないよ。紗夜ちゃんにだけ」

寝たらもう他人じゃないってことか?

もうどうでもいいや。

馬鹿な振りをされたら手の施しようがない。

「こんなことやめて。確かに東は顔がいいし、体付きも悪くない。でも峰子にこんなことをしたくない」

東は少し困惑した様子で言った。

「でも、峰子は気にしないと思うけど?僕たちは約束したんだ。彼女は僕に干渉しないし、僕も彼女に干渉しない。それぞれの実力次第って」

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