幼なじみのために息子の診断を拒んだ夫が狂った
息子は大動脈解離が破裂したため、緊急手術が必要だ。
私の夫は心臓外科の専門医だ。
でも私は、彼には連絡せずそのままタクシーで病院へ向かった。
前の人生では、私が必死に夫にお願いし、夫を救急車に同乗させ、息子を病院に連れてきてもらった。
彼は病院のベッドをすぐに手配してくれた。
けれど、夫はそのとき携帯電話を持ち忘れていた。
ちょうどその頃、彼の幼なじみである山田小梅が心筋梗塞で倒れ、夫に何度も電話をかけたが繋がらず、救急車の中で息を引き取った。
その後、夫は三ヶ月間失踪し、戻ってきたときには何事もなかったかのように振る舞っていた。
息子の誕生日には、夫が料理を作ると提案してきたほどだ。
しかし、その料理には薬が仕込まれていた。
夫は私の首を締めつけながら、私の喉を切り裂いた。
「お前が俺を家に呼び戻さなければ、小梅は死ななかったんだ!お前ら一家は人殺しだ。全員、彼女のために償うべきだ!」
次に目を覚ましたとき、私は息子が心臓病を発症したその日に戻っていた。
今度は夫は小梅からの電話を受け取ることができた。
それなのに、どういう訳か、後に彼が膝をついて私に許しを乞うことになるなんて。
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