私を火の中に置き去りにして、親子は狂った
息子の誕生日に、旦那は自分の好きな女を家に呼んで、息子を迎えに来させた。
私はどうしても息子を行かせたくなくて、揉めてるうちに廊下で火事が起きた。
落ちてきた瓦礫で頭を打って血だらけになったけど、息子は私が守って無傷だった。
でも、消防士の旦那が救助に来たとき、彼は唯一の防毒マスクをその女に渡した。
「綾乃おばさんは体が弱いから、パパ、先に彼女を助けてあげて。ママは他の人が助けに来るまで待ってて!」
私は彼らが去っていくのを見て、苦笑いを浮かべた。
みんな忘れてるみたい、私が重度の喘息持ちだってこと。防毒マスクがなければ、私は死んじゃうのに。