Lahat ng Kabanata ng 『特別なひと』― ダーリン❦ダーリン ―❦: Kabanata 21 - Kabanata 30

79 Kabanata

◇血の繋がりのない孫 21

21「あなたが生まれてすぐにあなたの父親一樹さんが浮気をしてしまい 『本気じゃないから許してほしい』って土下座して懇願されたけど 私はガンとして許さなかった。 その後しばらくして大学の同級生だった洋輔さんと結婚したのよ。 その時ね、おじいさまが『浮気するような男の子供を連れた女など 向阪家の嫁にはできぬ』とおっしゃってね、それはもう大層ご立腹だったわ。 でもね、洋輔さんが一歩も引かなくて、『承諾は無くても結婚します』と言ってくれて素敵だったのよ」 『こんな時に惚気るなんてお母さま、頼みますよ~』 「で、その俺の本当の父親やらとはその後どうなったの?」 「私が再婚するとすぐに後を追うように浮気相手だった女性と結婚したの。 だけど結婚した後その女性がホストに嵌り、借金が嵩み泡嬢に落ちて いったらしいわ。詳しいことは分からないけどたぶんその女性とは離婚 したんじゃないのかな」 「なんか、悲惨~カッコ悪い末路だな」          ◇ ◇ ◇ ◇  沙代の元夫一樹が致した浮気はほんの出来心で、沙代と元の鞘に戻りたく散々沙代に謝罪したのだが、沙代の心を取り戻すことはできず…… そうこうしているうちに学生時代からの友人である洋輔と沙代が さっさと再婚してしまい、何を血迷ったのか一樹は結婚など微塵も考えていなかった浮気相手の荻島和子と自分も沙代と張り合うように再婚をした。  だが和子と暮らす日々に平穏な生活など一日たりともなかった。 和子という女はトキメキがないと生きていけない属性の人間で 結婚後すぐにホストにド嵌り。 借金を作りお定まりの風俗嬢におちていった。 沙代に振られてからというものどうでもいいような生き方をしていた一樹も流石にあきれ果てたのか振り回されてばかりだった和子と縁を切るのだった。 その後も何人かの女性と縁はあったものの、沙代に向けていた同じ熱量で愛せる女性に巡り合うことはなく、残りの長い人生を共に生きていきたいと 思えるような女性には出会えず、50代の今になっても独りの生活、おひとりさまで生きている。
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◇いざ決戦の日 22

22  匠吾は父洋輔と血が繋がっていないなんて夢にも考えたことはなかった。 それほど洋輔には大事にしてもらってきたのだ。 花と自分はいとこ同士であり祖父から見れば同じ孫、同等に愛され 向阪財閥の中で花や父親、叔母などと同じ立ち位置にいたと思っていたのに そうではなかったのだ。  血の繋がりのない他人で、その上目に入れても痛くないほど愛おしんできた花を裏切った裏切り者……となってしまったことを知る。  いざ決戦の日、向阪洋輔、沙代、匠吾の三人は神妙な面持ちで 祖父茂の住む応接室で主《あるじ》を待っていた。 茂が椅子に腰かけるのを見計らって沙代Loveの洋輔は 息子の為というよりは妻が詰られはしないかと心配で『面談に参加するよ』と言うのだが茂に『その必要なし』と一刀両断の元、ばっさりと断られてしまう。 そのように断られ参加は叶わずの洋輔は別室で妻子を待つこととなった。  大層立腹の茂は開口一番、沙代と匠吾親子に物申すのだった。 「沙代さん、洋輔がどうしてもあなたと一緒になりたい、結婚させてくれたら一生私に尽くすと言うから、訳アリのあなたとの結婚をしぶしぶ許した」 母親から聞いた話と違うのかぁ~などと思いながら匠吾は 次の言葉を待った。 「だがどうだ。  血の繋がった花同様私は匠吾のことも目をかけてきたというのに。 私の大事な花を……花を裏切り、心を壊してしまいおってからに。 私はね、洋輔が何と言おうと今回はあなたとあなたの息子を許しはしないよ。 私の目の黒いうちは息子もあなたも針の筵……その上からは逃れられまいよ。 匠吾はやはり実の父親と同じようなことをやらかしたな。血は争えんな」
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◇一線は越えておりません 23

23 「お義父様、お許しください。花さんを甚《いた》く傷つけたことは 申し開きようもございません。 また身体の関係がなかったにせよ、婚約者がおり嫌な気持ちにさせることは容易に想像がつく中で別の女性と夜の街で一対一で会うなど言語道断、 甘んじて処罰は受けます。 ですが息子の為に一言言わせていただきたいのです。 私の元夫は浮気をしましたが息子は浮気心は持ったかもしれませんが、 その相手と一線は越えておりません。 それだけは……それだけはご承知おきください」 「匠吾、ほんとか? 命に掛けてそう誓えるか!   事と次第によってはその命失くすやもしれんぞ。 花が匠吾を好いておるから私もお前を大切に想ってきたが 花の心を壊したお前は今、私の敵になった。 私や花に対する詫びはどうするかね?」「……」  突然の質問に言葉が詰まって何も言えない匠吾に代わり 母親の沙代が答えた。 「総帥様、お時間をいただきたく存じます。  1年か2年、私たちに時間をいただけますよう」 「よかろう。良い報告を待ってるよ、ではこれでな。  期限は2年与えよう」              ◇ ◇ ◇ ◇  緊張して臨んだ親子での祖父との面談、何とか今回は 事なきを得たと言ってもいいのだろうか。 しかし、本当の意味で事なきを得るには『詫び』とやらを 入れねばならないらしい。
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◇八方塞がり 24

24 年上の大人の女性にほんの少し興味がなかったとは言い切れないが、 ただ一度の『飲み』でここまで話が大きく拗れるなんて普通有り得ない話だ。  しかも目的がなかったわけじゃなく、島本玲子の要請で時間を割いて 出向いて行った自分に対してこの仕打ち。 恩を仇で返されるとはまさしくこのこと。 彼女がはっきりと社内試験用の問題集を借りるために俺を呼び出した形で会い、酒を飲んだあとはそのまま解散したのだと説明してくれればよかっただけのこと。 それをあいつ《島本》は俺たちふたりの間にまるで何かあったと 思わせるような思わせ振りな返事を花にしたはず。 おまけに社内の人間たちに向けて俺とのツーショットをメールで 一斉送信という追撃まで。  返す返すも油断した自分が歯がゆく、花を悲しませた日から 胸が苦しくて痛くて後悔と自責の念に苛まれるという日々を過ごしている。 祖父には母親があのように詫びを入れると約束していたが……。 俺はどうすればいいのだろう。          ◇ ◇ ◇ ◇  匠吾が将来を憂いていた頃、母親の紗代も八方塞がりの現状に 臍を噛む思いでいた。           * 幼い頃からきょうだいのいない花は、匠吾のことを兄のように慕っていて中学生になるとバレンタインに本命チョコを渡すようになり 3年の時には付き合ってほしいとメモ書きを付けて渡してきた。 この時それを知った匠吾の両親は総帥の茂に息子が花と正式に交際を始めてもよいかと伺いを立て、了承してもらったという経緯がある。 この時沙代も洋輔も、向阪の血は引かぬもののこれでようやく匠吾が 向阪一族の人間として誰憚ることなくこのまま陽の当たる場所に いられると安堵したものだ。
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◇罠 25

25  祖父から『詫びを入れろ』と言われて帰った日から匠吾は両親と三人で 数日間家族会議を開き、今後のことを打ち合わせし計画を立てた。  花が退職、島本玲子には社内の人間に自分とのツーショットをばら撒かれ、そんな中自暴自棄にならないほうがおかしいくらいの立ち位置にされて しまったのだ。  誰の目にも花から島本に乗り換えたと映ったことだろう。 これから島本玲子を焼くか煮るか考えていた向坂家にとっては もっけの幸いだ。  解決に向けては一日でも早い方がいい。 早く終わらせてスッキリしたかったから。 ……ということで向阪家では玲子と匠吾との結婚を急いだ。  匠吾は愛想笑いを表情に貼り付け玲子をデートに何度か誘いプロポーズ。  入籍を急ぎ翌月には籍を入れ、式は一年後ということで匠吾は玲子を 妻に迎え入れた。 もちろん、そんなの嘘っぱちで式を挙げるつもりもなく、 籍は入れた振り……で実際のところは事実婚。 知らぬは玲子ばかり。  玲子は玲子でそれとなくリサーチしていて、匠吾の父親が別のグループ会社の取締役などに就いていることも知っており、結婚後はさぞかし豪華で ハイスペックな一戸建てに住めるだろうと考えていたのに蓋を開けてみれば その辺の中古マンションクラスの2LDKだったため、内心憤慨していた。 それでも流石に実家は豪邸だろうと思っていたのにこれまた予想外で、  自分たちと同じマンションに住んでいるのだ。『どういうことなのだ』と、豊かな生活を期待していた玲子はしばらくの間 何もかもが信じがたく戸惑うばかりだった。  祖父との面談のあと、すぐに沙代たち一家は茂から住居を他所に構えるようにとの申し渡しを受けていた。  玲子のことを考えるとちょうどよかった。 しばらくは玲子に一泡吹かせる意味でも、またこんな事でもない限り 普通の狭いマンション暮らしなど経験することも今後生涯自分たちには 無縁のことなのでここはひとまず楽しんで暮らしてみようということになった。  ……ということで沙代夫婦、匠吾夫婦は同じマンションの階違いで 入居した。  息子とのこれからの相談や、嫁の玲子の行動を監視するのにも ちょうどよかったのだ。
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◇計画 26

26  玲子は匠吾に「お金持ちなのだからせめて新築のマンションで暮らしたい」と要望を伝えた。  それなのに夫から返された返事は『財産を持っているのは祖父や両親であって自分ではない。自分は一介のサラリーマンだからこれ以上の暮らしを望むのであれば 働いてほしい』だった。  豪邸に住み専業主婦になって優雅な暮らしができると思っていたのに 当てのはずれた玲子は落胆するのだった。           ◇ ◇ ◇ ◇ 息子と結婚後、玲子が贅沢《リッチ》な生活をしたいというようなことを口走るようになった。 沙代は策略を練り、自分と夫の洋輔はあくまでも二人の結婚には反対であるとの立場をとった。 そしてそのあと、しぶしぶ了承する振りをして玲子に跡継ぎを産めば少しは嫁として認めてやると条件を突き付けていた。 それは、玲子の『お金持ちなのだからせめて新築のマンションで暮らしたい』発言からちょうど3日後のこと。 息子の嫁の姑としてちゃんと諭してやらねばなるまいと……  沙代は玲子を家に呼びつけた。 「話は匠吾から聞いたわ。 あなたとの結婚をしぶしぶ認めた時にもお話してあったと思うけれども、 跡継ぎを半年以内に妊娠することができればマンションといわず、 土地300坪くらいでそれに見合う戸建てを夫と私からプレゼントするわ。 どう? 玲子さん」  何を言われるのかと戦々恐々として訪れた姑の家で、新築マンション どころではない土地300坪に建てる一戸建てという破格の提案をされ、 天にも昇る気持ちで玲子は家に帰って行った。 釣られた餌にばかり気を取られ、案外難しい注文だということに この時の玲子は気付かずにいた。  玲子が帰った夜のこと、仕事から帰宅した洋輔が開口一番沙代に 問いかけてた。「あの子、どうだった?」「元々心根の卑しい子だから、喰い付き方が半端なかったわよ。 目がキラキラしてたわ。ふふふ」「あとは匠吾の腕の見せ所ということか。大丈夫だろうなぁ?  ほんとに匠吾との子ができたら目も当てられないよ」「あなた、止めてっ! そんなおぞましいことを」 夫妻は殊の外真剣だった。  この計画が何らかの形で頓挫した日には、別の復讐を 考えなければならなかったからだ。
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◇出会い系マッチングアプリ 27

27  その日から玲子は子作りをするべく発奮するのだが、対して 夫の匠吾は週末しか相手にしてくれない。  だが妊娠する時はたった一度の夫婦の営みでもするという話も 聞いたことがあり、当初はそんなに焦ってはいなかった。  4か月目に入っても妊娠の兆しはなく、この辺から玲子に焦りが 見え始める。 実は匠吾は軽度ではあるものの不妊と診断を受けていた。 治療次第で子供は授かれるレベルと言われていて、だからこそ 玲子との夫婦生活において、スキンを使わなくてもやり方次第で 妊娠しない方向へもっていけるという根拠があり、家族会議の上での 計画となった。 そんな具合で夫のほうに元々子作りする意志がないものだから 妊娠などするはずもなく、しかし厚顔無恥な玲子も流石にりっぱな家を 買ってもらうために早く妊娠したいなどとは、そこはやはり新婚さん妻で 夫の匠吾には言えなかった。  悶々としていた玲子は、ある日閃いた。 夫と同じ血液型の男を探し、パパになってもらえばいいや、と。  出会い系マッチングアプリで血液型と見た目、学歴などを加味し、 無事? 妊娠し玲子は喜びを噛み締めるのだった。  たまたまこの年からちょうど母子に危険を及ぼす可能性のある羊水からの 採取ではなく母親の血液から簡単にDNA鑑定できるようになっており 天は沙代たちに味方した。  玲子の妊娠7週目を待って玲子にはDNA鑑定であることは伏せ 内臓疾患があると妊娠にリスクが出て来るので検査を受けなさいと 知り合いの病院で血液検査を受けさせた。  念のため匠吾も頬の内側を綿棒で擦るという口腔上皮細胞の採取を行った。 10日後検査結果が簡易書留で送られてきた。 結果は予想通りで匠吾の子ではないと判定が下りたのだった。 正直判定を聞くまで匠吾は内心ドキドキだった。 性交渉をしているからには万が一ということもあったからだ。
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◇妊娠 28

28 玲子は妊娠9週目に入ったところで匠吾と共に沙代洋輔夫妻に 呼びつけられた。 出産まではまだ随分と日があるものの約束通り家と土地の話を されるのだろうと義両親に呼ばれた玲子はウキウキだった。  反して匠吾はこんなクソのような女のために花との未来を奪われたのかと 思うと今更ながらに憤懣やるかたない気持ちになるのだった。  そして、そんな玲子を待っていたのは罵倒と慰謝料請求だった。 リビングに設けてある応接コーナーに若夫婦が座ると 後から義両親が対面に座り話し合いとなった。 「玲子さん、あなたやってくれたわね。あなたのくだらない戯言《ザレゴト》で花ちゃんとうちの匠吾との仲を平気でぶち壊したあなただもの、流石よねぇ~」「えっ……」 話がどこへ向かおうとしているのか分からず固まる玲子だった。「DNA検査って知ってるわよね?」「はい」 DNA検査という単語を出され玲子は焦った。 自分の子は疑われているのだろうかと。 検査を勧められたらどうやって切り抜けようか、などと頭の中は そのことでいっぱいになった。  しかし切り抜け方など焦って考える必要などなかった。「これ、検査報告書見てご覧なさい」 渡された書類を見ると夫の匠吾とは親子関係がほぼ0に近いと 書かれてあるのだ。 だけど何故?   自分はDNA検査などしていない。 夫の匠吾だってそんな検査したことなど聞いてない。  何がなにやら分からぬまま❔マークを顔に貼り付けていると 沙代からフォローが入った。 「この間の病院での血縁検査で分かったのよ。  あなたには黙ってたけど……あれって今年からできた新しい方法での DNA検査だったのよ。 あなた不貞を働き、その上托卵する気だったでしょ。  犯罪よ、これって。 慰謝料300万円請求の上、離婚を要求します。 さっさと離婚しないと慰謝料を500万円に増額するわ」
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◇追い出し成功 29

29 玲子は突然のことに隣の匠吾を振り返った。 匠吾は玲子を一瞥することもなく険しい顔で前方を見ているだけだった。 「あなた、ごめんなさい。  お義母さんから早く孫を生みなさいと言われてプレッシャーだったの。 それで……」 「うちの母親が欲しかったのは俺の子だよ。 誰か顔も知らない他所の男の子を欲しがる人間なんていないだろ。  プレッシャーだなんてどの口が言うんだろう。 リッチな暮らしがしたいばかりに勝手にプレッシャー感じてただけだろ?        2、3日猶予を与えるから出て行って。 お金はご両親に建て替えてもらうか、どこかで借りてでも支払うように」* 玲子はひとり、自宅に返された。 匠吾は玲子が家を出て行くまでは両親の部屋で過ごすことにしていた。 そして玲子の実家へも報告書は送られており、すべからく当初の予定通り 沙代たちの計画は準備万端完了したのだった。  玲子は離婚届を置いて迎えに来た両親に連れられて帰って行った。 部屋に残された緑色の紙を匠吾はビリビリに破き、ゴミ箱に捨てた。 次回何かで戸籍を見るまではその実、結婚歴などなかったことを 玲子が知ることはないだろう。『ご愁傷さっま』と匠吾は呟いた。 玲子が愚かだったため復讐に1年も掛からず済んでしまった。* 沙代と洋輔は玲子から巻き上げた慰謝料300万円を持って 再度の謝罪をするために父の自宅を訪れた。 総帥の茂は言った。 「ご苦労様」と。 匠吾しかり沙代も洋輔も元来今回のように人を貶めたりすることのできない人間でこれでやるべき仕事が終わったかと思うとほっとするのだった。  そしてこの後3人は(祖)父や掛居家から離れた土地へと引っ越しして行った。
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◇自然流産 30

30    良かったのか悪かったのか……ほどなくして、玲子は自然流産してしまった。 玲子は自分の今回の不遇を浅はかなことをしてしまった自分のせいだと考えていて、沙代や匠吾たちの思惑には幸か不幸か気付かなかった。 そして今回だけに留まらず不運がずっと付いて回る可能性があることにも とんと頭が回らなかった。           ◇ ◇ ◇ ◇ 流産のあと、身体が回復すると玲子は近所にあるコンビニで働き出した。 そしてコンビニで働きながら就職活動も開始した。 開始した時期ももうすぐ4月という時期で良かったのかもしれない。 公益財団法人緑の協会というところで契約社員だったからか就職はすぐに決まり、コンビニも申し出てから1か月ちゃんと勤めて辞めることになった。 公園や動物園の受付や案内、イベント運営、施設の広報、ブログ掲載のための記事や画像撮影そして事務一般というのがそこでの割り振られた仕事で、それは何でも屋的で職員の勤怠管理、支払い関連の経理など、座ってする仕事だけでもなく立ち歩いたり座ったりとバランスの良い仕事だった。 5年は長いと感じたが5年契約社員で勤めれば正社員になれるらしいのも魅力のひとつだ。 そんなわけで玲子は『採用が決まりました。来てもらえませんか』との連絡を受け、即座に『ありがとうございます。行きます』と返事をしたのだった。 職場の雰囲気はすごく良かったし、仕事も思っていた通りいろんなことをさせてもらえて楽しく長く続けられそうだと思っていた……のに。 入社して10日ほどして支部長から個室に呼ばれ突然の解雇を言い渡されてしまった。
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