数年前魔族や黄金の旅団はこの世界に飛ばされてきた。数が少ない魔族が反撃に出るのはリスクでしかない。その為魔神は考えた。異世界へと戻る方法を。どれだけ考えても思いつかなかったが、1つの名案が浮かんだ。この世界に存在する天才と呼ばれるに値する人間に、滅びの夢を見せ信じさせる。そうして、その者に異世界へと帰る手段を見つけさせ、元の世界へと帰るもしくは配下を引き連れて戻りこの世界を支配する。そのターゲットとなった僕は簡単に騙されてしまい、知力を駆使して異世界ゲートを創り上げてしまった。全ては魔神の思うがままに。――――――「感謝するぞ。我々では成し得なかった異世界ゲートを創り出したお前は本物の天才だと記憶に刻んでおくとしよう」言い終わるか否か、何処からかデカい両刃の剣を生み出し僕に剣先を向けてくる。「この世界はお前のお陰で滅びの道を歩むだろう。この世界に存在する全ての人類よ、我に従え!さすれば痛みなく死を与えてやろう」拡声器でも持っていたのかと思うほどに大きな声が会場中に広がる。ざわめきが広がると同時に悲鳴も上がった。「いやぁぁ!やめて!」「痛いいいぃ!!」ゲートから無数に出てくる魔物に襲われている記者や各国の著名人。僕はただ眺めることしか出来ない。「いい声で鳴くじゃないか。ではそろそろお前の命も終わりとしよう」一歩踏み出した魔神を止めるかのようにアカリも構える。一触即発の雰囲気の中、僕はアレンさんを会場の何処にいるか目線だけで探す。遠くに居たのを見つけたが、高位魔族に阻まれてこちらに来ることができなそうだ。いやまだ居る。フェリスさんと春斗が僕の護衛になっていた。春斗は見当たらずフェリスさんを探すと、魔神の後ろにレイピアを構えてアカリと挟む形で陣取っていた。「雑魚が群れようと、我に傷をつけることは叶わぬ!」大剣を振るうとその剣圧でアカリとフェリスさんは吹き飛んだ。「ぐっ!!」4m程度離れただけだ
Terakhir Diperbarui : 2025-02-12 Baca selengkapnya