Semua Bab もしもあの日に戻れたのなら: Bab 41 - Bab 50

55 Bab

命の対価⑧

数年前魔族や黄金の旅団はこの世界に飛ばされてきた。数が少ない魔族が反撃に出るのはリスクでしかない。その為魔神は考えた。異世界へと戻る方法を。どれだけ考えても思いつかなかったが、1つの名案が浮かんだ。この世界に存在する天才と呼ばれるに値する人間に、滅びの夢を見せ信じさせる。そうして、その者に異世界へと帰る手段を見つけさせ、元の世界へと帰るもしくは配下を引き連れて戻りこの世界を支配する。そのターゲットとなった僕は簡単に騙されてしまい、知力を駆使して異世界ゲートを創り上げてしまった。全ては魔神の思うがままに。――――――「感謝するぞ。我々では成し得なかった異世界ゲートを創り出したお前は本物の天才だと記憶に刻んでおくとしよう」言い終わるか否か、何処からかデカい両刃の剣を生み出し僕に剣先を向けてくる。「この世界はお前のお陰で滅びの道を歩むだろう。この世界に存在する全ての人類よ、我に従え!さすれば痛みなく死を与えてやろう」拡声器でも持っていたのかと思うほどに大きな声が会場中に広がる。ざわめきが広がると同時に悲鳴も上がった。「いやぁぁ!やめて!」「痛いいいぃ!!」ゲートから無数に出てくる魔物に襲われている記者や各国の著名人。僕はただ眺めることしか出来ない。「いい声で鳴くじゃないか。ではそろそろお前の命も終わりとしよう」一歩踏み出した魔神を止めるかのようにアカリも構える。一触即発の雰囲気の中、僕はアレンさんを会場の何処にいるか目線だけで探す。遠くに居たのを見つけたが、高位魔族に阻まれてこちらに来ることができなそうだ。いやまだ居る。フェリスさんと春斗が僕の護衛になっていた。春斗は見当たらずフェリスさんを探すと、魔神の後ろにレイピアを構えてアカリと挟む形で陣取っていた。「雑魚が群れようと、我に傷をつけることは叶わぬ!」大剣を振るうとその剣圧でアカリとフェリスさんは吹き飛んだ。「ぐっ!!」4m程度離れただけだ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-12
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命の対価⑨

見たくなかった光景に目を背けたくなったが、身体は金縛りのように動かない。春斗の腹に突き刺さった剣の先端は背中から生えていた。血飛沫をまき散らしながら、春斗の身体はくの字に曲がる。「う、うぐぅ……くそ……が……」うめき声をあげながらぐったりとする春斗を見て僕は叫んでしまった。「は、春斗ぉぉ!!」声が聞こえたのか春斗はゆっくりとこちらを振り向きながら小さな声で呟く。「に、逃げろ……俺がこいつを止めてる間……に……」春斗は自らの剣を手放し身体に突き刺さる大剣を両手で掴んでいる。足元には血溜まりが少しずつ広がっていき、傷の深さが伺える。「チッ、さっさと離せ雑魚が」突き刺さる大剣を引き抜きたいが春斗が抑えているせいで抜けずに魔神は苛立ちを見せる。「い……今のうちに……早く……行けカナタ……」息も絶え絶えにそれでも僕の身を案じてくれている。涙は止まらず、動くことも出来ない僕を見たフェリスからも喝が飛んでくる。「行きなさい!カナタくん!アカリ!担いででも逃げなさい!その人は死なせてはならない!」それを聞いたアカリは素早く刀を仕舞い細い腕で僕を担ぎあげる。「やめろ!!やめてくれ!!春斗がッ、春斗が!」そんな声も虚しく、担がれた僕は魔神から遠ざかっていく。「アカリ!ここは任せろ。ボク達がなんとかする、君達は安全が確保できる場所へ!後で落ち合おう」「団長も無事で会えることを祈ってる」アカリはアレンさんとそれだけ言葉を交わすと大きく跳躍し、瓦解した壁の隙間から外へと飛び出した。「待ってくれアカリ!皆がまだ中に!」「諦めて。私の任務は貴方を無事に守ること。誰よりも優先すべき対象」アカリの足は止まらない。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-12
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命の対価⑩

数十分にも渡る戦いが繰り広げられていたが、アレンは判断を下す。「黄金の旅団全員に告げる!この場から撤退せよ!これ以上の戦闘は無意味だ!次の手を打つために一度引くぞ!」その言葉を合図に団員達は戦闘を即座に止め撤退の準備に取り掛かる。レイは舞台袖に隠れていた茜と五木を見つけ共に脱出することを提案した。「貴方達はカナタくんのお知り合いですね?」「は、はい。えっと貴方は……?」「自己紹介は後です。私の後に付いてきて下さい」五木と茜は何が何やら分からなかったがとにかくこの場を離れられるのであればと、レイの後ろを着いていく。それを見たのか数人の無事だった記者や著名人らも後ろから着いてきていた。軍人は全滅していたようで、軍服を着た者が着いてくることはなかった。「団長、無事な人達はここに集めました」「よし、脱出するぞ。剣聖!やってくれ!」アレンが合図を送ると舞台の上で戦っていた剣聖は頷く。「さあここにいる皆は良いと言うまで目を瞑って!早く!」言われた通り全員目を瞑ると、舞台上から声が聞こえてきた。「放て!我が聖剣!エクスカリバー!!!」目を瞑っていても分かる程の眩い光が会場内を照らす。魔族や魔物は目を開けていたようで、所々からうめき声が聞こえてくる。「くそが!!剣聖!覚えていろ!必ずカナタを殺しお前も殺す!!今だけは仮初めの平和を楽しむがいい!これからこの世界で殺戮ショーが始まるぞ!」不穏な言葉が聞こえるが、全て無視して脱出へと動き出す。「全員目を開けて!走って!!出来るだけ私達から離れないように!」味方と思われる方々に必死で着いていくよう一般人は足を動かす。恐怖で上手く走れないが皆同じ条件だ。テキパキと動くのは彼らのような戦える者達だけだろう。 ――――――20分は走り続けただろうか。逃げ出した集団は閑静な住宅街に佇む一際大きな屋敷に到着した。彼らの拠点のようで、一時
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-13
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命の対価⑪

「それで、ハルトとゼンは死亡。剣聖は行方不明、カナタくんとアカリは無事だが何処かは分からない、ってことだね」辺りは暗く夜となっていたが安全な場所まではまだ距離がある為、彼らは歩き続けていた。アレンを先頭にし、殿はレイが努めている。フェリスはアレンに事の詳細を説明していた。「はい、残念ながらハルトとゼンは助けられませんでした……」「仕方がない……ボクらは常に死が身近にある世界で生きてきた。この世界に数年いて平和ボケしていたのかも知れないね……」「ですが、カナタくんは無事にあの場から逃げ出せたと思います」「それが分かるだけでも本当に良かったよ。とにかくこれから忙しくなる。この世界に魔族が解き放たれたからね……」アレンも今後の事を考えていたが、あの場にいたこの世界での戦力と言える軍。それがあっという間に全滅させられた所を見ており、この世界の戦力では魔物一匹にすら苦戦するだろうことは分かり切っていた。黄金の旅団は団員が減り、剣聖も行方不明。戦力は大幅に落ちており、今のままでは異世界ゲートを取り返す事すらままならない。「とりあえず、一度腰を据えて今後の事を話し合う必要があるかな」保護した一般人もいる。彼らを守りつつゲートも取り返さなければいけない。カナタを見つけ、剣聖も探さなければいけない。やる事が多すぎて何から手を付けるべきかアレンは頭を抱えていた。――――――「ここは?」着いて来た一般人が不安そうに零す。歩き続けてやっと到着した場所は、廃工場だった。工場を囲うフェンスは錆でボロボロ、いくつかの建物は崩れかけ今にも朽ちてしまいそうだった。「ここの地下にボクらの本当の拠点がある。あくまで宿り木は表向きの拠点だからね」アレンとレイ以外はこの場所を知らなかったようで、少しざわめきが広がった。「ここはボクとレイで見つけたんだ。そして最初に出会ったこの世
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-13
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命の対価⑫

「ふーん、なるほどな研究所が襲われて命からがらここに逃げてきたと」「まあ助けられなかった人達のほうが多いけどね」「んなこたぁどうでもいい。これからが大変だろうが」そんな話をしている折、我慢できなくなったのか一人の男が叫び始めた。「一体君達は何者なんだ!!それにあの異形の生物は!あの彼方という青年は何処に行った!」皆の視線がその男に向けられる。「あ?何だお前。先に名乗れ」「私は国家安全保障局の者だ。あの惨劇の説明を求めている!」国に関わる重要な方のようで、国に説明を求められた際なんと言えばいいか分からず理解できるように説明してくれ、との事。「そうだね、まずは説明の必要があるか。ボクらの事もあるしね」そこからは1時間ほど掛けて、一般人に理解できるような説明が行われた。魔法や異世界、科学では説明できない事象は実際に目の前で見せてくれた為信じるしかなくなってしまった。その中心に居たのが、彼方だったらしく今は最優先で保護しなければならないとのことだ。「協力はしてやるが、正直なところたったこれだけの人数で異世界ゲートを取り返せるのか?」「ま、待て!我々にも戦えというのか!?」「うるせぇやつだなお前は。俺の仕事は武器商人。この世界の武器ならどんなものでも揃えてみせるぜ」見た目通りの職業だったが、今はとても頼もしく見える。「しかし、あの化け物どもは軍人すら相手にならなかったぞ?」また別の者から、意見が飛んでくる。「うるせぇなぁ、やるかやらないか。さっさと決めろ。死にたくなけりゃ戦え。嫌なら死ね」この紅蓮という男は口が悪くそれがまた人を苛つかせる。「人が死んでいるんだぞ!!」「協力的な態度を示したらどうだ!!」紅蓮と記者や国の関係者が言い合いになってしまい、収集がつかなくなってくる。「茜くん、君はどうするんだい?」五木は騒いでる連中を無視して、近くにいた彼女に話し掛けた。「そうですね……戦うなんて平和な日
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-14
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命の対価⑬

「あー!うるせぇ!てめぇら死にたいのか?次俺に舐めた口聞いたら殺すぞ?」突如響き渡る怒号。善人とは思えない言葉に、皆が紅蓮と言い合っていた連中の方を向く。「な!貴様!誰に向かって!」最後まで言うが早いか、自称国家安全保障局の男はぶん殴られた。「次は撃ち殺すぞ」紅蓮は腰に装着されている拳銃に手を掛け、殴り倒された男の耳元で脅す。「わ、分かった。大人しくしておくから……う、撃たないでくれっ……」「はいはい、皆落ち着いて」緊迫した空気の中、アレンがニコニコした顔で手を数回叩く。「アレン、お前も笑ってないでこいつらなんとかしてくれ」「そうだね、あー一般人の方々これを見て下さい」ポケットから携帯を出すと、動画投稿サイトを皆に見せた。そこには世界中で猛威を奮う異形の生物達が映っていた。動画の中には悲鳴や怒号、銃声やガラスの割れる音も入っている。目を背けたくなる瞬間も写っており、皆の顔は曇る。「今世界ではこんな悲劇が起きています。ここに逃げ込めてよかったでしょ?」アレンが携帯をしまいながら皆に優しく微笑むと、命が助かったのは彼らのお陰と認識したのか全員落ち着きを取り戻していた。「まあお前らは運が良かったって事だ。ここには食料もたんまりあるからな。俺が隠れ家にしていた所なんだ。耐震性もバッチリだぜ?」一時的に仮拠点として、廃工場の地下を使うこととなり今後の活動を夜遅くまで話し合うことなった。 ――――――「これ、水」憔悴した僕の前に何処からか手に入れてきた水を渡してくれるアカリ。逃してくれたこと、ここ数日世話をしてくれることに感謝しかないが、春斗の最後が脳裏に焼き付きうまく笑えない。「あ……ありがとう……」あれから皆はどうなったのだろうか……それに姉さんは無事なのか。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-14
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滅びゆく世界で①

彼方の晴れ舞台を見るために紫音は自宅のテレビで中継を見ていた。「あー!出てるー!すごいすごい!」自分の事のように喜びながら、画面を注視する。生中継も終盤に差し掛かる頃何やらおかしな雰囲気になってきた。異世界ゲートが起動し一人の男が入っていってから戻ってこないのだ。会場はざわついているようで、舞台上にいる彼方も何やら動揺しているように見える。嫌な予感がする……彼方は大丈夫と言っていたが、数十分も戻ってこないなんて流石に予定通りではなさそうだ。紫音の手は汗で濡れ、テレビから一瞬たりとも目を離せなくなってきた。最初の説明をぼんやりと聞いていたが、確か10分しか稼働させることはできなかったのではないのか?不安は募り、今にもその場に行きたい衝動に駆られた。そして事件は起こる。血塗れの男がゲートから出てきたのだ。明らかに台本通りではない、もしこれが台本通りならば顰蹙《ひんしゅく》ものだ。彼方も不安そうな表情で狼狽えている。その後画面は乱れだしたが、撮影者の意地なのか映像は続く。見たこともない異形の化け物がゲートから出てきた。「なんなんだよあれ!」「これドッキリか?」撮影者たちの声も入っているが、紫音も同じ気持ちで画面を見続ける。ドッキリであってくれと。しかしその願いは叶わなかった。ゲートから出てきた異形の化け物は観覧席へと降り立ち、人々を襲い始めたではないか。カメラを投げ捨てたらしく、酷く画面は揺れ運良く地面に落ちたのか上手く舞台が映る形で撮影され続けている。「彼方……大丈夫って言ったじゃない……」悲壮な声も虚しく、異形が人々を襲い続ける映像はつづいていく。見てられずテレビを切ろうとしたが、舞台上に見たこともない男が現れた。「この世界はお前のお陰で滅びの道を歩むだろう。この世界に存在する全ての人類よ、我に従え!さすれば痛みな
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-15
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滅びゆく世界で②

意を決して、外に出ようとすると屋根の上からスピーカーから発せられる声が聞こえてくる。ヘリコプターの音も同時に大きくなってきた。「住人の皆さん、家からは決して出ないでください!繰り返します!家からは決して出ないでください!」軍の人だろうか?どうやらヘリコプターで空から注意喚起しているみたいであった。なぜ家から出ることを拒むのか分からず紫音は玄関先で耳を澄ましていると徐々に外が騒がしくなってきた。「おい!なんか化け物出たらしいぞ!」「さっきの中継本物か!?」「人が死んでたじゃない!あれCGじゃないの?」近所の人達の話し声がする。やはり皆あの中継を見ていたようだ。するとまた空から声が聞こえてきた。「家から出ないで下さい!危険です!テロの危険性がある為家からは出ないで下さい!」テロだって?あんなものテロなんかじゃ説明がつかないではないか。あの化け物は本当に異世界とやらからやって来てしまったのでは……そんな思いもつゆ知らず、空からはずっと注意喚起の声が聞こえ続ける。次第に口調も荒くなってきている。「繰り返す!家からは出るな!これは訓練ではない!!鍵を閉めカーテンを閉じろ!!繰り返す!!――」言われた通りに行動し、リビングでどうするか悩んでいると今度は小さく叫び声まで聞こえてきた。「う……!出た…………逃げ……!!」遠いのか聞こえづらい。しかし、逃げ、と聞こえた気もする。怖くなり包丁を握りしめ縮こまり、何事もないよう祈り目を瞑る。次第に声は数軒隣辺りから聞こえてきだした。「いやぁぁ!!!」「な、なんだよこいつ!!」「化け物!!誰か!!誰か助けて!!」あの中継で見た異形の化け物が瞼の裏に焼き付いている。もしやあれがこの近くにも現れたのか。包丁を握る手は
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-15
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滅びゆく世界で③

紫音は絶句した。視界に広がるのは燃えた家屋、そこかしこに倒れている人や血溜まり。目を覆いたくなるほどに凄惨な光景。紫音はゆっくりと足を進め、目的も決めず彷徨い出した。どこを見ても倒れた人だらけ。ピクリとも動かないそれは、生きてはいないだろう。当てもなく歩き続けていると、前方から人らしきシルエットが近付いて来た。やっと生きている人に会える喜びからか、警戒もせず紫音も近付いて行く。「ん?なぜこんな所にまだ人間がいるんだ」言葉を発したそれは人でない何か。言葉は分かるし見た目も人間。違うのは背中に翼が生えていることと頭から角が2本出ていることだ。「…………!!」驚きからか、紫音は口をパクパクさせて声が出ない。「まだ生きている者がいたとは……仕方ないオレが処理しておくか」ゆっくり近づいてくる。死を覚悟し目を瞑っていると、いつまで経っても側に来た気配がない。紫音が恐る恐る目を開けると人型の異形は既に事切れていた。魔族が紫音の元まで来ることは出来なかった。首が胴体と離れ地面に倒れ込んでいる。紫音は何が起きたか分からず、倒れ込んだ魔族を見て呆然とする。「こんな所で何をしている」不意に声をかけられ紫音が顔を上げると、そこには中継で見た男が剣を片手に立っていた。「あ、貴方は……」舞台の上で春斗を殺した男と対峙していた金髪の男だった。紫音は瞬時に考えた。あの場に居たということは彼方の行方を知っている可能性がある。「あの!彼方を知りませんか!」名前も知らない金髪の男に問う。すると男は困ったような表情で答えた。「すまない……私も分からないんだ。それに仲間も何処に行ったか分からず探しているところだ」「そう…&hellip
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-16
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滅びゆく世界で④

それから二人で歩きながら今までの話を教えてくれた。魔法に異世界、彼方が中心となり彼らを帰すために協力していたこと、彼らの使う魔法を彼方も使えるようになったこと。半信半疑な話ではあったが、現状信じざるを得ない光景を目にしている為すぐに飲み込めた。 「じゃああれは事故……というよりその魔神って人が起こした計画的犯行ってことですか?」「そうなるな。カナタくんは魔神の思うように操られたと言ってもいいだろう。彼は被害者に過ぎない」世間では諸悪の根源とも言われているが気にしないでいいと、優しく寄り添うように語ってくれた。 「しかし……多分彼は今罪悪感に押し潰されているだろう……」「実際にあのゲートを作ってしまった本人ですもんね」「だからこそ姉である君が寄り添う必要がある。彼の心の支えとなってやってくれ。もしも君が拒絶すれば彼は確実に我々と共に異世界へ着いてくるぞ」「分かりました。ありがとうございます」異世界には興味がある紫音だったがあんな化け物が闊歩しているなら行きたくはないなと思っていた。ただし、彼方が行くと言うのなら嫌々ながらも着いていくつもりであった。 「そう言えば漣さんって、そのなんていうか……強い人なんですか?」とても抽象的な言い方に漣も戸惑いながら答えてくれる。 「強い人……というのが良く分からないが今この世界にいる仲間の中で私は二番目に強い」 想像以上の強さに紫音は驚いた。彷徨っていたところにこの人と出会えて運が良かったかもしれないと自身の幸運さに感謝した。   そんなどうでもいいような話をしながら歩いていると、ふと漣の足が止まった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-02-17
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