「団長、アカリちゃんとカナタさん無事ですかね……?」小さく幼い声でアレンに問い掛けたのは団員の1人、セラ・マクレーン。アカリと同じく20歳という若さで二つ名を得た、黄金の旅団に相応しいメンバーである。「そうだね、二人共無事だと思うよ。何しろあの神速が護衛なんだから。友達ならもっと信じてあげよう」アレンは優しく微笑み返し、セラも頷く。セラにとっては唯一の同い歳。最年少の団員は他にもいるが、いつ何処へ行くにも一緒だったアカリの事が心配でならないのだろう。不安そうな顔を見せるが、アレンが頭を撫でてあげると照れた表情を見せてすぐに怒った表情になった。「もー!私ももう20歳なんですよ!団長は子供扱いしすぎです!」「ははは、ごめんよ。妹みたいな存在だからねセラは」身長も低く、礼儀も正しい。それに可愛らしいキャラであり、団員からは可愛がられていた。そんな彼女ももちろん黄金の旅団にいる以上は、かなり上位の能力を持つ。絶対防御。彼女の幼い見た目からは想像がつかない二つ名だが、力は本物だった。彼女の防御結界は誰にも破られない。これはアレンにも適用する。殲滅王と呼ばれる彼ですら一度も破れたことが無いほどの防御力を誇る彼女は次第に絶対防御と呼ばれるようになった。しかし、そんな彼女にも欠点はある。 戦闘能力が低いことだ。防御に特化している為、攻撃手段は乏しい。もちろん一般人相手なら簡単に勝てるだろうが、魔法を使える能力者との戦闘では勝てない程度の戦闘能力。今回の探索メンバーに入れたのは、圧倒的な防御力を活かした支援をしてもらう為。それにアレンは彼女がアカリの唯一の友達だと知っていたので、今回の探索に参加してもらった。「旦那、俺も探索メンバーに入れてもらって感謝します」そう言って横から声を掛けてくるのは、ゼンの兄貴分だったガイラ・ビクトール。轟龍の二つ名を持つ力こそ全て、の戦い方を好む男だ。
Last Updated : 2025-02-18 Read more