歳を重ねるごとに、弟の横暴はエスカレートしていった。母さんからの溺愛が、彼を同年代の子よりも早く、そして残酷に大人にしてしまったのだ。まさか、私を学校でいじめる加害者が、血の繋がった弟だなんて、想像もしていなかった。弟は私の入浴シーンを盗撮し、その全裸の写真を、学校中にばらまいた。私の、最もプライベートな部分が、無防備に晒された。その写真が、まるで戦利品のように、生徒や教師たちの手に渡っていくのを、私はただ見ていることしかできなかった。学校中が、私を嘲笑うささやきで満ちていた。「ねえ、見た?あの写真」「あんな小さいのに、もう......結構、すごいね」「真面目でおとなしい子だと思ってたのに、実は......そうだったんだ」誰もが私を、汚れたゴミを見るような嫌悪の目で見てくる。その視線は、まるで刃物のように、私の心を切り刻んでいった。ある日、弟とその手下どもに校舎の隅に追い詰められた。髪を掴まれ、殴られ、蹴飛ばされる。傍観する生徒たちは、まるで幽霊のように消え失せ、誰も助けの手を差し伸べようとはしなかった。彼らの、冷たく、無関心な視線は、泥のように踏みにじられる私を、ただ眺めているだけだった。いじめは、ゼロ回か、無限回かのどちらかだ。母さんに、その事が伝わった。怒りに満ちた母が学校に駆けつけてきた。私は、母が真実を明らかにし、事態を解決してくれる、せめて慰めてくれると信じていた。だが、母さんは何もしてくれなかった。すべての責任を、私へと押しつけたのだ。母さんは、私の耳を掴み、髪を引っ張り、校舎から校門まで、人々の視線の中、私を引きずり回した。「あんたったら、一体何を考えているの!こんな小さい頃から、だらしない!誰に媚びを売ろうとしてるの!勉強もせず、いつもそんな恰好して!あんたみたいな子供を産んでしまった私が悪いのか!」耳鳴りがして、頭がクラクラした。弟の、得意げな嘲笑が、耳元でこだまする。母さんの言葉は、矢のように、私の心を突き刺した。母さんは、弟の悪意を知っていながら、見て見ぬふりをした。家族からの裏切り、その痛みは、いじめよりもはるかに深く、私の心を凍らせた。その時、私は初めて、絶望という名の奈落の底を味わったのだ。愛されていないわけではない。ただ、母さんの愛は、常に
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