街はだんだんとお正月ムードに包まれ、実家に帰る時期が近づいてきた。早めに航空券を予約していたものの、仕事でギリギリになり、危うく遅れるところだった。空港に到着すると、私は仕事の電話をしながら荷物を預け、搭乗の準備を進めていた。すると、検査機がピーピーと警告音を鳴らし始めた。「お客様、荷物を確認させていただいてもよろしいですか?」「どうぞ、禁止物は入っていないはずですが、できるだけ急ぎでお願いします」「また心美ちゃんか?会う時って、いつも何か特別なことが起きるね」そう言いながら、どこか懐かしい声が聞こえてきた。驚いて振り返ると、そこには笑顔でえくぼを浮かべている春介が立っていた。「わからないわ、もしかして荷物の預け入れに問題があったのかも…」「え…変ね…特に変わったものは入ってないはずだけど…」その瞬間、全身がゾクっとした。いや、何も変わったものはない、会社の展示用サンプルとして入れた女性用アダルトグッズ以外は!仕事のためにいくつかサンプルを持ってきただけなのに…!もうその時、係員が私のスーツケースを開けていた。
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