病院の屋上で。 少しずつ気持ちが落ち着いていく。 春介が私の手を握っているが、わずかに震えていた。 私はその手に目をやり、春介は少し照れくさそうにしていた。 「変だな。さっき手術中では手が全然震えなかったのに、今になって少し抑えきれなくなってきた。きっと感動しすぎたんだ」 「心美ちゃんのおかげで、ようやくまたメスを握ることができたんだ」 「心美、ありがとう」 春介は私を見つめ、透き通った笑顔を浮かべた。まるで星がその瞳に溶け込んでいるようだった。 私は両手で彼の手をしっかりと握り返した。 「違うよ、春介。私のおかげじゃない」 「今回の成功は、この何年もずっと諦めずに、繰り返し練習してきたからこそ。病気を治し、人を救うことを夢に掲げてきたからこそよ」 「春介の成功も、キャリアも、人生も、私のためじゃなく、自身がより良い自分になるためのもの」 「だからこそ、私たちもより良い関係を築けるの」 光の中、私たちは手を取り合っていた。 互いに繋がりながらも、それぞれが輝いている。 愛はとても大切なこと。人によっては最も大事なことかもしれない。 でも、愛だけが人生のすべての意味じゃない。 私はそのことを理解するまでに七年かかった。 これが私の「恋愛バカの成長プロジェクト」よ。
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