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第14話

見合いに時間を費やすのは本当に無駄だ。

年明け前、短い動画やライブ配信が流行しているのを見て、今こそ愛光のオンライン相談とライブ配信の事業を拡大するチャンスだと思った。

オンライン会議で、新しいインセンティブプランと具体的な実行計画を提示し、新しいオンライン部門が立ち上がった。

すべてが計画通りに進み、各部門が協力することで、会社の売り上げも目に見えて伸びてきた。

社員の収入も増えていき、私も全体を管理しつつ、必要なところでサポートに回り、毎日忙しく駆け回っていた。

その日は心理カウンセラーの資格を持つ私がサポートとしてオンライン相談に応じることになり、打ち込みがあまり得意でないおばさんが連絡をくれた。

彼女は慌てて自分の状況を伝え、私は彼女の気持ちを落ち着かせながら、音声入力を教え、彼女はようやく長文のメッセージを送ってくれた。

大まかな話は、退職したおばさんが一生添い遂げた夫と離婚したいというものだった。

生活面での些細な摩擦や夫婦生活の不調、長年積もりに積もった我慢の数々…

彼女は若い頃に周りの目を気にして離婚を思いとどまり、子供が生まれればそのために、また受験があるからと先延ばしにしてきた。

そんなこんなで気づけば、髪は白髪まじり、人生でやりたいと思ったことを何一つしていないことに気づいたという。

心理カウンセリングではお客様の代わりに選択をすることはできない。

私たちはただ、彼らが自分の心と向き合えるよう導き、選択の結果についても考えられるようサポートするだけだ。

でも、彼女の話にどこか母の面影がよぎり、私は例外として彼女に自分の連絡先を教えた。

それからも連絡を取り合ううち、深く考えた末、彼女は裁判所に離婚を申請したと言ってきた。

結果を待つ間、彼女は見違えるように解放されたようだった。

彼女は自分の貯金でキャンピングカーを買い、自分の人生で行きたい場所に出かけると言う。

出発前に一度会いたいと誘われ、私は彼女と約束した。
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