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第0242話

同じ頃、輝明は高杉グループのオフィスで、スマホをデスクに叩きつけ、森下に怒りをぶつけていた。「このニュース、一体誰が漏らしたんだ?」

「すぐに調べます!」森下は慌ててその場を離れようとした。

「待て!」輝明はすぐに彼を呼び止めた。

森下はすぐに足を止め、輝明に向き直った。

突然飛び込んできたニュースに混乱し、その整った顔立ちは焦りと苛立ちで引きつっていた。

輝明は指を指しながら何かを言おうとしたが、言葉が出てこなかった。

普段なら、輝明の意図をすぐに察する森下も、この時ばかりは彼の考えを読み取ることができなかった。

その時、デスクのスマホが鳴り響いた。それは美香からの電話だった。

輝明は顔色が変わり、眉をひそめながら森下に向かって「まずは、このリーク元を突き止めろ」と疲れた声で指示を出した。

森下は頷き、その場を後にした。

輝明は一呼吸おいてから、スマホを手に取り、意を決して通話ボタンを押した。

「輝明、今すぐ家に戻りなさい!」美香の厳しい声が響き、彼は一瞬の迷いもなく動き出した。

輝明は西装のジャケットを手に取り、大股でオフィスを後にした。

車に乗り込む前に、急いでSNSを確認した。そこには彼と綿の離婚に関するニュースが溢れていた。

だが、それ以上に衝撃的だったのは、嬌との過去3年間の関係がすべて暴露されていたことだった。

嬌が投稿したSNSの匂わせ写真がすべて、彼との関係を示す証拠として浮上していた。

偽の雪蓮草を贈った一件が、今度は彼女が「愛人」として炎上する結果となっていた。

輝明は車のドアを開け、スマホを助手席に投げ入れた。

ネット上では、雪蓮草の事件から始まり、今では嬌への非難が殺到していた。まるで計画されたかのような一連の出来事だった。

頭の中には、ふと綿の顔が浮かんだ。

まさか、綿が?

嬌をここまで追い詰めることができる人物がいるとすれば、それは綿しかいない。

彼女はずっと、仕掛けるタイミングを狙っていたのか?

綿が離婚を決意してから、すべてが計画通りに進んでいるのか?

輝明はハンドルを握りしめ、頭の中は混乱でいっぱいだった。

急いで家に帰ると、高杉家の別荘は重々しい空気に包まれていた。

リビングに入ると、ソファに座っている美香が目に入った。

秀美が隣で彼女を支えており、普段あまり顔を出さない俊安
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