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第0048話

嬌は999号室のドアを開けたが、中には誰もいなかった。

ボディガードが小声で尋ねた。「お嬢様、このM様は本当に信頼できるのですか?」

「もちろん信頼できるわ!」ボディガードを睨んだ。

これは雪蓮草を見つけてくれるM様よ。信頼できないなんて言ったら、嬌は最初に怒るよ。

ソファに座り、スマホを取り出して、満面の笑みで明くんにメッセージを送った。

【明くん、もう雪蓮草を探さなくていいわ。私の方で見つかったから!】

そう言って、スマホを閉じ、期待に胸を膨らませた。

時間が8時に近づくと、嬌は立ち上がり、いつでもM様を迎える準備をしていた。

M様は普段あまり姿を見せないので、この方に会えることが彼女にとって大きな喜びだった。

嬌は笑顔を浮かべながら、部屋の中を行ったり来たりしていた。

しかし、時間が経つにつれて、8時半になってもM様の姿は見えなかった。

「お嬢様、M様はまだ来ていないのですか?」ボディガードが外から入ってきて尋ねた。

嬌は唇を噛みしめ、不安を感じた。それでも、彼女は「多分忙しいのね。もう少し待つわ」と言った。

ボディガードはうなずいて外に出た。

嬌はスマホを取り出し、部下が送ってきたリンクにアクセスした。

リンクを開くと、M様とのチャット画面が表示された。

嬌はメッセージを送った。「M様、出発しましたか?」

「闇バーの999号室でお待ちしていますよ」

「忙しいなら急がなくてもいいです。待てますから!」

メッセージを送った後、嬌は不安に駆られた。

今夜、どうか雪蓮草が手に入りますように。

隣の部屋では、綿がソファに座り、Lからのメッセージを見て冷笑を浮かべた。

綿は返信した。「渋滞に巻き込まれているので、あと20分くらいかかる」

その人もすぐに返信してきた。「急がなくて大丈夫です!いつでもお待ちしています!」

綿は返信をやめ、スマホゲームをやり始めた。

嬌は部屋の中を行ったり来たりしていた。

20分が過ぎてもM様の姿は見えなかったが、もう一度尋ねるのが恥ずかしくて、ただ黙って待つしかなかった。

時間が少しづつ過ぎ、9時半になったとき、ボディガードは我慢できなかった。

「お嬢様、まだその方は来ていないのですか?」

嬌はスマホを握りしめ、眉をひそめた。時間の感覚がなさすぎるのでは?

約束の時間からすでに1時
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