共有

第0049話

嬌は怒り心頭に発した。

夕方8時から12時半まで待っていたが、突然来ないと言い出した。まるでからかっているかのようだった。

彼女は陸川嬌だ。陸川家の令嬢だ。

いつも他人を待たせる立場なのに、なぜ待たされなければならないのか?

彼女は怒り、スマホを手に取ってメッセージを送ろうとしたが、その前にまたメッセージが届いた。

「本当に申し訳ありません。明日昼間に再度お約束しましょう」

嬌は目を細めた。また?

「明日も今日みたいに来ないんじゃないでしょうね?本当に怒っていますよ」

M「もちろんそんなことないですよ。今日は本当に申し訳ありませんでした。明日、直接雪蓮草を持参します。もし今日のことで不快にさせてしまったなら、無理にお会いしなくても結構です。お時間を無駄にしたくありませんから」

嬌は眉をひそめた、「直接雪蓮草を持参します」という言葉に引かれた。

彼女は雪蓮草が欲しくてたまらなかった。

L「わかりました。明日正午にまたここで会いましょう!」

この人にもう一度チャンスを与えることにした。もし明日また待たされたら、横滨中をひっくり返してでも、こいつを見つけ出し、海に投げ込んでサメの餌にしてやるつもりだ。

嬌は立ち上がり、個室を出た。

個室を出ると、綿も同時に出てきた。棒付きキャンディを口にし、目に冷笑が浮かんでいた。

「おや、陸川さん。お疲れさま。終わったの?」綿は嬌の個室の中を覗こうとした。

嬌はすぐに個室のドアを閉めた。顔は怒りで赤く染まっていたが、綿の前ではそれを隠さなければならなかった。

「終わったわよ!」と髪を整えながら言った。

「M様に会えたの?」綿は笑顔で尋ね、無邪気に「私も会いたいなぁ」とバカげた態度を見せた。

嬌は綿を押しのけ、個室に入れさせなかった。

綿にM様に会えなかったこと、五時間も待たされたことを知られたくなかった。絶対に笑われるに違いなかった。そんな恥をかかせるわけにはいかなかった。

「もちろん会えたわよ!M様はもう帰ったけどね」と嬌は自慢げに言った。

綿は口を尖らせ、少し残念そうに言った。「そうなんだ。残念ね」

「何が残念よ?M様に会えるなんて、誰でもできることじゃないのよ!」嬌は自信満々に言い、外に向かった。

綿は彼女と並び、興味津々で尋ねた。「陸川さん、M様って男の人なの?それとも女の人?」

ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status