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第8話

彼は私の姿を見て信じられないといった様子で足を止めた。

私は咄嗟に顔を覆った。

私はもう、翔太に顔向けできない。

翔太はしばらく呆然としていたが、すぐに駆け寄り自分の服を私にかけてくれた。

「翔太、あなた、この村の結婚式がいつもこんな風にブライズメイドをいじめるの、知ってたの?」

私は苦笑いしながら、翔太の胸に顔を埋め、問いかけた。

翔太は肩を少し引き、私との距離を取り始めた。

「桜子、君は賢いから逃げられると思っていたよ」

翔太の口調には、感情が感じられなかった。

私は助手を呼び、翔太に抱えられながら車に乗り込んだ。

助手は心配そうな顔で私を見つめ、「桜子さん、警察に行って証拠を記録しましょう。このままじゃ許せませんよ!」と言った。

しかし、翔太は助手の言葉を遮り、私を見つめた。その目はどこか冷たかった。

「桜子。今警察に行けば、俺も巻き込まれる」

「もし俺が捕まったら、母さんはきっとあの写真をネットにばらまく。君はそれで誰かに受け入れてもらえると思うか?」

私は呆然とし、翔太の方を見た。

翔太は少し柔らかい口調で、私をなだめようとした。

「桜子、俺は君を嫌いにはならないよ。今日のことはなかったことにしよう。誰にも知られることはない」

「君、子供が欲しいってずっと言ってたよな?家に帰ったら、作ろう。いいか?」

「でも……」

助手が何か言い返そうとしたが、私はそれを遮った。

「家に帰りましょう」

私は両親に恥をかかせたくなかった。

しかし、その日を境に、翔太の態度で彼が私を騙していたことを思い知らされた。

その日彼は私に嫌悪を示し始めた。

それ以来、私たちは一緒に寝ることはなかった。彼が早く帰宅した日でさえ、私がシャワーを浴びた後、浴室の蒸気が完全に消えるまで待ってからしか入らなかった。

彼は私を汚いと思っていた。私の体に触れた水滴さえも嫌っていた。

ある日、彼は適当に私を抱きしめてこう言った。

「数日後から俺は海外出張へいく。そのあとはもう待たなくていい」

「待たなくていい」という言葉の意味を、私はすぐに理解した。

つまり、彼が帰国しても、もう待つ必要はないということだ。

案の定、彼は帰国後市内に新しいマンションを買い、黙ってそこに住み始めた。

私たちは暗黙のうちに別れ、私は翔太に離婚協議書を何度も送っ
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