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第311話

こんな男、早く離れた方がいい。里香にちゃんと話して説得するのは、外の問題が片付いてからだ。

別荘を出て玄関に立った瞬間、あの車がまたこちらに向かって突っ込んでくるのが見えた。

今度は、門が衝撃に耐えきれず、ついに壊れてしまった。

車は祐介の目の前まで迫り、あと30センチでぶつかるところだった。周囲から驚きの声が上がる中、祐介の美しい顔には特に感情の変化は見られなかった。

「お前、礼儀ってもんがないのか?」

雅之は車のドアを開け、全身から冷気を漂わせながら祐介の前に立ち、冷たく言い放った。「里香はどこだ?」

祐介は軽く「知らないけど?」と答えた。

雅之の顔色が一瞬曇り、別荘の中へ歩き出そうとしたが、祐介が手を伸ばしてそれを遮った。

祐介は嘲笑を浮かべて、「二宮さん、俺の家の門を壊したばかりか、今度は無断で侵入か?一体何が目的なんだ?」と言った。

雅之は冷たい視線を送り、氷のように冷酷な目で言った。「里香を渡せ。それで他のことは水に流してやる」

祐介は鼻で笑い、「もし渡さなかったら?」と挑発した。

雅之は冷ややかに祐介を見つめ、「最近、随分余裕があるみたいだな。お前の叔父や従兄弟たちが今のお前の行動を知ったら、どうすると思う?」と鋭く返した。

祐介の笑みが少し消え、「俺を脅す気か?」と低くつぶやいた。

雅之は「里香を出せ」と、さらに冷たく繰り返した。

祐介は舌で頬を押しつつ、また笑みを浮かべて、「無理だな。あの子は今、お前に会いたくないんだよ。彼女の気持ちを大事にしてやれよ」と軽く言い放った。

雅之の目に、さらに冷酷な光が宿った。

すると、祐介が突然こう言った。「里香がお前と結婚したのは、お前を愛していたからだ。でも、お前は彼女を裏切った。今さら後悔して離婚したくないってか?『遅れた愛情は、雑草以下』って聞いたことねぇのか?」

「バン!」雅之の拳が祐介の顔面に飛んだ。祐介は数歩よろけ、倒れかけた。

祐介が反撃する間もなく、雅之は再び彼の襟を掴み、さらに拳を振り下ろした。

その時、外の騒ぎを聞きつけた里香は、体の痛みをこらえて外に出ると、目の前にその光景が飛び込んできた。

里香の瞳が一瞬縮まり、慌てて階段を駆け下りた。「雅之!やめて、祐介兄ちゃんを放して!」

雅之の拳が空中で止まった。その隙を見逃さず、祐介は雅之の腹にパンチを繰り
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