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第182話

里香は彼に微笑んで、「なんでもないよ。必要なら病院に行こうか?」と言った。

祐介は「いや、いらない」とあっさり答えた。

里香は再び箸を手に取り、「じゃあ、先に食べようか」と言って、先に食べ始めた。

実は、里香にはあまり食欲がなかったが、食べないわけにはいかなかった。まだやるべきことが山積みだったからだ。

祐介はそんな里香をじっと見つめていたが、特に何も言わなかった。

食事が終わった後、里香は会計をしようとしたが、すでに支払いが済んでいると告げられた。

少し驚いた里香は祐介を見つめ、「祐介兄ちゃん、私がごちそうするって言ったのに」と言った。

祐介は気だるそうに言った。「俺と一緒に食事するのに、どうして君がごちそうするんだ?」

里香は目をぱちぱちさせ、「じゃあ、これからも一緒にご飯行けるってこと?」と尋ねた。

祐介は少し口元を引きつらせ、「まあ、いいよ」と答えた。

里香は微笑んで、席に戻った。

その時、祐介がスマホを振って見せ、「動画、もう君のメールに送ったから」と言った。

里香はすぐにスマホを開き、見始めた。そして、自分にぶつかってきた女の子が料理に何かを仕込んでいる瞬間を見たとき、顔色が一気に変わった。

誰かが意図的に毒を盛って、里香に罪を着せようとしているのか?

「証拠は君の手元にあるけど、警察に通報するか、雅之に直接渡した方がいい。自分で調べるのはやめとけ」

里香に対する陰謀を企んでいる連中は、彼女が手を出せる相手ではない。

里香は頷いて、「わかった」と返事した。

里香は自分の立場を理解していた。誰かが意図的に毒を盛って、自分に罪を着せようとしていた。そして、その相手は相当の力を持っているはずだ。

しかし、誰がそんなことを?全く心当たりがなかった。

警察と雅之、両方に証拠を渡すべきだ。

まずは、自分の無実を証明することが先決だ。

祐介は立ち上がり、「これからどこ行く?送っていくよ」と尋ねた。

里香は「まず警察署に行くよ。ここからそんなに遠くないし」と答えた。

「そうか、じゃあ送るよ」

祐介はすでに鍵を手に、レストランを出た。

里香は仕方なく彼について行った。

警察署に着くと、里香は動画を見せ、警察はすぐにその内容をコピーし、毒を仕込んだ女の子について調査を始めた。

その後、里香は直接病院へ向かった。

たとえ
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