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第7話

帰る気のない真紀は、引っ越し業者を呼んで彼の家にあった自分の荷物を全て運び出した。

激怒した博は、引越し業者を引き留め、真紀に出てきて理由を説明しろと怒鳴った。

真紀は平然を保ち、彼に怒鳴り返した。

その様子は、マスコミに撮影され、すぐにネット上に広がった。

ビデオの中で、真紀は片手を腰に当て、もう片方の手を博の鼻先に向けて、怒鳴り散らしていた。

「博、あなたが持っている名声が全部自分の物だと思うな。私は何年もあなたを手助けしてきた。データを管理し、ファンから守って、裏でできることは全部やった。もし別れて共同財産を分割するなら、あなたのファンの80%は私のものだ!」

「あなたの顔が私にどれほど好きかなんて思っていないわ!でも、台本の言葉を一つずつ教える必要のある花瓶!芝居の先生の費用を半分私に分け与えるなら、何年も私に感謝してるわ!

「公開するとファンが失望するって?すぐにバラエティに出て高嶺の花を懐かしがる!私の存在がどれほど強いかと思ったけど、今考えたらあなたの嘘の188cmの身長よりはマシ!」

私はビデオであの小さな影が、博の顔を青ざめさせているのを見て、思わず笑みを浮かべた。

しかし、笑い終わると、心にはただ少しの寂しさだけが残った。

かつての真紀には、芸能界で活躍するという夢があった。

しかし、身分を理由似家族から断固として拒否された。

だから、彼女の両親が彼女に博と接触するよう要求した時、真紀はすぐに同意した。

彼女の目には、博は自分が背負う家族の使命に挑戦する勇気がある人に映っていた。

自由を求める勇気がある人だった。

長年家族から抑圧されてきた真紀は、博の背中にある光を追いかけた。

でも、私たちは誰も知らずにいた。

その眩しい光の背後には、巨大で質の悪い白熱電球が存在していた。

でも、私たちの疲労困憊した蛾がその電球から離れると。

彼らは不安になる。

「何をそんなに集中して見てるの?」

私の病室に入って来た成喜が一歩進み出て、私からタブレットを奪った。

「君は患者なんだから、傷を回復させることに集中するべきだ。いつもこんなに電子製品をじっと見ているのは良くない」

私は成喜の後ろ姿を見て、平静に言った。

「成喜、私たち話し合おう」

成喜は一瞬動きを止めたが、振り返らず、聞こえなかったふりをして、私の布団
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