第5話

柔子は自分を非難する人がいると、すぐに立ち上がり、言い返した。

「真紀、あなたがまゆみと仲がいいことは知ってるけど、でも成喜に対してそんな態度取らないでよ！まゆみがなかなか姿を現さないから、私たちは心配して様子を見に来ただけよ」

「それに、まゆみが成喜と喧嘩をして、自分自身にこんなに強い手を加えるとは思わなかったわ！」

そう言って、彼女は涙を拭うふりをした。

まだ私を貶める発言をする柔子を見て、真紀は怒り震えた。

彼女は二、三歩進み出て、柔子の顔に平手打ちを放った。

「あなたは他人が捨てた物を拾うのが好きだけど、私とまゆみはそんなもの欲しくない！あなたたち三人で勝手に百年の結婚生活を送りなさいよ！私たちから離れて！」

柔子は悲鳴を上げると、すぐに目に涙を溜め始めた。

「真紀！どうして人に暴力を振るうの？あなたは博の彼女で、彼の評判を守るべきだってわからないの？」

「あの日私は本当に病気だったの。博と成喜は幼い頃からの友達だから、私を看病しに来たのよ！もしあなたが本当に不満があるなら、私は土下座して謝罪するわ。あなたが怒りを晴らすまで、そんなに衝動的になる必要はないわ！」

彼女は土下座するふりを始めた。

しかし、成喜は彼女を止めようとしなかった。

柔子は驚いて振り返った。成喜は呆然と真紀のショッピングバッグから転がり出たものを見ていた。

それはグミの袋だった。

これまで、成喜の食事や生活は私が管理していた。

私はこれが婚約者の義務だと思って、心を込めて世話していた。

彼はいつも忙しく、早く出かけて遅く帰る。

だから私は彼のバッグに、グミの袋を入れておいた。

私は成喜に言ったことがある。

私が子供の頃、一番嫌いだったことは病気になることだった。

痛みと苦みが怖い私だったから。

でも子供の頃は体が弱くて、時々注射や薬を飲まなければならなかった。

私が泣きじゃくると、母はいつも私にその一粒のグミを口に入れてくれた。

このグミは私にとって、慰めだけでなく、親愛と付き添いだった。

その時の成喜はこの話を聞いて、面倒臭そうにでもそのグミの袋を受け取った。

その後、私がナイフで指を切った時。

彼は私が涙を堪える様子を見て、その中から一粒、私に食べさせてくれた。

その時、私はまだ誤解していた。

成喜は私の話を覚えていて、私を受け