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第7話

彼が私を追い出したとき、彼の中では、私が素直に戻ってくると確信していたのだろうか。

残念ながら、養母も私がどこに行ったのか知らないようだった。

「もう半月も連絡をくれないのよ。私こそ、彼女がどこにいるかあなたに聞きたいくらいだわ」

養母は伶を睨むように見つめ、不快そうだった。

彼女は伶に不信感を持っていた。

彼のことを「強引で独断的すぎる」と思っていたからだ。

いずれ彼が私を傷つける日が来ると信じていた彼女の予感は当たっていた。

彼は私に振り返ること一度もなかった。

伶は彼女の言葉を信じられず、袖を掴んで懇願した。

「おばさん、今度こそ絶対に彼女を怒らせないと約束します!」

「彼女に会わせてください、お願いです!」

「一目だけでいいんです、彼女が無事だと確認したらすぐに出て行きます!」

伶は心のどこかで既に答えを予感していたが、どうしても信じたくなく、結果を求めて執着していた。

養母は怒りに任せてスリッパを投げつけ、彼を追い出そうとした。

「よくも言花を探しに来られるものね!」

「彼女がこんなに長い間いないことに気づかなかったの?」

「恋人でありながら、どうして彼女の失踪を知らなかったのよ!」

「言花はあんたをこんなにも愛していたのよ!どれほど尽くしたか分かっているの?それなのに、あんたは簡単に彼女を放り出した!」

伶は涙ながらに叫んだ。

「俺は……ただ彼女が怒っているだけだと思っていたんです」

「本当にごめん、言花……」

養母は彼を団地から追い出した。

伶は放心状態のまま、自宅へ戻った。

ドアを開けると、目の前には荒れ果てた部屋が広がっていた。

一瞬呆然とした後、激怒して部屋にいる友音を見つけた。

「何をしたんだ!」

友音は唇を噛み締め、伶をじっと見つめていた。その目には一瞬、後ろめたさがよぎった。

「あの女のために私を責めるのね!」

「彼女のことを思わないようにしていただけよ!この家には彼女の痕跡が残っていて、気分が悪くなるの!」

伶は彼女の手首を掴み、ドアの方を指差して言い放った。

「出て行け!二度と言わせるな!」

友音は泣きたいのを必死に堪え、顔を覆いながら走り去った。

伶はよろめきながら床に跪き、壊れたフィギュアを拾い上げた。

それは私が手作りしたもので、私たち二人に似たキャラクターだった。
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