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第5話

家に戻ると、友音は酔った勢いで彼に絡みついた。

彼女は少し涙ぐんで訴えるように言う。

「伶、さっき返事は?」

「本当は私のこと想ってるんでしょ?なんで認めてくれないの?」

伶は少し困ったような顔をして、彼女をソファに座らせた。

そして、彼女の乱れたスカートをそっと整えながら、静かに言う。

「友音は酔ってる」

しかし、友音は離れようとせず、彼にしがみついて泣きながら言った。

「離れたくない!離れたらまた君は誰かのものになっちゃう!」

「先に出会ったのは私なのに……」

「私にチャンスをくれない?あの女のことは忘れて、私と付き合ってよ。もう伶を手放したくないの」

確かに友音の言う通りだった。二人は幼い頃からの幼馴染だった。

もし友音が高校の時に留学を選ばなかったら、おそらく大学時代に私が伶と付き合うこともなかっただろう。

これは私が伶と付き合ってから、彼に聞いた話だった。

その時、私は冗談で言ったものだ。

「幼馴染が戻ってきたら、またその子とやり直したりするの?」

ただの冗談だったけれど、伶は真剣な目で私を見つめて言った。

「あの頃は無知だった。恋だと勘違いしてた」

「俺が愛しているのは言花だけだ。信じて、絶対に裏切らないから」

その時、私は感動で胸がいっぱいになり、彼を見上げて言った。

「じゃあ、私を永遠に愛すると約束してくれる?」

22歳の伶は熱い思いを抱きながら、私をそっと抱きしめて耳元で言った。

「約束するよ。裏切る者は万死に値する」

ふと我に返り、再び部屋の伶を見ると、彼は酒のせいか、抑えていた感情が揺らいでいるようだった。

彼は友音を手放したくないように見える。

友音はまるで賭けに勝ったかのように、満面の笑みを浮かべた。

「やっぱり、私の方があの人より大事なんだね」

私は空中に漂いながら、その勝ち誇ったような笑顔を見つめ、胸が締めつけられるように痛んだ。

友音は伶の膝の上に乗り、自ら進んで彼に身を寄せた。

だが、伶の視線はふと背後にあるあの絵に向けられた。

彼は反射的に友音を押しのけ、苦悩の表情を浮かべた。

「ごめん、友音……これ以上はダメだ」

友音は押しのけられたことで酒が回り、激しく感情を爆発させた。

「またあの女?あの女のどこがいいの?」

「本当に伶を愛してるなら、こんなに長い間、何も連
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