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第190話

美咲の事業は順調に進展し、氷川との関係も深まっていった一方で、橋本月影と黒崎拓也の状況はますます悪化していた。

黒崎拓也は逮捕されて裁判にかけられたが、

黒崎社長は愛息を守るため、あらゆる手を尽くして一流の弁護士を集めた。しかし、相手が氷川である以上、どんな名弁護士でも無力だった。

氷川の圧力によって、

彼は故意の傷害罪で長い刑期を言い渡された。

実際には、アシスタントを気絶させた程度で、そこまでの重罪にはならないはずだが、

氷川の影響力が重い判決を引き寄せた。

一方、橋本月影は精神病院に入れられ、橋本海人が彼女を連れ出そうとしたものの、

黒崎社長がそれを妨害した。

それにより、月影は精神病院で辛い日々を送ることになった。

結果、彼女は病院で苦しい生活を送ることとなり、結婚生活も破綻していたのに、

離婚もできないという泥沼の状況に追い込まれた。

まさに泥沼の状況と言えた。

状況を見守っていた氷川は満足げに微笑み、美咲にその状況を教えた。

美咲はその知らせを聞いて少し驚いたものの、特に深く考えずに受け流し、法官が黒崎拓也に厳しい判決を下したのだと納得した。橋本月影の精神状態が悪化していたこともあり、美咲はこの件を深く追及しないことにした。

一方、黒崎拓也と橋本海人は、これ以上美咲を怒らせたのを恐れ、ただ自分たちの事業の立て直しに必死になった。

しかし、黒崎拓也が投獄され、また月影が精神病院に入院したことで、彼らの評判は急速に悪化し、事業運営も困難を極めた。数ヶ月もしないうちに、事業は危機的な状況に陥り、破産寸前に追い込まれてしまった。

皮肉にも、そんな彼らを最後に助けたのは氷川だった。

しかし、その助けは善意からではなく、

氷川は彼らが苦しむ様子を楽しむためのものだった。

氷川は非常に腹黒い性格であり、彼を怒らせると、同じような悲惨な結末が待っていた。

数ヶ月にわたった調査の結果、斎藤は手元の資料を見て、少し戸惑いを感じていた。

こんなにも時間をかけて探し続けていた相手が、まさか自分たちの目の前にいたとは…彼らはこの間、全国に勢力を広げ、密かに戸籍の情報を調査していた。

あの姫様が生まれた日付が正確にわかっていたため、その日に生まれた赤ん坊を対象に調査を進めていったところ、

橋本海人の長女である美咲の出生記録が病院に残さ
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