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第41話

もしかして、小池お爺さんの誕生日パーティーで裏で企てたのは莉子だと知っているのか?

加藤は眉をひそめ、冷たく優奈を見つめた。「どういう意味なんだ?!」

優奈は冷淡な表情で彼を見返し、「どういう意味なのか、あなたたちは十分にわかっているでしょ?!あなたの彼女が着ているこのドレスは、私が彩花に誕生日プレゼントとして贈ったものよ。どうして今、彼女が着ているのか説明してもらえますか?」

莉子の顔は青ざめ、恥ずかしさと怒りが込み上げてきた。このドレスが優奈から彩花へのプレゼントだったなんて?!

加藤は冷笑し、「彩花にはお金を振り込んでおいた。このドレスは今、私の彼女のものだ!」

優奈は眉をひそめ、「やっぱり、図々しい人は世界無敵ね。彩花がこのドレスを売ると承諾したわけではないでしょ?」

加藤は顔を曇らせ、黙っていた。

莉子は優奈に向かって困り顔で、涙ぐみながら言った。「優奈さん、このドレスがあなたから高橋さんへのプレゼントだったなんて、私知らなかったんです。ただ単純にこのドレスが可愛くて......だから加藤にお願いして高橋さんから譲ってもらったの。怒るなら私を責めてくださいね!」

優奈は彩花が莉子に勝てなかった理由がわかった。この可哀想な様子に、男性なら誰でも心を痛めるだろう。

「好きだからといって、人に無理矢理手に入れさせるの?あなたはもう愛人として慣れていて、何でも奪いたいのね!」

「優奈さん、言い過ぎよ。廉の顔を立てて、我慢してあげてるだけよ!」

成瀬は淡々と加藤を一瞥し、無表情で言った。「我慢する必要はない」

莉子の目に喜びが一瞬浮かび、成瀬が本当に優奈を好まないことを確認した。

加藤も驚き、優奈を嘲笑する目で見た。「廉がそう言うなら、私は......」

言いかけた言葉は成瀬に冷たく遮られた。

「俺ですら、お前を見下しているから」

加藤の顔色は急激に悪化し、成瀬を信じられない目で見つめた。

しかし成瀬は彼を一瞥もせず、冷たく言った。「すぐにドレスを返して。さもなければ、優奈だけでなく、俺もお前の彼女を楽にはさせない!」

加藤は成瀬がここまで容赦ないことに驚いた。「廉、長年の友人なのに、たった一着のドレスのために、私をこんなに侮辱するのか?!」

成瀬は冷たく彼を一瞥し、「面子をあげるつもりなかったら、今すぐ鈴木にドレスを脱がせるつ
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