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第 0314 話

江雅子が急に倒れた理由が彼女はやっと分かった。

瀬川秋辞はスマホを握りしめて、怒りが心にわき上がってきた。ちょうどこの頃、庭からエンストの音がしていた。佐々木さんがドアを開けようと台所から出てきたが、瀬川秋辞は「佐々木さん、私が行く」と呼び止めた。

そう言ったら返事も待たずに、まっすぐ庭に向かって歩いて行った。

帰ってきたのはやはり薄野荊州だった。だが、彼は一人じゃなく、側には松本唯寧も一緒だった。

手を繋がなくても、二人は肩を並べて歩いていることからして、どう見ても仲の良く親密な恋人同士だった。

彼らに向かって瀬川秋辞は大股で歩いて行った。彼女を見た瞬間、薄野荊州は思わずちょっと眉を顰めた。
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