共有

第 0320 話

瀬川秋辞の視線は男の背中に落ちて、ついにいつこの願い事をしたのかを思い出してきたー確かに結婚1年目の誕生日だった。

その日、薄野荊州は12時近く戻ってきてから、彼女に醜いケーキを投げつけた。それは田中栩が彼女のために作った失敗作だと言っていた。

それなのに、彼女は実に喜んでいた。母がいなくなった後、彼女の誕生日を覚えている人は中村悦織以外には他にはいなかった。だから、彼女は本気にその願い事を祈っていた。

薄野荊州が彼女のそばに歩いてきた。花火を見つめてぼんやりしていた瀬川秋辞を見たら、彼は少し喜んできた。「これまで見た花火で今のが一番きれいだろう。お金で買えるのは全部普通のやつなのに、ましてや
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status