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第 0312 話

テレビでは紅白戦が放送されていて、にぎやかな雰囲気だった。それに対して、家がまるで墓地のように寂しく見えてきた。彼女は少しめまいがして頭を振りながら、ソファーに置いたスマホを持ち上げて、薄野荊州に電話をかけた。

しばらくして電話がつながった。男の冷たい声が受話器を通して彼女の耳に入った。

松本唯寧は首を傾げてソファーに寄りかかった。「荊州、こっちに来てくれないの?私一人ぼっちで、彼女は私の電話に出ないし、きっと私のことまだ憎んでいるから…」

話が少し混乱していたが、薄野荊州はなんとなく彼女の話がわかった。ちょっと黙ってから、また尋ねた。「お酒飲んだ?」

「うん」

「マネージャーを行かせる…」

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