第6話

彼はまるで飢えた狼のようだった。

その間、何度も私のズボンを脱がそうとしたが、私はなんとかギリギリのところで抵抗した。

だから彼は欲望を舌で発散し、私はその刺激に思わず何度も叫び声を上げてしまった。

帰るときには、全身がふわふわしていて、胸が今までにないほど軽く、下着は濡れて臀部に張り付いており、早く家に帰ってシャワーを浴びたくてたまらなかった。

だから今回は、別荘の前のバス停で待つのではなく、少し歩いてタクシーを捕まえることにした。

交差点まで歩いたところで、ふと気がつくと携帯電話がなくなっていた。思い返してみると、田中さんとソファであれこれしていたときに、ズボンのポケットから落ちたのかもしれない。

そこで私は別荘に戻るしかなく、到着すると、門の前に見覚えのある車が停まっているのを見つけた。

この車は、家政会社の前でも見たことがある佐藤さんの車だった。

私は彼女に挨拶でもしようと思っていたが、ちょうどそのとき彼女が田中さんと庭で話しているのが見え、私の名前も会話に出てきた。

そこで私は咄嗟に陰に隠れて、会話を盗み聞きすることにしたが、次に聞こえてきた内容に衝撃を受けた。

「まだ手に入れてないんですか、ボス？」佐藤さんが恭しく尋ねた。

田中さんは鼻で笑いながら言った。「お前は分かってないな、桜ちゃんみたいに刺激を知らない女は、徐々に罠に引き込むのが面白いんだよ」

佐藤さんは少し不満そうに、「でも、ルールでは、遊んだ相手じゃないとミャンマーには連れて行けない。これだといつまで待たなきゃいけないんですか」と言った。

彼女が言った「ミャンマー」という言葉で、私は研修中に佐藤さんが言っていたことを思い出した。

家政会社で業績が良ければ、将来は海外に派遣される可能性があり、そのときは収入が倍になるという話だ。

ミャンマーがどんな場所かは、短い動画を検索すればすぐにわかる。

彼らがこんな下劣な手段を使うなんて。

会話の中から、あの赤ちゃんは田中さんの子供ではなく、彼が孤児院から引き取った子供だと知った。

そのかわいそうな子供は、女性を騙すための道具でしかなかった。母親として、これを聞いた瞬間、私は怒りが湧き上がってきた。

私は静かにその場を離れようとしたが、またしても彼らの会話に夫の名前が出てきた。

「定金は元々木下健太、つまり桜ちゃんの