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第172話

午前中、奈美は必死に紗希の悪口を言っていたのに、午後になって真相が明らかになり、実際に田中さんに囲われていたのは奈美自身だったのだ。

風間は咳払いをして、受付嬢に言った。「ロビーを片付けてもらえる?もう用事もないし、みんなも帰っていいよ」

すぐに、スタジオには風間と紗希の二人だけが残った。

紗希は顔を上げて言った。「真実は明らかになったけど、スタジオにはまた迷惑をかけてしまいました」

「紗希、お前が無実だってずっと分かっていたよ。ただ、奈美がこんな人間だとは思わなかった。後でスタジオから奈美を解雇する声明を出すよ。もう遅いし、この件の処理が終わったら、一緒に食事でもどう?」

「いいわ」

紗希も風間に迷惑をかけたので、彼の誘いを断るのは良くないと思った。

すぐに、風間はオフィスへこの件の処理に行った。

彼女は外の自分の席に座り、パソコンを開いて自分が作った別アカウントで投稿した写真と動画を見た。今やコメント欄は爆発的に盛り上がっていた。

紗希は先ほどの奈美の末路を思い出し、これらの動画と写真を削除した。でも、この盛り上がりを見ると、これらの写真と動画はもう広まってしまっただろう。

その時、あるメディアの大物が投稿した内容が目に入った。「紗希がスタジオの同僚に妬まれ、悪意ある噂を立てられた。現在、噂を立てた人の動画と写真が暴露され、真相が明らかになった」

紗希はこの投稿を開いた。噂の経緯が明確に説明されていた。

ただし、この内容には奈美の背後にまだ誰かいることには触れられていなかった。

その時、関連トピックで、大京市の有名な法律スタジオが某建設会社の社長一家を公開して訴え、天才デザイナー紗希への中傷に対して公開謝罪を要求していることを知った。

その有名な弁護士チームを見て、紗希は驚いた。「これは、悠真兄が働いている法律事務所だ」

兄たちが彼女を守ってくれているのを見て、紗希は心の底から温かさを感じた。

これが家族の感覚なんだ!

いいわよ!

1時間後、風間は仕事を終えてオフィスから出てきた。「紗希、警察側が事件の締めくくりに私たちに来てほしいそうだ」

「行こう」

紗希は午前中のあの状況で自分を信じ、この件を警察に報告してくれた先輩にとても感謝していた。今は先輩と一緒にこれらの事を処理しなければならなかった。

二人はスタジオを出て、直
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