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第9話

姉が出産の時、難産になった。

養母は分娩室の外で落ち着かない様子で行ったり来たりしていた。

事情を知らない人は、分娩室の中の妊婦を本当に心配しているように見えただろうが、彼女が気にしていたのは胎盤だけだった。

しばらくすると赤ちゃんが生まれ、養母は待ちきれない様子で胎盤を受け取るとすぐに立ち去った。

私は隅で冷ややかに見ていただけだった。

家に戻ると、金子さんは胎盤を調理して帰っていき、養母はすでに食べ始めていた。

私は養母の向かいに座り、まっすぐ前を見つめていた。

養母の様子がおかしかった。彼女は胎盤を狂ったように嚙んで、作法など全く気にしていなかった。

以前の彼女ならこんなことはしなかったはずだ。

私は台所で水を汲んで彼女に渡すと、養母は何も気にせず飲み干した。

彼女が飲み終わるのを見届けてから、私は口を開いた。

「お母さん、美味しいの?」

その言葉を言い終えるや否や、養母の目が焦点を失い始めた。

私は株式譲渡契約書を手に持って近づいた。

「お母さん、私が誰かわかる?」

彼女は首を傾げて答えた。「暖菜よ」

「今、正気?」

彼女は笑顔で答えた。「もちろん正気よ」

私も笑みを浮かべて言った。「じゃあ、ここにサインしてくれる?」

私はそう言って株式譲渡契約書を開いた。

彼女はペンを持って無邪気に尋ねた。「何にサインするの?」

「お母さんの名前を書くだけでいいの」

彼女は丁寧に自分の名前を書いた。まるで何か偉大な任務を遂行しているかのように真剣だった。

サインが終わると、彼女の意識が少し戻ってきた。すぐに自分の体調がおかしいことに気付いた。

彼女が狂ったように私に飛びかかり、契約書を奪おうとした。

私は素早く身をかわし、彼女を蹴り倒した。

「暖菜、私に何をしたの!」養母は怒鳴って問いただした。

私は首を傾げ、静かに言った。「お母さん、病気になったの。でも大丈夫、最高の精神病院を手配してあるわ」

その言葉を聞いた彼女は怒るどころか笑い出した。「あなたごときが」

私はその言葉を聞くと、近寄って彼女の顔を踏みつけた。

何度も踏みつけ、彼女の歯が抜け落ちた。

鼻と口から血が流れ、養母は悲鳴を上げ、涙と唾液が流れ出し、赤さが顔に付いた。

「お母さん、私にそんな汚い仕事を任せれば、ずっと忠実に働くと思った?

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