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第10話

姉は笑って言った。「もちろん生きているわ。そうじゃないとあなたが死ぬところを見られないもの」

姉は養母に近づきながら言った。「お母さん、実は東一はずっと前から薬物中毒だったのよ。ただあなたに隠していただけ。東一がどんな人か分かるでしょう?自分を苦しめるような人じゃないわ。

だから、この情報を知った後、真世は密かに私に連絡してきたの。

そして私が記者たちと連絡を取れたのも、真世が携帯のSIMカードを用意してくれたから。

なぜ真世が家に火をつけたか分かる?そうしなければ、誰にも疑われずにSIMカードを私に渡す機会がなかったから。

真世は死を覚悟してこれをやったのよ。

お母さん、あなたの言う『生育の道具』に裏切られた気分はどう?」

養母はその場で固まった。「じゃあ、あなたたちの不仲も演技だったの?」

私は笑顔で、目を輝かせながら言った。「それだけじゃないわ、お母さん」

「あの日、お母さんがドアの外で盗み聞きしているのは知っていたの。私たち姉妹が対立させたいなら、その通りにしてあげただけ。

もし私を信頼してくれたなら、それは私たちの勝ちだったのよ。

お母さん、この芝居、楽しめた?」

彼女の目が一瞬で大きく開いた。しばらくして何かに気付いたように急いで立ち上がり、「暖菜、私を裏切った結果がどうなるか分かっているでしょう!」

「何をしたとしても、人身売買に関わった事実は変わらないわ。良い結末が待っているとでも思っているの?」

そのとき、外からけたたましいサイレンの音が響いた。

養母は携帯を掲げて言った。「私が手をこまねいて見ているとでも思った?とっくに証拠は用意させておいたわ。

こんなに長々と話させてくれて、メッセージを送る時間ができて助かったわ」

「どう、暖菜、私と一緒に地獄に行くの?」

姉はそれを聞いて私の手を掴んだ。「どういう意味?何の人身売買?暖菜、私に隠していた何かがあるの?」

私は黙って姉を見つめた。確かに養母に脅されていたことは姉に話していなかった。ただ、助けになれると伝えただけだった。

私は姉に笑顔を向けて慰めた。「大丈夫よ、お姉ちゃん」

これは間接的に養母の言葉を認めたことになった。

姉の呼吸が急に荒くなり、憔悴し疲れ果てた様子で、心の痛みに耐えられないようだった。

「私は三日前に警察に自首して証拠を提出したの。船
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