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第8話

姉と仲間割れをした以来、養母の私への監視は随分と緩くなった。

多くの仕事を私に任せるようにもなった。

何度か人を送る時も付き添わなかった。

でも、まだ私を監視していることは分かっていた。

東一の判決が下り、5年の実刑判決を受け、そして麻薬中毒更正所に収容された。

5年だけの刑期は間違いなく養母の手配によるものだ。東一は精子を冷凍保存していたが、人工授精にも相当な費用がかかる。

佐藤家は今まさに風前の灯火で、養母もこれ以上リスクを冒すつもりはないだろう。

これは養母が長期間胎盤を入手できないことを意味していた。

だからこそ、姉のお腹の赤ちゃんは彼女にとって特に重要だった。

姉のお腹はもうかなり大きくなっていた。

養母は一日中姉の側にいた。

私が帰宅した時、お手伝いの金子さんはちょうど帰ろうとしていた。

私は彼女を呼び止め、「金子さん、ご存知の通り、最近うちはうまくいっていなかったんです。母の情緒も不安定で、薬や食事の方に気を付けてください」と頼んだ。

金子さんはすぐに答えた。「分かりました、ご安心ください」

養母の部屋の前を通りかかった時、食器の中の補剤が完食されたのに気付いた。養母は常々養生に気を使っていて、今は胎盤が手に入らないから、なおさらこういった補剤に執着しているのだろう。

でも、補剤の取りすぎは体に良くないはずだ。

姉の妊娠八ヶ月まであと数日という時、養母が私を呼んだ。

「私のアシスタントから聞いたわ。最近の後始末をよくやってくれているそうね。騒ぎを起こす女の子たちも減ったって」

私は微笑んで答えた。「当然のことです」

養母は立ち上がって私に近づいて言った。「あなたが私の期待を裏切らないと分かっていたわ。

お姉さんの体調があまり良くないの。早めに出産させようと思うんだけど、どう思う?」

彼女はそう言いながら、まばたきもせずに私を見つめていた。

分かっていた。これは私を試しているのだ。私と姉の仲が悪くなければ、養母は思い通りに事を運べない。

私は無表情で答えた。「お母さんのお考えの通りにすればいいと思います」

「お姉さんが手術台で死んでしまうかもしれないのよ?怖くないの?」

私はその言葉を聞いて嘲笑うように言った。「何度も産んでも死ななかったのに、そう簡単には死なないでしょう。もし本当に死んだら、悪いのは彼女
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